潮動かず・・・新島沖キンメ

おや、これは?


  1. 日時:2004年2月1日(日)
  2. 場所:新島沖
  3. 参加メンバー:鯛介、新、北木さん、林さん、せるじおさん、ミツさん
  4. 時間:午前7時00分〜午後12時30分頃(実釣)
  5. 潮時:若潮


釣行記

●遠征隊の深場初挑戦
1月の新年会釣行の折り、「新島沖のキンメが面白そうだ」という話で北木さんと盛り上がった。「是非、近々行きましょう」ということで新年会は散会になったのだが、後日、このキンメ釣りを具体化するためのメールが飛び交った。遠征やマダイ釣りなどでは猛者であっても、本格的深場釣りは皆初心者。それでも初心者なりに情報を収集し、結局船宿は手石の愛丸にお世話になることになった。

皆、本格的な深場道具は持っていないので、全員貸し道具。更に仕掛けも船宿に全て用意してもらうパック。「持ってくるのはクーラーのみ」という準備は楽々な釣りである。メンバーも一人、二人と増え、最終的にはキンメ釣りの定員6名を仲間で貸し切ることが出来た。メンバーは上甲、北木さん、ミツさん、林さん、せるじおさん、新ちゃん、である。このメンバーが全員貸し道具で釣り、というのはこの釣り以外には、現在はないであろう。

当日は、ミツさんが迎えに来てくれて、午前0時過ぎに下田に向かって出発。途中、新ちゃんと林さんの車と合流。4時頃には愛丸の駐車場に到着した。程なく北木さんも到着。船宿の待合所に上がり込んでしばし歓談。せるじおさんも到着した頃に5時過ぎに船長が登場し、準備を開始してくれた。我々はクーラーを積み込むくらいしかやることがないので、もう少しのんびりしてから準備開始。

●道具は年代物
まずは釣り座を決める。ミヨシから順に投入とのこと。では、経験のある順にミヨシから、ということになり、私がミヨシ、2番目がせるじおさん。そこから後ろはじゃんけん。経験と言ったって、石廊崎沖で2回ほど治具を使って投入をしたことがある、という程度なのだが・・・。結局釣り座はミヨシから上甲、せるじおさん、北木さん、ミツさん、林さん、新ちゃん、という順。釣り座には既にタックルがセットされていたのだが、私の釣り座のはかなりの年代物のリールにトローリングロッド。カウンターもなければ道糸は単色のもの。スイッチは巻き上げのオン/オフ切り替えの一つのみ。大丈夫であろうか?あとの皆さんもタックルはまちまちだが、北木さんのタックルを除いてはみな、だいぶ古いものであるようだ。

仕掛けは6組支給で、既にイカ短が付いていた。鉄筋錘を手元に2〜3本キープ。氷が配られたところで船長のレクチャー。治具の投入方法を教えてもらう。基本は、以前もき丸でやったときと同じ。そして5時半をだいぶ回ったところで、モヤイが解かれて出船。キャビンに入ってしばし仮眠をとることにした。

●ややシケ
陸は風もあまりなく、予報も凪ぎであったが、沖に行くに従い、だんだんと北東からのウネリがキツくなってきた。最近はこういうパターン(凪ぎ予報だが、沖はシケ気味)が多い。1時間ちょっと走って7時過ぎにエンジンスロー。起き出して、仕掛けや錘の連結をして、電動リールのコードを船の電源に接続しなおして、投入の合図を待つ。僚船は遠くに見える数隻のみ。ここはちょうど、石廊崎、利島、新島を結んだ三角形の真ん中くらいであろうか。

しばらく反応を探ったのちに、船中から開始の合図。「前から順番に入れていきます。合図に合わせて投入して下さい。はい、1番目」ということで、治具を右手に持って、左手で鉄筋錘を投入。船宿仕掛けは15本針。パラパラと糸が出て行き、竿尻にかけておいたリングをリリース。さらにリールのクラッチをオフにする。「はい、2番目、どうぞ」「はい、3番目」と続き、1投目は全員トラブルなく投入完了。



●いきなりトラブル
道糸のマークがないので、北木さんのリールのカウンターを目安に着底を待つ。水深は480mほど。着底を確認し、10m巻き上げ糸フケをとり再度落とす。糸はフケ気味にし、張ってきたら糸を伸ばす。というのが船長の釣り方のアドバイスである。朝イチなので、いきなり良いアタリがあるかな、と期待したが、全員沈黙。

そんな中、私の竿先のテンションが軽くなる。お、食い上げのアタリか?と思ったが、どんどん糸がフケて行く。どうやら錘が飛んでしまったようだ。すると、北木さんの竿にアタリ。「糸出して」と船長から指示が出る。しばらくそのままでいて、船長の合図でミヨシから巻き上げ開始。やはり私の竿先にはテンションなく「タチに切られたかな」と船長。道糸はどんどん前の方に出ていき、結局、道糸先端のチチワ(リング連結部分)が切れてしまって、仕掛け一式がなくなってしまっていた。そして、唯一アタリが確認出来た北木さんにはキロ級本命が1尾。ゾロゾロと行かないところが、今日の状況の悪さを暗示しているのかもしれない。



●邪魔者
2流し目も全員無事投入完了。同じようにアタリを待つ。今度はせるじおさんに良いアタリが出た。そして期待を込めての巻き上げ。まずは私にタチモドキ。確かに太刀魚によく似ているが、どこか深海魚チックな姿の魚だ。そして、せるじおさんには何とタチモドキが8連。どうりで重いわけである。



船長によれば、潮は上潮が速い二枚潮。最初は糸を張って、アタリを取ることが出来るが。その後は道糸を張りすぎないように糸を出すのがセオリー。これは糸を張っていると錘が吹き上がるため、だそうだ。なので、この状況ではまともにアタリが取れるのは、投入直後くらいなのだそうだ。

●移動
時間は8時半頃。この場所を諦めた船長は大きく西へ移動。今度は僚船が数隻いる場所へ。稲取のキンメ釣りで名が通っている船も見える。この3流し目では林さんがキンメのダブルを達成。が、やはり単発で、他の人には喰ってこない。餌もかじられない状況である。



●時合いか?
次の4流し目の潮周り中、船長が「潮が流れ始めたみたいだ」とアナウンス。ということは時合かもしれない。この流しも全員無事に投入完了。錘が着底したしばらくすると、まずミツさんにアタリ。「おぉ、いいアタリだ。糸伸ばして」と船長も明るい声でアドバイス。続いて、我が竿先にもアタリ。手を挙げて合図して道糸を送る。が、続信らしきものはなさそう。それでも、船の動きに合わせて糸を送り続ける。

そして巻き上げの合図。私の竿先は微かに生体反応を伝えているので、どうやら何か付いて
いる様子。ミツさんの竿はかなりの曲がりと引き。しかし、他の4名の竿は沈黙のままだ。長い道のりを巻き上げて仕掛けを回収。下から2番目の針にやっと本命のキンメが1尾(後検量0.9kg)。「下に付いているってことは送りが足りないんだよ」と船長。あれだけ送ったのになぁ。



●提灯行列
そしてミツさんの取り込み。今回はビデオを持ち込んでいるので、その一部始終の撮影に成功(4MB動画)。なかなか上がって来なかった仕掛けだが、あと10数mというところで仕掛けが前方に浮き始めた。その前に林さんの取り込みではキンメ1尾に小アコウが2尾。そしてミツさん。水面に大きなオレンジ色の提灯が一つ、二つ、と浮いている。アコウだ!仕掛けを手繰ると、その提灯がどんどん海面下から現れる。全員で歓声を上げた。数えると1キロ〜3キロ級のアコウの11連。「やったね」「おめでとう」そして船長も無線で喜びを僚船に伝えている。いや、素晴らしい光景だ。



●敗者復活戦

潮を登り直して5流し目。同じ根でアコウ狙い。が、潮が流れたのもほんの一瞬だったようで、この流しは不発。6流し目も不発のまま巻き上げの合図が出た。これで終わりか、と思ったが、時間はまだ12時前。「時間があるからもう1流しやるよ」と船長。ただ、船宿支給の仕掛けは6組。なので、私は回収した仕掛けを6本針に切って、船縁に並べての投入を選択。せるじおさんはリタイアだが、投入失敗で、1組仕掛けが余っていたので、これを北木さんに進呈。ミツさんは持参の仕掛け掛けのテストも兼ねて15本針の再投入にチャレンジ。林さんはいつのまにか酔っぱらいでダウン。まだ釣果のない新ちゃんは、船長が回収した仕掛けを治具にまき直してくれた。7流し目、いわば「延長戦」あるいは「敗者復活戦」で逆転はなるであろうか?

かなり入念な潮周りの後、「もやもやの反応があるからやってみよう」ということで投入。無事船縁から針が落ち、7流し目参加メンバーは全員投入完了。潮がたるんだそうで、10m巻き上げ、落とすというのを繰り返して探ってみて、とのこと。

●最後の最後に・・・

何度か仕掛けの上げ下げを繰り返したが、努力むなしく時間は12時半頃。「では上げてください、これで上がります」の合図。仕掛けを回収し、軽く片づけてトイレに行こうとすると「新さん、何かついているよ」とミツさん。慌ててビデオとカメラを持ってトモ側へ。「新ちゃん、魚いるの?」「いや、分からん」

一番非力なリールだったようで、かなりの時間をかけて巻き上がった仕掛けを回収。「上甲さん、タモ」と声でタモを持って行くと、赤い影が海中に複数見える。なんと延長戦の最後の最後に新ちゃん3連のキンメ。しかもキロオーバーの良型も混じっている。「なんだそれー」と悔しそうな北木さんの声。もちろん非常に嬉しそうな新ちゃん(3MB動画)。「何とか土産が出来た、良かった」。結局トモから2人、林さんと新ちゃんが同率3尾で竿頭である。まぁ、何ともレベルの低い争いであるが・・・。



そして、全員キャビンに入って爆睡。1時半頃には港に帰ることが出来た。港で、ありがたいことにミツさんがアコウを1尾くれるという。ありがたく頂戴する。75Lのクーラーが少しは賑やかになった、かな・・・。

<釣果>
キンメ 0.9kg 1尾

なにせ貸し道具に貸し仕掛けの釣りなので、片づけや荷物積み込みもあっという間に終わって、船宿でしばしお茶を飲んで精算(27,000円也)。時間も早いので、温泉には寄らずに帰ろうということで、途中ラーメン屋に寄るだけで、東海岸を北上。途中、宇佐見から伊豆スカイラインに乗って、東京には18時過ぎに到着。ミツさん、運転ありがとうございました。

翌日は嫁さん実家でキンメとアコウの鍋パーティー。やはりキンメは脂が乗っていて絶品。アコウもキンメほどの脂ではないが、その触感や味はまた美味。鍋の後の雑炊は息子の雄大が3回もおかわりするほどの旨さであった。満足。


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