釣魚図鑑(砂地に住む魚の部)

[アマダイ][マコガレイ][ヒラメ][ホウボウ][シロギス][メゴチ][クラカケトラギス][トラギス]
[オキエソ][アカエソ][ヒメコダイ][カナド][オキナヒメジ][ワニゴチ][アナハゼ]
[釣魚図鑑Index]


アマダイ(アマダイ科)
白、赤、黄の三種類が存在するアマダイであるが普通釣れるのはこの写真のアカアマダイでまれにシロアマダイがあがる程度。30m以深の砂地に潜って餌を探している。タイと名が付くだけのことはあり、針掛かりしたときは底へ強く引き込むが水深の変化に弱く途中から急に軽くなってしまう。釣期は冬とされるが、狙えば一年中釣れるらしい。相模湾ではコマセ無しのオキアミ餌での釣りで7〜8匹釣れれば大漁である。非常に美味な魚で京料理では「ぐじ」と呼ばれ珍重されている。(相模湾・大磯沖)


マコガレイ(カレイ科)

関東で釣りの対象になるのは一般にはマコガレイでまれにイシガレイが釣れる。きれいな砂地より砂泥底を好む。潮の流れのあまり影響しない内湾に多い。

東京湾の冬の釣りの代表者であり、羽田沖から木更津沖まで釣り場は広い。イソメ類を餌にして置き竿あるいは小突き釣りで釣る。非常に生命力が強く2〜3時間なら海水をはったクーラーで生きている。新鮮なものは刺身で食べるとヒラメとは違うモチモチとした歯触りと甘さが味わえる。(三浦・小田和湾内)


ヒラメ(ヒラメ科)
口に対して目が左に来るのがヒラメ、右に来るのがカレイと言われるが小型のものなどは見分けるのは難しい。ヒラメは魚食性のため口が大きいのも一つの手がかりになる。晩秋から冬にかけてイワシの活き餌で狙う船宿が多いが通年釣れる。天然物はほとんど市中には出回らず、家庭で食べるには釣るしかなさそうだ。そのエンガワが旨いのは周知だが、肝もカワハギ、アンコウと並んで非常に旨いものである。
餌をくわえてから食い込むまでに時間が掛かることから「ヒラメ40」(アタリがあってから40秒待て)と言われている。(西伊豆・戸田湾内)


ホウボウ(ホウボウ科)
キス釣りやアマダイ釣りの外道で釣れるが専門に狙うことはほとんどない。大きい物で40センチに達する。群を作る魚ではないため数釣れることはない。最近はフランス、イタリア料理でもよく使われている。白身の旨い魚で刺身は絶品。(相模湾・大磯沖)


シロギス(キス科)

水深3〜30m程度の砂地に住み、魚体がパールピンクに輝くその美しさから「海の女王」と呼ばれている。東京湾であれば木更津〜富津沖、相模湾は湘南一帯が主な釣り場。ハリス1号程度に片天秤にイソメ餌で狙う。そのアタリの小気味よさと魚体の割に強い引きがあることからファンは多い。ボート釣りが出来るところであればたいてい生息しているようだ。

天ぷらだねはもちろん、新鮮なものは糸造りの刺身にすると旨い。(西伊豆・戸田湾内)


メゴチ(ネズッポ科)
シロギス釣りの定番の外道で、正式名称はネズミゴチ。おっくうがって仕掛けを放っておくとこのメゴチが食いついてしまう。体表はぬめりにおおわれ、またえらのところにトゲがあることから素手で掴かまずに専用の「メゴチばさみ」を使って取り扱う。見かけは悪いが、ぬめりを取ってしまえば調理は簡単でその味はキスより上とも言われている。ちゃんとした天ぷら屋であればメニューに「メゴチ」がのっているはずだ。
夏の東京湾で専門に狙えば半日で束釣りできる。(西伊豆・戸田湾内)


クラカケトラギス(トラギス科)
写真はトラギスの中でも最も味がよいクラカケトラギス。この他に赤い魚体でハゼに似ている本種のトラギスやオキトラギスがいる。キス釣りやアマダイ釣りの外道でよく釣れる。やや身が柔らかく調理しにくいがフライや天ぷらにするといける。(相模湾・平塚沖)


トラギス(トラギス科)
写真は本種のトラギスでキスと言うよりはハゼの風貌である。見た目がややどぎついため持ち帰る人は少ない。(西伊豆・戸田湾内)


ヒメコダイ(スズキ科)
アマダイ釣りの定番の外道。全長20センチ程度。天ぷらやフライにすると旨いから、とアマダイが釣れない時には船頭さんが持ち帰るように言うが、白身でまあまあの味である。(相模湾・大磯沖)


オキエソ(エソ科)
キス釣りなので釣れてくる外道。口が大きく目の位置も独特なため、やや不気味な印象を受ける。小骨が多いが高級蒲鉾の原料。

アカエソ(エソ科)
名前の通り、エソを赤くしたような魚体。南方系の魚で習性もエソに似て魚食性。伊豆方面のヒラメ釣りの外道で針掛かりするやっかいもの。(伊豆・下田沖)


カナド(ホウボウ科)
ホウボウによく似ているが、魚体はせいぜい20センチの大きさで胸ビレがはるかに小さいことから区別できる。同じような魚にカナガシラがいるが、味はホウボウやそのカナガシラには及ばないらしい。(相模湾・大磯沖)



オキナヒメジ(ヒメジ科)
岩礁が点在する砂地に生息する魚。戸田で一度釣れたきり姿を見たことはない。リリースしてしまったため味は見ていないが、ヒメジの仲間だけに良いものと推測される。(西伊豆・戸田湾内)


ワニゴチ(コチ科)
コチの仲間で顔がやや尖ってワニに似ていることからこの名がつく。マゴチとほぼ生息域は同じのようだが、アジははるかに劣るらしい。写真は戸田で釣れた25センチ級。(西伊豆・戸田湾内)


アナハゼ(カジカ科)
岩礁・砂地混じりのところでのキス釣りなどの外道で釣れることがある。大きくて20センチ程度の底生魚。味は良くなく普通は食べない。(西伊豆・戸田湾内)