子育ては体力だ 2
我が子はかわいい。これは本当だ。親バカという言葉は適切に私を形容していると思う。子供の欠点すら、結局いとおしいと感じてしまう。
かおは面白いヤツである。頑固でめんどくさがりやで、屁理屈を言わせたら大人もかなわない。一筋縄ではいかない。だから、時々困ったことが起こるのだ。
夏休み、日本語補習校と通信教育の宿題がどっさりあった。毎日少しずつでもしていれば、さほど困りはしなかった。それを私は毎日こんこんと説き続けた。しかし、かおはいっこうにしようとはしなかった。補習校の2学期が始まるその前の日に、どんな事態が予想されるかも、きちんと説明したはずだ。母を無視した罰にしても、7才のかおには酷な夜であった。
かおが宿題に取りかかったのは夜7時近かった。おとうは意地になっていた。こういう時のおとうのしつこさは並大抵ではない。「全部、やらせろ。終わるまで寝かせるな。」本当にそうだった。お恥ずかしいかぎりだが、私は午前2時に眠ってしまったのだ。かおも3時にベッドに入ったらしい。おとうは「まだ終わってない。」とかおの足をもって、ベッドから引っ張り出した。泣き叫ぶかおをみて、ここまでしなくても・・・と正直なところ、思った。でも、母はまた眠ってしまった。5時ちょっと前に目が覚めたが、ベッドにはかおもおとうもいなかった。おとうはリビングルームのソファで、かおはそのソファにあごだけのせて、眠りこけていた。すっかり重くなったかおを抱き上げて、ベッドに運んだ。宿題は全部ではなかったけれど、あらかた終えていた。
7時半に起きたかおにおとうは「時間まで、残りをやれ!」と言った。しつこさにかけては右に出る者はいない。
身から出た錆、とは思うけれど、かおは本当にしょうがないヤツだ。だけど、かわいくって、楽しくって、だーい好きなのである。
のんた