トンカツ


日本についた夜、最初に食べたかったものは、ほぼ全員一致で鶏の空揚げだった。コロッケ、とんかつ、焼きそばがそれに続いた。ホテルのレストランの一人6500円の食事には見向きもせず(高いから)、デパートの食品コーナーで調達した。

じいばあの家に行って、さっぱりしたソバなんかを希望しても、トンカツや空揚げがついてくる。歯が抜けかかっている子供のために、ミンチカツがついてくる気の効かせ方である。朝食はサンドイッチ・パンだったと言ったから、あわれに思われたかもしれない。

これが、別のじいばあの家に行っても、トンカツが出てくると、ちょっと待ってくれという気がしてくる。それも大量に出すものだから喰いきれない。余ったのは次の時に出てくる。

暑いさなか、食欲が落ちているところに、ずーっとトンカツが7食中5回も出たきたところで、滞日スケジュール表には、希望メニューを書いておくべきだと悟った。