アジアがくしゃみをすればサウスカロライナが風邪をひく


 風が吹けば桶屋が儲かるのは明白であるが、最近、アジアとサウスカロライナの密接な関係を発見した。

 サウスカロライナはリタイヤーした人が住むのにいい、と言われるほど物価が安いので、日本も含めた東南アジアから結構留学生が多い。ところが最近、インドネシアを筆頭にアジア諸国の通貨の価値が劇的に下がったために、アジア通貨がベースとなって生活していた留学生の出国がどんどん始まっている。

 留学生を対象とした英語教師としてパーマネントの職に昨年の夏ありついた知り合いは、半年も経たないうちにまたもや失業の危機に直面している。生徒がいなくなれば当然、首を切られるからだ。

 知り合いは、何とか無事に乗り切れるよう、遠方より古巣の教会まで「お祈り」に来ていたが、はっきり言って祈って済むような問題ではないと思う。祈って済ませる安易な対応が、米国の貧富の差の根源ではないか? 

 それにしても、アジア通貨危機の影響で、こんな形で身近な人に影響がでるとは思わなかった。大国の経済悪化はリタイヤーの州から始まる、というような経済現象の定説にならないことをお祈り致します。