日本に着いたけれど
これまで、日本に行くにはアトランタからポートランドを経て成田につくのが一般的で
あった。アトランタと成田を結ぶ直行便はJALに週3便あったが、今回デルタ航空が毎
日1便の直行便を飛ばすようになって、とても便利になった。特にガキンチョはタバコの
匂いのしないデルタの方が好きなので、おお喜びである。
飛行機で眠りすぎると時差ぼけがひどい、ような気がするので、いつも眠らないように
とは思って入るのに、つい手持ちぶさたになって眠ってしまうのだ。ガキンチョも機内で
はフォアグラ状態になるくらい食事が頻繁に出てくることすら知らないくらい眠りこける
のが常であった。なのに、今回はミーが合計して3時間程寝たくらいで、ほかはみな眠ら
ずにいられた。これは機内で上映された映画のおかげである。
映画は2本上映される。最初はThe Man In The Iron Maskで、もう1本はTitanicだった
のだ。どちらも今をときめくレオナルド・デカプリオ主演で、「レオに狂っているウィッ
タニーに話せばきっとぶん殴られるよ」とチーがいうほどの豪華さ。もっとも我が家には
レオファンはいないけれど。タイタニックは時間稼ぎにはとってもよい映画だったのだ。
着陸のとき、英語の機内放送では気温は28度といっていたようなきがした。ところが、
日本語では23度だという。40度の暑さから逃れることがこの旅の楽しみの一つだった
だけに、私は日本語を信じたかった。期待はもろくも崩れ去った。
期待が崩れただけではなかった。宿泊を予定しているホテルへの高速バスはエアコンが
効いていなかった。その上、外気温よりずっと暑い車内に、どっと韓国からの団体客が
乗ってきたのだった。時差ボケによる眠気と、吹き出す汗。急速に消耗する体力に団体客
のにんにく臭が追い打ちをかける。帰国して2時間経たないうちに私は早くもホームシッ
クにかかってしまった。そしてその翌日には群馬県の榛名で38度9分というこの夏一番
の暑さを記録することになるのである。「サウスカロライナに帰りたいよー!」