台所通信 4
日本にいるときも、まめにパンを焼いていた。子供が4人もいるのに偉いわネー!といわれることがあったけれど、粘土遊びの代わりと思えば、あとで食べられるだけいいのだ。それに子供が満足するだけのパンをかうより安上がりだ。ロスにいる友人もいってたけど、こっちのパンってあまりおいしくない。トーストすれば気にならないのだが、酸っぱいような匂いがする。おとうと子供たちはトーストしたのを食べるだけだから、「おいしい!」といっている。平和なヤツらだ。しかし、母は気が済まないのよ。だって、こっちで売ってるパンって、薄くスライスしたのと、ホットドッグ用のと、ハンバーガー用のがほとんどで、ベーカリーにビーグル、フランスパン、たまにデニッシュの類があるだけ。いわゆる菓子パンがないんだもの。子供も言った。「幼稚園の近くのパンやさんのクリームパンが食べたいね!」「チョコパンもおいしかった!」「焼きそばパン!カレーパン!」「たべたーーーーーい」。だから、自分で焼くことにした。
カスタード・クリームは作れる。でもチョコクリームは?ええい、面倒くさい!チョコチップをそのままぶっ込んでしまえ!アメリカへ来てもいい加減な性格は変わらないのであった。とにかくドライカレーパンや、ハム+マヨネーズパンや、シナモンロールなどどっさり作る。一回に小麦粉1キロ分。これが一度にこねられる限界だ。はっきりいってこれでも一人ではつらい。のんとみーが強力な助っ人である。結構、役に立つ。子供は翌日、自分の作ったパンを先生におすそ分けする。遊びに来たがきんちょがぞろぞろぱくぱく食べる。で、瞬く間に無くなってしまう。おまけに「今度はもっとちょうだいね」なんて言われるのだ。うれしいけれど、毎日のように焼いてたらつまみ食いでぶくぶくと取り返しのつかないことになるぞ!困ったな。
おーい、誰かこっちに来てパンやさんを始めてくれませんか?きっと、成功しますよ!