ポポコもつらいのよ by ; Noriko
ポポコも日本に連れて行くというと、こっちにいる日本人はたいてい驚いた。ガキンチョは「ポポだって家族なのに、いっしょに行くのが当然なのに、どうして驚くの?」と驚かれたことに驚いたのだが、手続きは英語だし、費用だって馬鹿にならないし、とにかく忙しいときに手間がかかることこの上ない。ほんの一瞬でもこのわずらわしさから逃れたいと言う気持ちがよぎったことをポポコに申し訳なく思っている。
まず、かかり付けの獣医に帰国のことを伝えた。おとうがインターネットでいろいろ調べてくれて、狂犬病の注射を受けてから30日以上たっていないといけないなどという細かいきまりは手に入れたのだが、ドクターも独自に調べて健康診断書を作ってくれることとなった。出発に先立つこと50日ほど前に1度診断書を作ってもらったところが、USDA(日本で言うところの農林水産省)の裏書をもらうときになって、海外へ動物を連れて行くときは出発から1ヶ月以内の健康診断書が必要ということがわかった。また、デルタ航空はなんと10日以内のものという、忙しいときにとんでもない要求をしていることが判明したのである。で、出発の1週間前、また獣医さんのところに行って健康診断をうけ、USDAに予約の電話を入れ、翌日裏書のサインをもらいに行き、獣医さんのところに書類の一部を持って行ってこれでほぼ完了かと思っている。
さらに航空会社関係。家族の航空券を予約した後で航空会社に犬を連れて行くことを告げたのだが、ポポは小型犬と中型犬の境目あたりの大きさで、チェックインラゲッジ扱いになるんだという。小さいものは前の座席の下にケージごと入れておけるそうだが、ポポは毛がものすごく抜けるので、たとえその大きさでも客室に入れるのは気がひけたであろう。で、とにかくポポはトランクと同様に荷物室に入れられるのだが、それでも「リザベーションが必要だ」という。「ホールを確保する」という言い方をしたから、ある程度の換気を期待できるのではあるまいか。ケージ(航空会社の人はケンネルという言葉を使ったが)は出入り口以外に3方に換気口がないといけないとか、いろいろぶつぶつ言われたので、ちょっと高くつくことは覚悟して航空会社から買うことにした。手間を省くことも場合によっては倹約より重要なのだ。出発の1〜2日前に(なんだかいい加減な表現だと思うけど)コンファメーションの電話を入れなければならない。そこでコンファメーションナンバーを教えてもらって、それを出発のチェックインカウンターで言えば、チェックインができ、ケンネルが受け取れるそうな。
ポポコの渡航費用は130ドル。ケンネルは75ドル。健康診断やら予防注射やらで100ドルちょっと、USDAのサイン(たった1箇所係官が自分の名前を書いただけ)で16ドル50セント。さらに日本についてから検疫所に最低2週間係留される。成田に毎日通うわけにはいかないから、飼育の委託とやらに1日だいたい3000円かかる。書類の不備なんぞがあると最長180日だそうだから、とんでもないことになってしまう。まあ、日本から外国に動物を連れて行くときはもっとぶったくられる(ひどい表現ですな、我ながら。)らしいから、この程度の出費で無事に連れて帰れたら良しとしましょう。なんてったって、わけもわからないまま、荷物にされるポポコが一番災難なのである。