献血


 日本滞在も終わりに近づいた。おとうは1月の出張の時に受けた成人病検査で大腸検査を受けるように勧められたはずであった。が、結局いかなかったのだ。私も主婦検診を受けたほうがいいのだけれど、やっぱりいかなかった。日本を離れていて今ではかかりつけのドクターがいないというのが致命的なのだ。が、アメリカ暮らしで、環境や食事の変化が成人病予備軍に近づくことになってるのではないかとちょっと気になるこの頃なのだった。

 毎日実家近くの駅を通ると献血をしてくれと叫ぶ声が聞こえていた。近年、400mlか成分献血とやらをすると結構詳しい検査結果が送られてくる。しかもタダ。だから、ホテルに移動するという日に献血センターに行った。

 献血のバスはいやというほど利用したけれど、献血センターは初めてだ。中はきれいでドリンクはあるし、お菓子はあるし、ついてきたのんみーはおお喜び。なにも食べていないのかと思うくらいにお菓子を漁っている。こういうのを見ると母は身が縮んでしまうよ。

 まず、問診。海外在住だと知るとチェックが厳しくなった。サウスカロライナという地名をもちろん知らなかった看護婦さんはちょっと考えて「だいじょうぶよね」と言った。いったい何がだいじょうぶなんだか。

 呼ばれて中に入る。検査の採血。いままでは「いい血ねー!」と看護婦さんをうならせていたのに、今回は違った。「400mlは無理ですね。200もできるかどうか、機械で調べますからね。」だって。比重とやらが足りないんだそうな。しっかり食べているし、見た目もXXなのになんてー事だろう。なんとか200mlの献血ができて、ほっとする。「しばらく重いものを持たないでくださいね。」看護婦さんが言う。でも3時間後には25kgはあると思しきトランクを持たなきゃいけないのよ。

 しゃーない。今夜は中華で精をつけるとするか。待てよ。日本の中華は高いから、血圧が上がってよけい健康に悪いかも知れないぞ。困ったなあー。