子供たちは、いつになく注射がいやだと前日から泣いていたのだった。今から考えれば、何か(時間と空間を超越した何か)を感じていたに違いない。
8月21日から小学校に行くためには、小学校にResistration しなければいけない。提出書類としてImmunization (予防注射証明書)が必要になる。日本で医者に証明書を書いてもらい、それを現地で見てもらい足りないの接種すればいい。幸い、日本で必要なMMRとDTPは上の二人は済ましている。日本の事情を説明すれば、現地で接種しなくて(ちょっと足せば)いいと考えていた。私は昔から医者がきらいで、いまでもMMRやDTPと聞いても、銀行やパソコンを連想してしまう程無関心。したがって、予防接種は、うちのカミさん任せ。Health Department とかのアポイントもカミさんにとってもらう始末。いよいよ名前をよばれて、ゾロゾロ6人で診察室?に入って行った。そこでは、既に4人分の予防接種の準備がしてあった。
看護婦さんが説明を始めた。以下、再現に自信がないので日本語で。
Nurse: 「今日は、小学校に必要な接種を全部用意したので、今日だけで終わりにできます。それでは、リラックスするために体操を」といいながら勝手に一人で足踏みをはじめる。
S: 「W, wait a minute. We are not sure which shots are required.」
と慌てる。そうだそうだと、カミさんが言う。
N: 「OK、ええと、今日受けるのは、、、」と説明を始める。
なんと、日本と接種回数が違うのでMMRもDTPもポリオも必要だって!な、なんと。それを今日全部済ませるって?! 時間が節約できるだって?なに、手に一本。足に一本。ポリオは経口だと? 今は夏だよ。日本では、夏には受けられないのが、あったような....? 私とカミさんは、子供の一大事と必死で日本の回数を説明するが、ここでは法律でそうなっているとの事。結果として納得せざるを得なかった。熱やヒキツケが起きたら医者に行けとか、卵のアレルギーがないかを聞かれた後、医者の予疹もなく、4人とも経口ワクチンを緊張した顔つきで済ませた。いよいよ、ショットだ。
N: 「それでは始めますが、ショットが終わったら子供は外にでますか、ここにいますか?」
また変な事言い出した。カミさんと私は顔を見合わせながら、イエス。
N: 「では、最初は誰?」
ということで長女は一人で椅子に座った。最初は足だ。あれ? なんだ?あの看護婦の構えは。注射器の持ちかたは。あれは、アイスピックの構えだ!ヒエーッ、そのまま、足にグサリ! 手にもグサリ!
二人目は、一人じゃいやだと言う。トーちゃんにダッコで、グサリ、グサリ。三人めは、暴れだす。カーちゃんが押さえながら、グサリと一回だけ。ちょっとラッキー。しかし、泣き叫ぶ。四人目とカーちゃんを残して待合室に避難した。いつもはスプライトや7UP で泣きやむ三人目も、今回はさすがに泣きやまない。待合室で、堂々と泣いている。まわりの人も同情の目でこちらをみている。言葉がなくても、状況は解っているようだ。しばらくすると、四人目の子供は両足にバンコウソウを貼られて出てきた。
というわけで、4人で7ショット4経口ワクチン、合計23ワクチンを接種した。結論は二つだ。小さい子からショットせよ。あれはまさにショットである。疑問も二つ。小学校への手続としてはいいとしても、医学的に正しいのか?もっと親がまじめに各種手続きを研究していれば、いくつかショットを減らせたのだろうか?