ここでの私の周辺では、新車を買った経験が四回もある人はまずいない。多くの人は中古車を買う。毎年4月に発行されるConsumer Report をチェックし、銀行においてある年度別車種別の市場価格と融資限度一覧表を念頭において、中古車を選ぶのだそうだ。もっと節約する人は赤い車は買わない。なぜなら、保険の掛け金が高くなるからである。いずれにしろ、安全で故障しない車がいいのに決まっている。フリーウェイで止まっている車、事故った車は日常よくみかける。これは、ボロ車の多さと高速走行に原因がある。 ボロ車を避けるには日本車。事故時のリスクを減らすには頑丈な車=アメ車、が絶対にいい。この二つを両立させるのは不可能である。

'95年のConsumer Report では、日本車がベスト10を独占したとか。我がDodge はワースト3とか。私は大胆にもConsumer Report を無視してDodge を選んだ。何故か? それは夜中の12時まで営業していることと、 いつも多くのお客でごった返していたからだ。実はこの着眼は完全に裏目になってしまうのだった。やはりConsumer Report が正しいのだ!

(話しは元に戻って)

5月3日にローンの算定依頼をしてから、Dodge GrandCaravan のブローシャを念入りにチェックした。5月5日の朝、セールスマネージャーから電話があった。何か、"You can go home with new car, today" とか言われて例によって怪しい雲行きになった来た。きっとローンの利率が出たのだろうと深く考えずに5時にアポイントを取った。Dragon City でセールスマンと$5 のChineese バフェを食べた時にこの話をすると彼はこの件を聞いていないという。ますます怪しい。彼は車の方はアルバイトで、昼は家具やで働いている のだ。Dodge には6時出社だが5時にDodge に行ってくれるとの事だった。

5時にDodge に行くとマネージャーとセールスマンが待っていた。相変わらずお客でごったがえしている。またしてもマネジャーいわく、"You can, today" である。何がどうなってんだ、たまには日本語で言ってくれ。とにかく私自身は、実際Grand Caravan が気に入っていたので、オプションの細かい所をセールスマンに聞いた。時間の立つのは速いものである。あっと言う間に8時である。今展示されているLEというモデルが私のニーズにあっているのである。

マネジャーが言った。
M: "Do you order, now?"
S: "Now?!"
M: "Yes, I can ride this car, today"
と言って展示モデルを指差す。
M: "You said you like this car, right?"
S: "Yes, but I mean 'this model' not 'this car'."
まずい、このままでは展示品を売りつけられてしまう。

さらによく展示品をみると、"Sold Mr. Saito" と紙が貼ってある。ひぇーっ! 一気に緊張感が高まって行くのが自分でもわかった。一体、どうなるんだろうか?