子育ては体力だ 1

 いわゆる、インラインのスケートを買ってから1週間、子供たちはカーポートで練習に励んだ。のんの友達はスケートをもっていなかったため、早速母と買いに走った。隣のベッキーはインラインをねだり、弟のアレックスは靴のまま履ける3ー6才用のヤツを買ってもらった。我が家のカーポートはスケートを履いたがきんちょどもでごった返す毎日だ。
 土曜日の夕飯時になってベッキーが「これから学校にスケートをしに行くから一緒にどうだ?」と誘いに来た。急いで食事を済ませ、スケートをもっていく。おとうは、ぽぽこを連れてきた。ぽぽこはわたしたちを追うべくフェンスの下を掘っていたのだった。大人は私達夫婦とベッキー姉弟の母の三人、子供は6人のパーティーだ。3才のみーまでスケートを持って行った。上三人のスケートを買うとき、みーにも探したのだけれど平均よりずっとこぶりのみーに合うのは見つからなかった。で、のんが今まで使っていた普通のローラースケートを持ったのだ。もちろんぶかぶかで、3ー6才用を買ってやった方がましだったように思うのだが、4人目ともなると・・・・ま、いいか。
 インラインで広いところをすべるのは初めてなのだが、子供ってどうしてこう何でもすぐにうまくなってしまうのだろう。母親達に会う度に、スケートができるか聞いているのだが、皆そろって「だめ!ぜーんぜんだめなの!」と答える。大人になってからはじめるってーのはやっぱり、なかなかむずかしいのだろうか?だれにも見つからないで練習できるところがあったら、してみたいな。おとうに見つかると、「みっともネー!カーポートに穴があく!」って言われるもんね!
 その日、8時近くまで遊んで、ベッキーがちーに泊まりに来て欲しい、と言う。彼女の母は看護婦サンで週に3日夜勤がある。泊まりたくてもなかなかチャンスはない。だから、いいよ、と答えたものの、かおとのんがふくれている。ベッキーのお母さんは、「かおも来る?日曜日はいっしょに教会へ行く?」と聞いた。風呂を済ませてから、ということにしてわかれたのだが、家に帰ってからのんが大泣きしてしまった。お母さんの隣でねんねすれば?いっぱいお話してあげる。抱っこで連れてってあげよう。何を言っても泣きやまない。3人もぞろぞろ行ったら迷惑か?そりゃ、もちろん!でも、聞いてみる、と言ってしまった。それからののんは素早かった。お風呂も歯磨きも寝袋の用意も、いつもこうだったらうれしいのに・・・。ちーが真っ先にベッキーの家に行って、のんも泊まっていいか、と聞いた。オーケーだった。みーはこの時になってはじめて自分一人が置いてけぼりになると気づいてべそをかいた。
 上三人が行ってしまってから、おとうは「一緒にねんねしよう!」とみーをおぶってベッドルームに行った。それから5分もしないうちにみーはべそをかいて戻ってきた。
 「おとうさん、もうねんねしちゃったよ!」
 おとうは翌朝8時半すぎにやっと起きてきて言った。
 「みー、おとうさんとねんねできていいこだったね。」

                           のんた