明和電機

私が最近「テクノ」を感じた唯一のバンド「明和電機」。
彼らとの出会いはテレビ東京で放送されていた「タモリの音楽は世界だ」という番組で明和電機はゲストで出演していた。
作業服をまとった2名の青年があやしげな楽器を持って、この楽器について解説し実際に演奏する。「パチモク」と呼ばれる打楽器系の楽器であるが、これを演奏する姿はユーモラスというか異様。しかし私はこの姿に「テクノ」を感じずにはいられなかった。この番組では楽器紹介などに終始しその演奏はほとんど印象に残っていない。もしかしたら演奏しなかったのかもしれない。
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とある日のこと、CDショップを物色していると「明和電機」のCDが目に入った。「テクノ」であるという印象の明和電機、すかさず購入し、家に帰り聞いてみる。・・・思った通りの「テクノ」である。素晴らしい。しばらくは明和電機ばっかり聞いていたくらいである。
この時買ったCDはずばり「明和電機」というタイトルで全5曲のミニCD。
その全ての曲に「タモリの音楽は世界だ」で紹介された楽器らしきサウンドが入っている。最近町中で聞き慣れたありきたりの薄っぺらな音や曲に比べて何とも新鮮。ボーカルの女性の声もサウンドに非常に合っている。「明和電機」独特の世界が形成されているのだ。

「明和電機」のジャケット裏

明和電機はその音楽だけでなく、ビデオを見たりライナーノーツを読んだりすることで「明和電機の世界」を堪能して初めてその良さが分かる。
言葉で「明和電機」の世界を表現するのは難しい。60年代の日本の高度経済成長期の電機系の町工場がモチーフであり、いたるところにそれが現れている。
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明和電機のファンクラブは「明和電機協同組合」、ライブは「製品発表会」と呼ばれる。この製品発表会の模様はビデオ「明和電機画報」で見ることが出来る。このビデオも絶品で作業着をまとった明和電機の2人の他にボーカルの女性たちも工場婦の格好をしていたりと、なかなかマニアックな感じだ。
ビデオの中では「T・E・C・H・N・O・P・O・L・I・S、ツクバ!」と叫ぶシーンが見られることから彼らもYMO世代であることが分かる。ちなみに彼らの活動拠点は筑波なんだそうだ。
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社訓は「やったもんがち、とったもんがち」活動方針は「やりにげ」という明和電機。今後の活動にも注目したい。
ディスコグラフィーなどは明和電機のHomepageをご覧下さい。

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