台所通信17 お惣菜:手抜きしないわけ
ちーとかおは平均して月に5回ほどお弁当を持っていく。(おとうは毎日よ。)学校のランチが必ずしもおいしいとは限らない。栄養的にも今ひとつだ。でも温かいものは温かく、冷たいものは冷たく出てくる。それにお弁当だと「これなあに?」「あれなあに?」「ひとつちょうだい!」と食べる暇がなくなるとかで、ほとんど学校のランチをたべている。
ちーがお弁当を持って行くと友達が必ず聞くそうだ。「お母さんが作ったの?」これを聞いて私はさすがアメリカ、お父さんが作る家もあるんだ!と感心してしまった。確かにお父さんがピーナッツバターとゼリーのサンドイッチを作ってくれた!という子もたまにはいるそうだが、この場合は私の早とちりだった。自家製のお弁当か、それともグローサリーで買ったものか?という意味だったのだ。
ちーは「グローサリーストアにお惣菜のコーナーがあるの?」とびっくりしていた。グローサリーストアにはデリと呼ばれるコーナーがあって、チーズやハムを好みの厚さにスライスしてくれたり、サラダが置いてあったりする。ちーにそのデリコーナーがお惣菜売り場だと言ったら、ちょっとがっかりしているようだった。日本のスーパーのお惣菜コーナーが懐かしいそうな。ちーは叫んだ。「カツにコロッケ、ギョウザにシュウマイ、お寿司にからあげ!」高くつくからそれほど頻繁には利用しなかったけれど、うちのがきんちょはきれいに並んだお惣菜をながめるのが好きだったのだ。
ちーの友達が言ったのはどうやら冷凍食品の事のようである。ここいらでは一人分の食事がパックの冷凍食品として、実に豊富に売られている。フライドチキンにマカロニチーズ、グリーンピース、コーン、バターライス。この手のセットがズラズラッと並んでいるのだ。こういうのを買ってチン!してお皿にきれいに並べればすてきなディナーのでき上がり。なかにはもちろんローファットだと言うのもあるし、本当によりどりみどり。実は試してみたくて一度だけ買ったことがある。私が風邪を引いたときにでも使えればいいなーと思ったのだけれど、残念ながらおいしくなかった。で、我が家には自家製ばかりが並ぶ。
ちーは友達に言ったそうな。「うちのお母さんはね、手抜きはしないの!」したくなくてしないわけじゃないんだけどナー。日本のお惣菜屋さん、コロンビアにお店を出してくれませんか?