──第五位相守護者　風の鳥神──

　脳を直接叩くような、ぎりぎりと空間を震わせる独特 の気配。
　参慧樹と呼ばれる現出地形。その三本の樹の根元へと やってきた貴方は、周囲の景色を眺め、眉を顰める。普 段は──それでも異常なことにはかわりないのだが── せいぜい馬鹿でかい樹と、その樹の根や窪みなどで暮ら す亜獣などの姿を見かける程度なのだが、今日に限って は彼等の姿は微塵も無く、あるのは「きぃ」とも「かぁ」 ともつかぬ鳥類独特の甲高い鳴き声の連続。その唱和は まるで周りの空間から直接鳴っているかのように響き、 貴方の身体を乱打する。
　既にリトゥエは居ない。樹に近づく前から不調を訴え ていた彼女を、このような、異界同然の場所へつれてく るわけにも行かない。
　普段とは色も形も歪み変色した参慧樹の根元から、樹 を伝い視線を上げると、上空を埋め尽くす黒点の嵐が見 えた。
　
　その時。一際強く、世界が振動した。
　
　辺りに立ち込めていた異質な気配は最高潮に達し、樹 の笠の部分を周回していた黒影の群れが、一つの巨大な 影に率いられるようにこちらへと急降下してくる。
　群れは一瞬にして下降して貴方の周囲を取り囲む。影 の一点一点を構成するのは、狂気をその瞳に纏わりつか せた鳥達。その数は千を下るまい。それ程の数の鳥達が、 貴方の周囲を一瞬にして囲み、声高く威嚇の声を発する。
　気が狂いそうなほどの鳥達の鳴き声と羽ばたきの音の 重奏の中、その黒の渦を押しのけるように、一際巨大な 影が舞い降りる。
　鷲を思わせる外見を持つその影の大きさは、全長十メー トル以上、翼を合わせれば五十メートルは近いという巨 大な鳥だった。巨鷲は貴方を見据え、その鋭い嘴をゆっ くりと開く。
『我ガ生ミ出ス位相ノ世界ニ惹カレタカ？　幼キ人ノ子 ヨ』
　空気が振動する気配すらはっきりと感じるほどの、巨 大な声が響く。
『我ラト同ジデアリナガラ、守護者ヲ狩リ、人ヲ狩リ、 全テヲ狩ル刻印者』
　ばさり、と両の翼をはためかせると、爆発的な風が生 まれ、鷲の身体がゆっくりと浮かび上がる。
『管理代行者ノ声ニコタエヌ貴様ニ、刻印ヲ預ケテオク 訳ニハイカナイ。貴様ノ刻印、我ガ貰イ受ケル！！』

第五位相守護者 vs 四葉のクローバー

フォーウィングA HP 408/408 　 蒼天を断つラズー HP 691/691 　 フォーウィングB HP 408/408 　 　 うりもき HP 737/737 　 渡部シンイチ HP 720/720 　 せつら HP 891/891

フォーウィングA HP 408/408 　 蒼天を断つラズー HP 691/691 　 フォーウィングB HP 0/408 　 　 うりもき HP 431/737 　 渡部シンイチ HP 541/720 　 せつら HP 774/891

フォーウィングA HP 88/408 　 蒼天を断つラズー HP 500/691 　 フォーウィングB HP 0/408 　 　 うりもき HP 431/737 　 渡部シンイチ HP 453/720 　 せつら HP 774/891

フォーウィングA HP 0/408 　 蒼天を断つラズー HP 158/691 　 フォーウィングB HP 0/408 　 　 うりもき HP 253/737 　 渡部シンイチ HP 253/720 　 せつら HP 716/891

　
『……ナゼダ。代行者ノチカラヲエズニ、ナゼ我ガ生ム 位相スラ退ケルノカ……。貴様ハ、守護者デアル前ニ、 人ノ子デアルハズ……』
　貴方の攻撃を受けた巨大な鷲の身体が、ゆっくりと、 まるで周囲の空間に溶け込むように消えてく。身体の先 端から解け、塵となって漂い、失せる。
『……ダガ、我ノ刻印、ココデウシナワセルワケニハイ カナイ。彼女ハ、『マウローゼ』ハ、マッテイルノダ。 刻印サエアレバ、タトエ我ガ消エサロウト──』
　身体の殆どの箇所を失った巨大な鷲は、その両眼が、 ぎっ、と音が響きそうな程に強く貴方を射る。
『ウケトレ、ソシテノロワレヨ！　狩人ニシテ守護者、 位相ニシテ人ノ子タル者ヨ！』
　一際強い叫びと共に、大鷲はゆっくりと翼を広げ── その片翼に刻まれていた刻印が、強い輝きを放った。
　同時に、ぢり、と。
　右側の肩に、焼けた何かが押し付けられたような感覚 が走る。
『ノロワレヨ……代行者ヲコバム、刻印ノ者ヨ……』
　その言葉と共に、巨大な鷲は完全にこの世界から消滅 した。
　異質な空気に満ちていた参慧樹も整調化されて元の状 態へと戻っていく。周囲に立ち込めた異質な気配は消え 去り、貴方に今にも襲い掛かろうとしていた幾千もの鳥 達の姿が一瞬にして掻き消えた。
（……しかし）
　全ては元の形に戻った筈なのに、その風景は今までの ものとはどこか違うように思えた。
　
　──ぢり、と。
　身体に刻まれた刻印が疼く。
　
　貴方を包む世界はゆっくりと、しかし確実に、異質な モノへと変貌していた。

　位相刻印がもたらす仮初めの力、カースオブラズーを 手に入れた！

　120 ポイントの経験値を得た！

──End of Scene──

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