PTAで貰えるハンバーガー券
新学期の最初の親の出番はPTAだった。一年前、初めての時はノンタに任せた。そしたら、何とほとんどが両親揃って参加だそうで、それ以来PTAから逃げられなくなった。でも安心だ。長いあいさつや会計報告や質疑応答のような堅い話しはいっさい無い。
新学期最初は、役員の紹介が校長からあるのでわざと10分遅刻して行った。それが終わればオープン・ハウスで各担任のクラスを見物に行くのである。そこで、教室の雰囲気をつかんでチョコッと挨拶して終わり。
しかし、事はそう簡単ではない。教室に行く途中で去年の担任に会ってしまう。どうしても英語の立ち話になる。PTAはふつう夜7時からである。ふだんなら、ゴロゴロしていればいいところを、英語で立ち話するとなると、とても損をしている気分になる。クラスに着いても担任は他の親と話している。タイミングを計るのが難しい。そうやっているうちに、同級生の親が挨拶に来たりしてタイミングが崩れる。やっと担任と話せても、冗談の一つでも言わなきゃならない。一クラス終わっても、まだ二つも残っている。
日本のPTAには行ったことがないけれど、ここではみんな和気あいあいとしている。日本で年間1万件のいじめの報告があるなんて誰も信じないだろう。数日後、チーが言った。チーのクラスが4、5、6年生の中で一番親がオープニング・ハウスに多く来たので、チーのクラス全員にハンバーガーのタダ券がもらえるのだそうだ。ほうら始まった、餌で釣る教育が。さて、今年は何枚タダ券が貰えるだろうか?