洗礼式



これまで、おでこに水を垂らす程度の洗礼式を見たことはあった。映画では赤ちゃんに水を垂らして、驚いた赤ちゃんが泣き出すシーンもあったっけ。あれは祝福式か?ま、いいや。

とにかくこの間、全身水の中に潜る洗礼式を見たのだ。話には聞いていた。プールのような水槽に身体すべてを浸す洗礼式があるって。でも、私たちが行っている教会にあんなプールがかくしてあったなんて気づかなかった。

説教の最後で牧師サンが、「今日は3人洗礼を受けるから…」と言っていたような気がした。でも、水をいれる入れ物が前にも後ろにも見当たらなかったので、聞き間違えかとも思った。すると祭壇の後ろのカーテンが開いた。そこにはプールのような水槽があったのだ。牧師サンは腰まで水に浸かって、一人ずつ名前を呼んだ。最初は牧師サンの娘だった。8才。胸までしっかり水に浸かっている。どうして神様を信じるようになったのか。イエスを信じるか。イエスが自分の罪のために死んだと思うか。イエスの復活を信じるか。次々に答えると牧師は彼女の背中に手を当て、もう一方の手で額を押して水の中に倒した。背浮きのまま沈んだ格好で、彼女はクリスチャンになった。牧師サンは「ワイヤレスマイクを水に落としてはいけない」と注意深くマイクを縁に置く。「これは防水なんだけど」と時計もマイクの隣りに置いた。次は6才の女の子。みーがささやく。「みーもんもしなきゃいけないの?」しないしない。「あー、よかったー!」無事に終わると拍手。最後は20才くらいの男の子。牧師サンより背が高い。「以前、300ポンドの女性に洗礼を授けたことがあるから、彼の重さは問題無いのだけれど、ちょっと背が高いなあ」と牧師サン。その彼は鼻をつまんで無事終了。水の苦手ながきんちょたちはびっくり仰天して硬直したままだった。我が家からクリスチャンが生まれることはないだろう。