なかなかうまくいかず、銚子沖アコウ

時合いは一瞬でした


  1. 日時:2004年2月14日(土)
  2. 場所:銚子沖
  3. 参加メンバー:鯛介、新ちゃん
  4. 時間:午前7時20分〜午後12時30分頃(実釣)
  5. 潮時:小潮


釣行記

前回の新島丘のキンメ釣り。貸し道具で臨んだわけだが、どうにもその扱い辛さだけが印象に残っている。仕掛け代もバカにならない。やはり深場の道具は揃えようか、と悶々とした日々が続いた。でも、やはり、竿とリール合わせて20万円は超える投資になるし、そうなると、持っている道具の中では最も高価なものになる。

●とうとう深場道具を
そんな折、新ちゃんが8日に「神津のキンメ行かない?」というお誘い。よくよく聞くと、どうやら彼はDAIWAのマリンパワー3000をキンメ釣りの翌々日は入手し、仕掛けのパーツも大量に買い込んでいたようだ。既に30本針仕掛けやらを数組作ってあるそうで、そのハマり方(壊れ方?)は尋常ではない。ということで、私も道具を買って、仕掛けも買い込んで神津に一緒に行こうか、と思ったが、道具を買うはずの7日(土)の前日あたりから、体調不良。というのも、子供が前々日にA型インフルエンザと診察され、親にうつっている可能性が高かったのだ。案の定、7日は高熱で寝込むことになったが、海の方も機嫌がよろしくなくシケ。11日に延期しようと思ったが、あいにく我が家は都合つかず。そして、海もシケ。が、このシケのおかげ?で、その8日はとうとう大型電動リールCX−15と深場用の竿を買うことが出来たのだ。

そして14日,15日の週末も春一番の吹くシケかと思ったが、木曜日の予報では14日の午前中くらいは天気が持ちそうな気配。さっそく新ちゃんと相談し、今度は近場の片貝からアコウ釣りに行くことになった。船宿は、いろいろと検討した結果、評判のよい正一丸に決定。新ちゃんに予約を入れてもらった。

●準備は万端
その晩、錘を買いに行ったり、林さんからロボットキーパーを売ってもらったり、餌のイカを買いに行ったり、餌を切ったり、仕掛けを作ったりで、連日深夜まで作業。何とか準備は間に合い、かつ、天気も何とかなりそうだ、ということで釣行決行となった。実は前日の金曜日の夜に、偶然にも浅草釣具で新ちゃんとばったり会ったりしたのだ。ここでも彼は掛け枠をいっぱい買い込んで行った。

新ちゃんに3時に迎えに来てもらって、一路片貝旧港へ。道は順調で4時過ぎには港に到着。さっそく船にクーラーを置きに行くとミヨシとトモから2つが既にクーラーが置かれていたので我々は胴の間を確保し、車中で仮眠。を、取る間もなく、船に灯りが灯ったので準備を開始した。

結局今日は5名の予約のようで、船も大きいし、釣り座も広くとれて快適である。準備と行っても、仕掛けの餌付けなどは自宅でやってきているので、キーパーを付けて、竿を固定するくらいの作業だけ。しばし、船長も交えてみんなで歓談して予定時刻の5時ちょうどに出船となった。キャビンは5〜6名であれば大人が寝っころがれるスペースがあるので、横になって釣り場到着を待った。

●凪ぎ
1時間15分ほど走ったところで船はスローダウン。航行中も船はあまり揺れなかったし、表に出てみるとやはり、この上ない凪。さっそく、仕掛けを出してきて最終準備。それもすぐに完了し、トイレに行って、お茶を飲んで投入の合図に備えた。



●出鼻くじかれる
しばらく反応を探っていたが、「ありゃぁ、縄が入っているみたいだなぁ」と船長がブリッジから出てきて遠くを眺めながら言った。よく見ると、確かに旗の立ったブイが見える。これを見て、船長は小移動。「さぁ、やるよ」というアナウンス。が、その直後「もう1本、入っているみたいだなぁ」と船長。どうもアコウのポイントに延縄を2本入れて操業している漁師さんがいるようだ。

結局、船長はこの場所を諦めて、更に沖へ15分ほど走る。再び「さぁ、やるよ」の合図で、道糸と仕掛け、錘を連結して構える。やはり緊張する一瞬である。「はい、やって」でトモの人から投入。終わると掛け枠を上げて合図。「はい、次っ!」と合図でその次の人が投入。そして新ちゃん、私と無事投入が済み、ミヨシの人も完了。錘の着底を待つ。

今回のタックルは竿はDeepImpactIIに、CX-15(PE15号1500m)。もちろん両方とも新調したもの。錘は500号。ヨリ取りリングと連結サルカンを介して仕掛けを接続。仕掛けは市販のキンメ用のもの(幹26号、ハリス14号、針ムツ19号、枝間1.5m程度)。自作の仕掛けもほぼ同スペックのものである。

●アタリ遠く
道糸はさほど横に流れず、潮はそんなに行っていないようだ。カウンター440mほどで底を打った。軽く糸ふけを取ってアタリに備える。いわゆる「底叩き」をイメージしてのタナ取りになるわけだが、今回も景気のよいアタリが竿先にいきなり伝わることなく、1流し目は終了。しかし新ちゃんには珍しいキンキが2尾ついていた。微かなアタリが出ていたようだが、正体はこいつらだったようだ。旨い魚なので羨ましい。



2流し目は、初めて自作の仕掛け、もちろん掛け枠にも自分で巻いた仕掛けで投入を試みる。かなり緊張したが、無事仕掛けは掛け枠から解けて海中へ。これでアタリがあればいいのだが、この流しは新ちゃんにカラスザメが上がったのみで終了。餌は所々かじられていたのは、このカラスザメの仕業であろう。

●招かれざる・・・
3流し目、新ちゃんの竿に良いアタリ。糸を出してもグングン引き続ける。「おぉ、来た来た」とニヤけ顔の新ちゃん。しかし他の竿にはアタリは到来せずに巻き上げ。ちなみにこの船宿は全員一斉巻き上げである。巻き上げの途中でも竿先を引っ張る。かなり上に上がってきても引っ張る。「何か変だな」と新ちゃん。そして私とオマツリした仕掛けを手繰ると、海面下になにやら暗い影が。船長が慌ててタモを用意してすくい上げたのはアブラボウズ。初めて見る魚であるが、あの脂の強さのせいで、食べ過ぎると下痢をしてしまう魚である。10kgくらいはありそうな魚体。とりあえず、船の大型クーラーに納める。「これ、食えるのかなぁ」と新ちゃん。



4流し目、微かなアタリが竿先に伝わったような、気がする。一応、糸を出す。続信はなく、仕掛けの一番下の針に小アコウが着いていた。「餌より小さいな、あはは」と船長。これを見てか、船長は餌を小さくするように指示。確かに今日は大きめにイカの切り身を作ってあったのだ。



●キンメ
5流し目、底を取って、使い終わった仕掛けのサルカンを回収して竿先から目を離していると、船長が来てリールを操作して、タナを取り直した。「それやってちゃ、魚喰わせらんねぇよ」。その直後、新ちゃんの竿に良いアタリが到来。私の竿にも微かなアタリが伝わる。糸を送る。続信が来る。送る。その後はズルズルと糸を出して、巻き上げの合図。良い引きが続いた新ちゃんには、キンメ3尾と1kg級のメダイが2尾。良い引きの正体はメダイだったようだ。そして私の仕掛けを回収すると、15本針の1本おきくらいに、25センチくらいのキンメが計6尾着いていた。何とか土産は出来てホッとした。同じ流しで、ミヨシではキンメに混じって2kgくらいのアコウが上がった。

●風が
6流し目、おそらく同じ根を流したと思われるが、胴の間の竿にはアタリなく、トモでキンメ数尾とミヨシでアコウがダブルで上がる。この頃から風が北東から西寄りに変わり始めた。「大島で吹き始めたよ」と船長。帰港まで凪ぎがもつといいのだが。

最後の流しは大きく15分ほど走って移動。風は南西に完全に変わった様子の7流し目。トモから順に投入していったが、何故か私とミヨシの人の道糸だけが大きくトモに流されている。「風が吹く前触れだよ。急に潮が速くなったのは」と船長。どうも、仕掛け投入の際、ちょうど私の番で上潮に速い流れが来たようだ。底立ちが取りづらく、道糸が新ちゃんと交差してしまう。あまり糸を出すと「ペラに行ってしまうよ」と船長。でも、底を取れないことには釣りにならないし。だましだまし糸を出しながら釣りを続けるが、確かに底を取れた感触はない。そうこうしているうちに12時半頃に「ハズしたみたいだから、上がりましょう」と船長のアナウンスがあり、本日の釣りは終了となった。

仕掛けを回収すると、やはり新ちゃん、ミヨシの人と激しいオマツリ。最後なので、仕掛けを切ってほどく。と、ミヨシの人にはアコウが付いていた。ミヨシの人は糸が流れるのをお構いなしに糸を出し続けていたのだが、それが正解だったのか?

<釣果>
キンメ 23〜27センチ 6尾
アコウ 22センチ 1尾



何とか「春一番」の風がやってこないうちに引き上げることが出来たようで、帰りの道中も凪。キャビンで熟睡して、1時過ぎには帰港。港の休憩所でお弁当をもらって軽く食事。2時頃には片貝を出発して、渋滞もなく、15時過ぎには帰宅。新ちゃん、運転お疲れ様でした。

残念ながら、今回の釣果には恵まれなかったが、自作の仕掛けを自分で掛け枠に巻いたものが、十分に使えることが分かったことが収穫。仕掛け作りは地味で根気のいる作業だが、この釣りの宿命。片貝のアコウもこれからがシーズンのようだし、チャンスを見つけてこの深場ワールドにどんどん挑戦してみようと思う。


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