ワシントンDC 最終日が始まった
いよいよ最終日が来た。昨日、一昨日を挽回するには今日は90点を取らなければならない。どう考えてもネックは歩く量が多すぎることだった。これを解決するにはTourmobile に乗るしかない、というのが昨夜、ガイド・ブックを必死になって研究した結果である。この切符を買えば1日乗り放題だから博物館を一つ移動するときにも使えるという算段だ。Tourmobile をSmithsonian 博物館の移動だけに使うとはもったいない話であるが仕方がない。
朝は、ホテルの車で駅まで送ってもらい数百メーターを節約した。なかなか、順調な滑り出しである。Smithsonian 駅で降り、私はホワイト・ハウスの込み具合を調べる係、残りはモニュメントの整理券を貰う係に分かれた。ホワイト・ハウス・ビジターズ・センターに行くとホワイト・ハウスは絶望的なことがすぐ分かった。朝の分はもう終わり、5時からの分は整理券なしだが3時から並び始めるだろうとのことだった。外から見るだけで諦めるしかない。
12時半のモニュメントの整理券が取れた残り組みと合流し、ホワイト・ハウスをバックに1枚写真を取ろうとした。が、人が多いので構図が決まらない。その時、ある人が、
"Go ahead. That's O.K. " と言って通行人を遮ってくれた。その途端注目の的である。何せ、うちのガキは4人とも赤いハンテンを着ていたのだ。私は顔まで赤くなった。さらに、その人は、
"Beautiful! let me take a picture of your family." と言って私をも構図に入れて、その人のカメラで写真を撮ったのであった。回りは黒山の人だかり。ほとんど見せ物になってしまった。だからハンテンはよせって言ったのに。
Tourmobile のチケットは、問題が発生した。チケットの窓口が閉まっていて、チケットは運転手から買ってくれ、と書いてあった。運転手に聞くと、「クレジット・カードもチェックも使えない。トラベラーズ・チェックなら使える」との事だった。しまった、キャッシュが足りない! 一番近いATM はどこだ? 家族を残したまま金策に走る羽目になってしまった。「道を越えてマリオット・ホテルの中だ」と聞こえたのだが、マリオットが見つからない。別のホテルで聞くとかどを曲がって1ブロック行った右側に銀行があると言う。町中に入ると土曜の朝は、ひとけが少ない。地下鉄からの暖かい空気が吹き出すところにホームレスが寝てたり、こまかいのを持っているかとおばさんに聞かれたりする。2ブロック以上歩いてようやく銀行を見つけた。どうも聞いた話より遠すぎるような気がした。原因は帰りにわかった。ホームレスに気を取られて最初にあった銀行に気づかなかったのだ。ホームレスは銀行のまん前に寝ていたのだった。そしてようやく、家族が待っているTourmobile 乗り場に着いた時は、既に切符売り場の窓口は開いていたのだった。
今日の順調な出足が徐々に、にぶって行くようだった。Tourmobile のチケットはガイド・ブックに書いてあるのより値上がりしており、しめて48ドルがとんだ。おまけにSmithsonian 博物館までのちょったした距離が渋滞だ。渋滞中につらつら考えた。もしかして、博物館の移動にはタクシーを使った方が安いのでは? ワシントンDCのタクシー料金は区間制がベースになっている。人数割増分とチップを足しても10ドルに行かないはずだ。五回は移動に乗れる。もしかして、今日も何か悪いことが起こるのでは?