風邪

久しぶりに風邪をひいた。ちょっと風邪気味になる、ということはよくあったが、発熱の末、寝込むというのはここしばらく記憶がない。おそらく最後はまだ一人暮らしをしていた4年くらい前のことであろう。そのくらい風邪に対して抵抗力は自信があったのだが・・・。

世の中はインフルエンザが流行している。お年寄りや小さな子供で命に関わる事態に陥っていることもあるようだ。ちょうど風邪療養中にいくつかのテレビ番組や新聞で風邪の特集をしていたのでいつもよりも真剣に見たり読んだりしてみた。風邪を悪化させてしまう要因の一つに「景気が悪い」こともあるそうだ。「風邪くらい」で会社は休めない、休むとリストラ(そんな簡単にリストラというのは行われないと思うが)だそうだ。37度5分程度の熱なら、7割?(記憶不確か)程度サラリーマンは仕事に行くそうだ。その程度なら動けないことはないし、約束して代役が効かない仕事であれば仕方がないであろう。私もそうする。しかしそのような行動をとるがために、さらに症状を悪化させてあげくの果てに倒れて救急車のお世話になるということも結構起こっているようだ。

人が詰め込まれたオフィスや会議室、満員電車を使うサラリーマンでは風邪をうつされるな、というほうが難しい。うがいなどの予防策をとり、それでも風邪をうつされたら初期の軽いうちに治してしまう。症状を重くして、何日も引きずるよりも結局は効率が良いと思うのだが。

で、今回の私の風邪の顛末。なんでこんなことを書いているというと、週末に風邪ひいて日曜日には治っていたせいか、なんかエネルギーが余っているからだと思う。

さてさて・・・事の発端は週末の釣りを前にした金曜日。

朝起きたときは少しだるいかな、という程度だった。行きの電車の中では体調に異変があることに気が付いたが、ちょっと風邪ひいたかな、という程度であった。会社に着いて仕事を始める。今度は明らかに身体がおかしいことに気が付く。だんだんと頭がボーっとしてくる。身体が重い。それでも何とか昼休みまでがんばってみる。なんとか食事は出来る。が、ちっとも旨くない。だんだん頭痛もしてきた。鼻もつまってきて頭がかなり重くなってきた。それでも無理すれば仕事が出来ないことはなかったが、たまたま急ぎの仕事もなかったので、上司に言って今日のところは早退させてもらった。

土曜日は釣りの約束があったので、一応、帰りの道中で釣具店によって足りない小物を買い込む。帰宅して熱を計ったところで大したことなければ明日の朝には直るだろうと思ったからだ。が、小田急線に乗る頃には立っていることもちょっとつらくなってきた。幸い座席が空いていたので座って帰る。そのまま15時頃に帰宅。
パジャマに着替えながら熱を計ると38度4分。最近では記憶のないくらいの高熱だ。私は平熱も低いせいもあってか、風邪の発熱もせいぜい37度半ば程度がほとんど。こんなに発熱したのは子供の頃以来ではなかろうか?

それでも、この熱は会社にいたせいであろう、というくらいにしか考えなかった。しかし38度はちょっと高い熱だ。仕方なく、土曜日の釣りと宴会には断りのメールをいれてからしばらくベッドで横になった。

夕方になって、いつもの方法で熱を下げて風邪を治すことを試みた。
・暑い風呂に入る。
・湯冷めしないうちに暑くて辛いものを食べる。今回は鍋焼きうどんに七味唐辛子、キムチというメニュー。
・しこたま汗をかいたところで、解熱剤などを飲んで寝る。
・しばらくして起きると熱が下がってすっきりしている。
この方法でたいていの風邪を初期段階で治していた。
うとうとしながら夜中の1時過ぎ。いつもなら熱は下がっている頃。検温するとまだ熱は38度を下らない。この熱の割には汗も出ない。おかしい。ただの風邪でなく、インフルエンザなのだろうか?

翌朝、検温する。38度2分。朝からこの熱ではちょっとまずい。なにより風邪対策したはずなのに全然効果がないではないか。そういえば、今年のインフルエンザ、高熱が4〜5日続くこともあるという話しもある。これはじっくり治さなくてはいけないかもなあ、と思う。幸いというか、同じような症状に妹が正月早々に陥り、病院からもらった薬が余っていたのでこれを服用して様子をみる。後で聞いたらこの薬は単に鼻水と喉の対処療法薬だそうだ。なので解熱剤としてバファリンも併用する。
そのわりに首筋や脇の下といったリンパ節の腫れもない。本当にインフルエンザか?もしかして全然違う病気なのか?ちょっと不安になったりする。今入院したら仕事はどうなる、とかどんどん悪い方向へ思考は進んでいく。いかん。
熱の割には気分は昨日よりは楽。やっぱり寝ているのが一番か。

不思議と食欲はある。喉をやられているせいもあり、普段より柔らかめのものの方が食べやすい。朝食の後、2時間ほど寝込む。熱は38度6分。39度間近、いよいよやばいか。立って歩くとよろけたりする。しかし食後というのは体温も上昇するはず。と決め込みそのまま寝る。
やたらと喉が乾く。水のペットボトルを枕元に置いておく。

16時頃目が覚める。腹が減ったので、軽く食事。が、寝起きのせいもあり、スープと牛乳などほとんど病人食。って病人なんだが・・・。
食事あとまた寝る。

夕食の時間に起こされる。食事は後で取る旨母親に伝える。熱を計ると38度2分。やや汗をかいている。ここで迷ったが、風呂に入ることにする。汗をかいて気持ち悪かったのだが、体力を消耗する危険もあったわけだが。
さすがに熱い風呂に入るのは辛かった。が、しんどい思いしながら入浴完了。夕食の残りの水炊きにうどんを入れて食べる。あまり食べられない。

妹が赤ワインを飲んでいたので、これをホットワインにして飲む。ワインを軽く熱してハチミツ、レモンの絞り汁をいれたもの。雰囲気は甘酒に似ている。
妹に「38度以上熱があるときは、風呂に入らずにひたすら安静にするべきらしい」と言われる。そういえばそうかも・・・。

アルコールが入ったせいか眠くなり、薬を飲んでまたも寝る。
夜12時頃目が覚める。熱は37度5分。熱が下がり始めたのだろうか。解熱剤の効果か?いずれにせよ気分もかなり楽になっている。今日行けなかった釣りの結果やメールチェックなどをする。2時頃就寝。

6時頃目が覚める。最近は日付変わらないうちに寝ると5〜6時に起きてしまう。毎週末、朝が早いせいであろう。熱は36度5分。ほぼ平熱だ。

昼、熱は36度5分。まちがいない、インフルエンザはなんとかやっつけることが出来た。ちょっときつい思いをして風呂に入って新陳代謝をよくしたのが良かったのだろうか?
日曜日一日は念のため、終日部屋で過ごす。すっかり体調はもとに戻った。

何故、急に風邪をひくことになってしまったのか。寝ながら考えてみた。普段から、環境の悪いオフィスに行かなくてはいけなかったり、通勤の電車の中の感染は非常に気にはなってはいたが、それならもっと早く感染してもおかしくない。水曜日も木曜日の夜も睡眠は7時間と、体調も悪くなく、抵抗力が落ちていたとは考えづらい。

思い当たることが一つあった。結果的にそうなっていたのであるが、廻し飲みならぬ「廻しうがい」をしていたのだ。つまり人が使ったコップをでうがいをしていたのだ。当然水でゆすいでから使ったのだが、どうもこれが不十分だったのではないか。空気感染でなく、このような、いわば経口感染ならば、あっという間に感染してしまうだろう。うかつだった。風邪予防のためにうがいをしようとしたことが逆に仇になってしまったようだ。

ウイルスは段々と薬への抵抗力を付けて感染していくと言います。皆様もお気をつけ下さい。

戻る