クリスマス・イブ



 日本でクリスマスといえば、普段はキリスト教になぞ関心のない人たちで、教会はどこもごった返す。

21日のクリスマス礼拝で、牧師のクリスは24日の夕方にキャンドルサービスをすると案内をした。アメリカに来て3回目のクリスマス。でも、1年目は日本に1時帰国していたし、去年は翌日からのワシントン行きを控えてパスしてしまったので、イブの礼拝に関しては勝手がわからない。おとうはアメリカで人気のある香料入りのろうそくを配るのかと思ったようだ。(ろうそくをともして礼拝すんのよ。)クリスは案内の中で2回traditionalと言った。だから、私たちは正装して行かなきゃいけないのだと思ってしまった。ノンのバレエの一件があったばかりだし…。まずい、ガキンチョは日曜日も普段着で通しているから、良い服なんて持ってない。仕方なく、クリスマス直前に買い出しに行くことにした。

  この時期は、たいてい安売りしているのでうれしい。ガキンチョの教会用の服といっても、1着30ドルほどもかからなかった。服を子供に選ばせると、時間はかかるけれど、面白い。母の考えもしなかったものを選ぶのよ。そしてそれが意外なほど良く似合う。特にノンは母が手にもしなかったものを選ぶことが多い。で、すごく似合う。

イブの夜、あいにくのどしゃ降りの雨の中、教会に出かけた。時間通りに着いたのに、車が3台しかない。前の車から降りた人は、あれ?ジーンズだぞ!いつもの日曜日にばっちりおしゃれをしている人たちが皆、ラフな格好をしている。私達はしっかり浮いてしまった。まあ、いい。ガキンチョがかわいいから…。

日本はこの日だけ立ち見が出るほどにぎわう教会だけれど、ここでは普段の6―70%といったところか。親戚や友達と集まっている人も多いのかもしれない。シンプルで普段とあまり変わらない。いつか、この礼拝のどこがtraditionalなのか聞かなくっちゃ。歌と語りですすめられた礼拝は1時間弱であっさり終わって、回りの人たちとメリー・クリスマスを言う。お祭りのような派手さはなかったけれど、静かで暖かなクリスマスイブであった。