不完全燃焼、駿河湾本ガツオ

カツオ日和でした


  1. 日時:2003年9月11日(木)
  2. 場所:戸田〜大瀬沖
  3. 参加メンバー:鯛介
  4. 時間:午前5時30分〜午後1時00分頃
  5. 潮時:大潮


釣行記

●やはり初秋はカツオ
夏休み2段目の釣りには、今年6月から釣れ続いている駿河湾のカツオを選んだ。相模湾のカツオの喰いがもっとよければ、交通の便がよいのでそちらにしようかと思ったが、あいにく、様子は好転せず。気を牽かれていた勝浦のアカムツも様子は今ひとつ。ちょっと遠いが、ここのところ毎日好調の駿河湾まで出張ることにした。

とび島丸でマダイとカツオのリレーというのが目に付いたのだが、この週はあいにく8号船は夏休みの様子。そこで久しぶりに戸田のふじ丸に予約を入れた。5時半出船ということで、間に合うように来てくれ、とのこと。船は大型の5号船である。

●強行軍
火曜日から水曜日にかけては親子3人でディズニーランドに泊まりがけで出かけていたので、釣りの準備は水曜日の夕方から。いつものように夕食を済ませ、子供を寝かせてから、最終準備をして1時過ぎに出発した。

●往路の渋滞
いつものように首都高から東名沼津経由で戸田入りする予定であったが、この日は東名横浜−厚木間で事故渋滞、抜けるのに2時間以上の表示。横浜IC直前の表示板も「ここで降りよ」の表示。仕方がないので、戸田にボート釣りで通っていたころに記憶を頼りに、箱根経由で戸田入りすることにした。

横浜→大船→平塚→小田原→箱根を経由して、だるま屋で大きめのオキアミ餌を購入。コンビニに寄って戸田には4時頃に到着。私がしばらく来ない間に、座席確保は、乗船場所に止めてある軽トラックの座席においてある座席表に名前を記入するシステムになったそうだ。さっそく車を止めて記入しに行くと、右舷ミヨシが空いていたのでキープ。しばし、他のお客さんと話をした後に、車に戻ってコンビニ朝食。すると親父船長が現れたので準備開始。既に大型クーラーが何個か岸壁に置かれている。皆、気合い十分である。

●久しぶりのふじ丸
ちょうど5時頃に船が岸壁に横付けされたので乗船して準備開始。船長にも久しぶりの挨拶。そういえば、一昨年のワラサ以来、ふじ丸には来ていなかったっけ。

●変なおやじが・・・
荷物をミヨシに置こうとすると、何故かその場所に竿をおいている親父が1名。「?」と思ったが、気にせず、ミヨシ付近に荷物を置いて準備を進める。どうやら、この親父、ミヨシ2番、3番の2人連れらしいが、ミヨシは1段上がったお立ち台が指定席だと思っているようで、船長が「間隔はあとから調整するから」という言葉も無視してキーパーを付けたり、私の釣り座の方に50Lのクーラーを置いていたり、私の釣り座の給水パイプから水を取ってコマセを溶かしたりしている。竿もおそらく七島泳がせの30LBだろう。カツオにはどうにも堅すぎる竿のはず。このような変な親父が隣だとイヤだな、と朝から気が重くなってしまった。これは結局この後の釣りにまで影響するのであった。片舷5名とゆったりした間隔で釣りを楽しめるはずなのだが、この隣の親父は何故かやたらミヨシ側に寄ってきている。おそらく、コマセバケツの装着位置を気にしてのこと(竿穴に掛けるタイプのため)だが、やけにミヨシ寄りだけアンバランスな間隔になってしまっているのを、気が付かないバカ者のようだ。

●いきなりナブラ
みんなの準備が整った5時半過ぎに出船。海はベタ凪ぎで晴れ。絶好のカツオ日和である。「キョロキョロして、魚の跳ねが見えたら教えて。昨日は戸田の沖から大瀬沖くらいで群れがいたから」と船長。船はゆっくりと沖に群れを探しながら出ていく。15分ほど沖に出たところでカツオの跳ねを発見。「準備して」の声に続いて「やってみて、15m」の開始合図。慌てて餌付けやコマセ詰めをしたが、この流しは誰も間に合わずに空振りとなってしまった。

今回のタックルは銭洲スペシャルIIにXT4000。サニービシLサイズ80号にハリス20号2m。針はヒラマサ針16号で、チモトには夜行玉を装着した。餌はオキアミで2尾掛けを基本とした。

この後はしばらく単独で戸田沖のナブラを追いかけたが、群れの移動速く、うまく捕まえられず。「あっちの船団で型出てるみたいだから行ってみよう」とのことで、大瀬沖の7〜8隻の船団に合流した。ナブラが移動していく様がよく見え、これに先回りする形で船を付けて、エンジン逆転がかかって投入合図が出る、というのが追っかけカツオの釣り方。昨シーズンの相模湾で経験済みである。



●針掛かりせず
移動後の一流し目は群れが方向転換してしまい、船の舳先前を通過し、不発。仕掛けを上げて群れを追尾。今度はうまいぐあいに群れの鼻っ面に船が着いた。「やってやって、15m」と船長の声も違う。コマセを振って15mで待つ。またコマセを振ってややタナを上げると、ググン、というアタリ。が、魚は針掛かりしなかったようで、そこで終わってしまった。ところが、他の人にはどんどんヒット。慌てて再投入し、タナを取る。右舷はを除いて全員がヒット。船長一人でタモ取りが間に合わない。やりとりしていない私はタモを持って隣の親父のカツオをタモ入れ。そして、すぐに魚を出して、その隣の人のタモ入れ。両方とも一発でタモに入ってなかなか気分はよい。

●連続バラし
そして群れを追尾。今度はヒット。久しぶりのカツオの強烈な引き。しかしビシを取ってハリスを手に掛けるが、タモ取りをしてくれる人がいない。船が密集しているので、船長は舵を離せない。隣の親父は悠長にコマセを振っている。抜き上げるかどうしようか、思っているとやっと隣の親父がタモを手にした。が、その間に敢えなくバラシ。

次のヒットでは、魚がトモ方向に走られたときに針はずれ。さらにヒットし、ハリスに手をかけるも、同じく魚が隣の親父の方へ。この親父は、完全置き竿で釣っているので、竿操作で走ったカツオを避けることをせず、仕方なくオマツリ防止で強くハリスを引っ張った瞬間にバラシ。次は、また餌のみ盗られ、その次のヒットでは右舷全員がやりとりの最中。「今度は俺がタモ取りするから」と船長が出てきてくれたが、タモへの誘導の際にバラし。オマツリバラシも2回。

●バラシバラシバラシ
さすがにこれだけバラしが続くと、心中穏やかでなくなってしまう。針の大きさなのか、何なのだろうと頭の中はパニック状態。良い人はもうこの間に5〜6尾のカツオを手にしていたようだし、隣の親父たちも、お互いオマツリしながらも2〜3本のカツオを上げているからなおさらだ。

船は大瀬沖から群れを追って北上。ここは三保の沖辺りであろうか。周囲の船も群れにうまく船を着けられれば入れ食い。本船も同様であるが、如何せん、ほぼ全員にヒットしてしまうし、右舷の前の方からアタルことが多く、私の仕掛けが上がる頃には全員がヤリトリ中、なんてことも多く、タモ取り出来ない、という事態が相次いだ。

●冷静に対策を
そうこうしているうちに群れが沈んでしまい、船団も散り散りになっていった。このとき時間は8時。結果的にまだクーラーは空っぽ。バラシは10回くらいであろうか。まだ時間はあるにせよ、朝一番の時合いを逃してしまったことは痛い。この群れ探しクルージングの間に対策を考えると同時に頭を冷やす。

まずはタックル。今回は銭洲スペシャルを使用しているが、カツオ釣りには胴が強すぎるのかもしれない。なので、竿を交換。Shimano−TLD70(輸入もの)に。針は15号へ。一番の原因はヤリトリであることは明確。隣の親父がミヨシに寄ってきているので、必然的に足場が悪く、かつ5号船は船縁が船首に行くほど高くなっており、竿尻を支える位置が高くなり、魚を遊ばせてしまい、結果、魚がトモや左舷方向に走ってしまうのだ。

対策として、開きなおって、ミヨシの1段高いところ(お立ち台)に乗っての釣りを考えたが、これはもっと不安定でやりとりは出来そうにない。そこで、ここは土産が出来るまでは、キーパーに掛けっぱなしのウインチ釣法で一気に魚を寄せて、取り込みの際にはタモのことは気にせず抜き上げることを考えた。

●何とか・・・
一旦戸田沖まで戻ったが、また大瀬の沖あたりでハネが見つかったようで、そこへ急行。4〜5隻の船団に合流する。「群れが止まってるかも。この方が楽だよ」と船長。そして投入合図。コマセを振ってキーパーに掛けたところでギュンというアタリ。そのままゴリゴリと巻いてあっという間にビシが上がる。水面で強い引き込みがあったが、この竿の粘りでかわす。今度は船長がタモを構えてくれて無事船上へ。やっとクーラーに収める獲物が出来てほっと胸をなで下ろした。



●すくいようのない親父
次の流し、「今、群れが通過中だよ」と船長のアナウンス。タナを取った瞬間にヒット。強引に巻き上げて、海面から抜き上げたのは先ほどと同じ3kg級のカツオ。途中から餌をオキアミとイカ短のサンドイッチにしてから、一度ガツンというアタリで針掛かりしなくても、誘いなおせば再度アタリが出ることが多くなった。「すぐ入れて、まだ間に合うよ」と船長。すかさず再投入。今度もうまく針掛かり。何故か隣の親父はアタリなく、タモ取りをしてくれる様子。なので、タモに魚を誘導する。ネットインしたので、ハリスを緩めるが、この親父はそのままタモを海中に入れたままにしていたので、カツオがタモの中で反転して再び海へ。幸い、バレずに再度タモへ半ば抜き上げる感じで強引に入れる。その間にもこの親父は「タモには頭から・・・」などとブツブツほざいていた。いいから魚がタモに入ったらさっさとタモを上げてくれ。カツオがそんなに素直にタモに入ってくれるわけないだろう。どうせ人の釣り座に自分のクーラーを置いてまで確保した自分たちの広々とした釣り座も、おそらく「右舷に座ったら、キーパー、コマセバケツの順に置き、自分の右側の足下には何も置かずにしておく」などという教科書的な内容を鵜呑みにしている結果なのだろう。そういうことを覚える前に「人に迷惑をかけない」という人として当然のことを、いい歳なのだから分かって欲しいものだ。

更にヒットが続く。今度は運悪く、隣の親父の道糸とオマツリ。やはりカツオがそちらに回っていっても竿先操作で避けようともしない。なので、案の定オマツリ。朝はこのオマツリを意識してしまい、竿の操作がギクシャクしてしまったが、開き直って、オマツリさせた。「あぁ、タモがいるなぁ」などと悠長なことを言いながらやっと竿に手を掛けた隣の親父をにらみつつ、強引に抜き上げる。いいから、もう少しトモ寄りに離れてくれないかなぁ。2人で50センチずつ後ろに下がってくれればだいぶオマツリも減ると思うけどな。

●20号ハリス切れ
そんなこんなで、なんとか4尾のカツオを手にして土産を確保。だいぶ心の余裕も出てきた。途中、間違えて20mまで仕掛けを落としてしまい、慌ててタナを取ろうとした瞬間にギューンとアタリと同時に20号のハリスが切れた。きっとこれはキメジの仕業だろう。

そして2度目の時合いも過ぎ、船は群れを探して散り散りに。トモの方の人はもうクーラーが満タンで、船宿の餌用クーラーに魚をしまっていた。朝の時合いに半分取っていれば、もしかしたらこの時点でツ抜けしていたかもしれないのが残念だ。天気はピーカン。ビールが旨い。水分補給も十分しないと熱射病で倒れてしまいそうな容器である。

●後半は群れ見えず
南西方向に群れを探してのクルージングだったが、11時半過ぎに、また戸田沖付近で方向転換。大瀬沖方向へ。また小規模な船団が出来ていて、これに合流。投入の合図、15mでまたヒット。またごぼう抜きにしようとしたが、隣の親父がタモを構えていたので、そこへ誘導。無事船上へ。この船団では私のこの1ヒットだけでアタリが遠く、船は再び南に進路をとった。

この頃から南風がざわざわと吹き始め、海面もざわついてきて、群れを探すのが困難になってきた。見つけても、僚船の数がどんどん少なくなり、1隻ではなかなか捕まえることが出来ないようだ。

結局最後の1時間はクルージングで終わり。13時過ぎに帰港となった。



<釣果>
本ガツオ 2.4〜3.2kg 5本



終わってみればまずまずの釣果であるが、朝の段階では今日はどうなることかと思った。「獲る」ためだけの釣りなら、この釣りはかなり簡単である。このことを思い出すのに時間がかかったことが釣果を伸ばせなかった要因。しかし、「何もしないこと」や「教科書どおりにやること」で他人に迷惑を掛けることがあるのは知っていたが、そう言う人が自分の隣に鎮座した場合に、どう自分の釣りを守るのか。もう少し考えてみたいと思う。


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