車事情
我がDodge Grand Caravanは、クライスラーのボイジャーと同じ作りである。日本で買う
と405万円もするのだとおとうが言っていた。もうひとつおとうが通勤用に使っている
のはスバル・レガシーのステーションワゴンで、この二つが並んでいると、レガシーがと
ても小さく見える。実際私がレガシーを運転すると、スーパーの駐車場で小さいことの利
点をしみじみと感じるのである。日本でレガシー・ステーションワゴンをみかけると、も
のすごく大きく見える。2200ccの車は日本じゃあ、でかい方にはいるのである。フ
ルサイズのDodgeはアメリカでも大きな車であるが、運転しづらいわけではない。これは今
回レンタカーに乗って改めて感じることである。レンタカーはホンダのステップワゴン。
2000cc。8人乗り。これで、我が一家とジジババ一組が一緒に乗れる。ドアミラー
は広範囲をカバーして見やすい。が、後ろの見通しがものすごく悪いのだ。ハンドルもサ
イドブレークもおもちゃのように手ごたえにかける。もし万が一、そんなことになってほ
しくはないのだけれど、しょうがなく日本に帰らなければいけなくなったとしても、この
車は買わないぞと思ってしまった。
私は我がDodge Grand Caravanがとても気にいっている。乗り心地はいいし、運転もしや
すい。大きいから、小回りは利かないけれど、道路や駐車スペースの広いアメリカでは困
る事はない。運転が嫌いで実際下手な私がほとんど毎日車を運転していられるのも、この
車だからこそだと思っている。おとうは「高く売るんだからよごすんじゃないぞ!」と口
癖のようにいうけれど、私は乗り潰すまでずっと乗っていたいのよ。日本に持っていけな
いことは分かっている。改造に恐ろしくお金がかかるし、だいいち日本じゃあでかすぎて
不便に違いない。
以前は左ハンドルのアメ車なぞ見たことはなかった。最近はようやく企業の努力で、い
くらか日本に受け入れられ易い車が出てきたのだ。アメ車が日本でシェアを充分に伸ばせ
ない理由を企業は高い関税に上げているけれど、それだけでないのは明らかだ。実際クラ
イスラーのボイジャーで田舎道を走ってみるといい。 ホンダのステップワゴンでだって
擦れ違うのにヒヤヒヤしっぱなしだったのだから。