わんこそば
今日は新幹線で某地方都市に来ている。私の両親も一緒である。昨日の夕食はわんこそ
ばだった。ノンは「おそばは好きじゃない」といって乗り気ではなかったのだが、それで
も、ジジババに手を引かれるようにわんこそば屋に入った。隣の席ではテーブルに所狭し
とお椀を積み重ねて、無言のままただひたすらそばを飲み込んでいる人たちがいる。
薬味がいっぱい出てきた。少しだけれど、とろろもある。チーは喜んでいる。エプロン
を着ける。お盆にどっさりお椀をのせたお姉さんが私たちのお椀にソバをあけていく.食
べる方は無言だが、お姉さんは「ハイ!」「ドンドン!」「ジャンジャン!」「ガンバッ
テ!」とあおりたてる。客はほとんどフォアグラ状態である。「15杯が普通の盛りそば
1人前に相当します」女将らしき人が教えてくれた。女性では30ー40杯、男性は5
0ー60杯が平均という。大人一人3000円、小学生は2500円。ミーの値段は定か
ではない。ジジババ一緒の食事だとそこいらのチェックが甘くなってしまう。
お腹がいっぱいになったところ、というよりも「もう喰えねえ!」という所で、お椀に
蓋をする。そこで、フォアグラ状態から解放されるのだ。チーとひたすら無言で食べ続け
たカオが50杯で並んだ。自称ソバ嫌いのノンが45杯、おとうは「胃の具合いがどう
も・・・」といって、32杯、私は44杯。ジジババはそれぞれ46杯と38杯。ばあば
の場合は孫の世話が気になって食が進まなかったのではないかとちょっと申し訳なく思う。
それでも、盛りそば2枚以上食べているのだから、まあいいか。
「食事はゆっくりとおしゃべりでも楽しみながら食べたいもんだね。」おとうは言った。
何をほざく。私が5時間もかけて手のこんだ料理を作ったって、ものの2ー3分で食べ
ちゃうじゃないのさ。しかも「アー、喰った、喰った」でおしまいでしょ。とはいうもの
の、おソバの味がもう一つだったのだけれど、それにも食べた後で気づいたような感じ。
食事はやはり「おいしい!」と感じながら食べたいなあ。まあ、アメリカでは手に入らな
いとろろやなめこおろしがあったからいいとしよう。