釣り座に恵まれ竿頭、洲崎沖夜ムツ

クーラー満タンでした


  1. 日時:2003年8月22日(金)
  2. 場所:洲崎沖
  3. 参加メンバー:鯛介
  4. 時間:午後5時30分〜午後10時00分頃(実釣)
  5. 潮時:長潮


釣行記

約1ヶ月ぶりの釣りである。仕事の方も一段落し、溜まっていた振休の消化を考える余裕も出てきた。せっかくの振休なので、平日ならではの釣り、と思ったが、この時期はなかなか良い釣りモノはない。駿河湾のカツオも一服状態。マダイや遠征釣りもまだムラがある。そういえば、今シーズンはずっと好調をキープしている夜ムツ釣りにまだ行っていなかったっけ。平日ならば空いているだろうし、金曜日に行けば翌日は休みだし。ということで、2年ぶりに勝山・萬栄丸の夜ムツ釣りに予約を入れた。

ここのところは肌寒い日が続いていたが、当日は快晴で夏日。東京を11時半頃に出発。途中、首都高速の渋滞に巻き込まれつつ、市原SAで食事を済ませて、餌屋で冷凍イワシなどを購入後、勝山港には14時過ぎに到着。港ではスルメ釣りのお客さんたちが引き上げるところ。まずまずの釣果だったようだ。

●平日でも満船
女将さんが岸壁にいたので挨拶をする。「今、船を洗っているので、もう少しお待ち下さい。」とのこと。釣り座は座席板にて指定するのだが、左舷はトモから6人分、右舷はまったく埋まっていなかったので、右舷ミヨシをキープ。まだ時間があるので勝山港の商店街を散策。生のイワシがあるとよかったのだが入荷はないようだ。

船に戻って準備開始。今日の乗船は右舷に8名、左舷に7名で満船。平日ではあるが金曜日であるし、ここのところの好調さからこの盛況ぶりなのだろう。船上で梅酒など飲みながら出船を待つ。その間に他の釣りモノの船長や助手の人の話を聞く。ここのところはサメもよく出ているので、1尾づつ手返しよくやるのが釣果を伸ばすコツ、とのこと。

16時過ぎに船長が現れて、氷と雑巾が配られ、16時20分に出船。海上は南風で凪ぎ。前部キャビンに入って寝転がって釣り場到着を待つ。湾口を出ると幾分のウネリが出てきたが、同じく凪ぎ。海上のコンディションは良いが、あとはここ2日くらい速くなってしまった潮の具合が気になるところだ。

●キビナゴは×?
17時半にキャビンを出て釣り座について仕掛けを連結するなどの最終準備。ほどなく船はスローダウンし、反応を探っているここは洲崎南沖だろう。配られたサバ短(イカ釣りかアジ釣りの外道であろう生のもの)と持参のイワシ餌、それにキビナゴ餌を付けていたが、何やら船長からマイクで「コウナゴ餌を付けている人は・・・」とよく聞き取れなかったが、どうもその餌はやめた方がよいということらしい(餌持ちが悪いから、ということのようだ)。ということで、サバ短に付け替えたところで開始の合図が出た。

今回のタックルは、ムツ釣りには初使用、というか竿下ろしでもある銭洲スペシャルIIに電動丸3000XHにPE6号300m。ヨリ取り用の小型連結サルカンを介して、幹糸10号、1.2m間隔に枝ス8号50センチ。針はムツ(銀)17号4本針を使用した。枝スはヨリトリビーズにて出すことにして、極力仕掛けの消耗を防ぐ。

仕掛けはややトモ寄りに流れていって90m程度で着底。3mほど底を切りアタリを待つ。まだ辺りはかなり明るいことから、本格的な喰いになるのはまだまだであろうが、良いときは明るい時に良型が喰うということもあり、気合いを入れて誘う。

●まずはゲスト連発

しばらくの沈黙の後、竿先にググンというアタリ。針掛かりしたようで、そのままアタリが続いた。最初ということもあり、そのまま巻き上げる。サメの心配もあるので、容赦なくドラグを締めて高速巻きである。そして仕掛けを手繰る。魚影から「お、本命か?」と思ったが魚の色がおかしい。よいしょっと抜き上げるとこれが久しぶりに見る魚体。まずまずの型のヒメダイであった。助手の人が寄ってきて、おぉ、珍しいなぁ、と言っていたのでこのへんではあまり出ないのであろう。これはイワシ餌(一番上の餌)に喰ってきた。

餌を付け直して再投入。ところが、今度は上の潮がだいぶ効いてきたようで、仕掛けが大きくトモに向かって流されていってしまった。案の定、トモの方の大オマツリ(遅れて投入した人が原因と思われる)に巻き込まれ、都合、3回のオマツリに巻き込まれたが、錘は既に2枚潮の下潮に到達し、糸が手元の方に戻ってきた。なので、そのままアタリを待つとまたもググンという強いアタリ。今度は引きも強く、「ハチビキか?」と思ったが、見えてきたのはオレンジ色。40センチ級と良型のキントキであった。



●ハチビキ猛攻
この後は、当たると、ギュギューンと引き、上のタナまで引き続けるハチビキの猛攻が始まる。これが大きいのは2kgを越えるサイズなので、手を焼く。「ドラグ締め込んで最高速で巻かないと、みんなオマツリになっちゃうよ〜」と船長も怒鳴りに近い声で注意を飛ばす。

ハチビキと2枚潮攻撃で殺伐とした雰囲気の中、左舷ミヨシでは本命ムツの姿が。しかしそれも後が続かず、小移動をしても、掛かってくるのはハチビキばかり。だんだんと日が落ちてきて暗くなってきたが、状況は変わらず。今日はいったいどうなってしまうのだろうか。この時点では「昨日まではよかったのに」という状況が想像出来、かなり不安を抱いていた。

●喰い上向く
だいぶ辺りが暗くなってきた19時過ぎ、船は5分ほど北側へやや大きく移動。「110から80mの駆け上がり」という船長のアナウンスで再開。底を取って、二枚潮のせいで大きくふけた道糸を巻き取って、タナをとるとガツガツというアタリ。巻き上げにかかると、引きからしてどうやら本命。30センチ程度の標準サイズのムツであった。

そしてこの後はしばらく入れ食い。タナを取ると数秒あけてアタリが出る。針掛かりしなくても、誘いを入れたり、タナを上げてやると必ずアタリが出る、という状況が続く。至福の時間である。

●サメ
試しに針掛かりの後、誘いを入れてしばらく仕掛けをタナに維持。するとどうやら追い食い成功。3回アタリがあったことから、3尾が付いているだろう、と思ったが、上から40m付近で巻き上げ止まる。サメである。仕掛けを回収するとサメに2尾取られていた。やはり単発で取り込むのがよいようで、手返しを重視し、3本針仕掛けに仕掛けを詰める。船宿の仕掛けも3本針仕掛けを売っているのだ。

船長からはドラグ締め込み、最高速巻きの指示が出る。サメに取られるのもそうだが、時折タナを高く取りすぎるとハチビキがかかり、これがオマツリを誘発するのだ。それでも、リールのパワーのせいか、うまく巻き上げられず慌てている釣り人が数名。この釣りではハイパワーの電動が必要だ。

●海面にサメ
気が付くと、海面には2〜3尾の2mはあろうというサメが回遊。時折針にかかったムツ目掛けて泳いでくることはあったが、幸い取られることはなかった。他の人は特に新品の錘などはサメが好んで食いついていたようで、黒塗りの錘を使っている人もいたくらいだ。

●でも入れ食い
切れ間なくムツのアタリは続き、ずっと入れ食い。駆け上がりなので、水深が80mくらいになると潮周りをするが、すぐにアタリが復活。餌はサバでもイカでも食いは変わらず。ただしイカの方が餌持ちはよく、特にゲソには良い型が食ってきたようだ。イワシ餌も良好であった。イカ餌には40センチ級のノドグロアジがよく食ってきた。手持ちでも置き竿でも関係はない。特に今日のこの泳がせ用の竿は具合がよく胴に乗るので、前回に比べるとバラしが少なく、置き竿での巻き上げで全く問題がなかった。

手元が滑って釣ったムツが海面へ。プカプカ浮いてトモの方に流されるも、船長がうまく操船してくれて助手の人がタモですくってくれた。口は悪いが、船長は非常に良い人なのだ。感謝。サメ攻撃の合間をぬって、追い食い→一荷釣りも2回達成。

●対策が功奏
途中、助手の人が釣果を聞きに来た。どうやら私がトップの様子。サメは?オマツリは?と聞くので、サメは2回くらい、オマツリは最初の1回だけです、と答えると、それが良い釣果の理由、とのこと。その直後にサメにつかまってしまったりしたが、特に2枚潮のオマツリ対策は基本どおり、錘を潮上に投げる、落下途中にサミングして仕掛けが潮下の人の仕掛けに乗っからないようにする、隣の人の巻き上げ最中には投入しない(これは船長のアドバイス)を守ったからであろう。

あと、この二枚潮のせいで、うまくタナを取れなかった人がいたようだ。道糸のフケが大きく出るので、大きくタナを切ったり、タナを取り直すことが必要だ。それに高いタナ(5〜6m)の方が良型がよく食った。ただ、タナを取っている間にも小さめのムツが食ってくるような状態だったので、錘が着底したら、大急ぎでタナをとる必要があったが。これも良い釣果に恵まれた要因だと思う。

●クーラー満タン
結局、この入れ食いモードがずっと続き、合間はイカ餌を切ったり、仕掛けのリペアの準備をしたりと水を飲む暇もないほど忙しい時間が続き、22時終了。持参の35Lクーラーがほぼ満タンになった。



<釣果>
クロムツ 27〜38センチ 34尾
マアジ 40センチ級 4尾
ヒメダイ 35センチ 1尾
キントキ 40センチ 1尾
他、ゴマサバ、ハチビキ。

好釣果の興奮からか、帰りはキャビンに入って横になったが、目が冴えて眠れず。窓からは赤く輝く火星がきれいに見えた。今日は良い日だった。

1時間ほどで帰港。追加の氷(200円)を購入し、なんとかクーラーのふたをしめて2時間ほどで帰宅。翌日、翌々日とも何種類かのムツ料理を楽しみ、何人かの人のお裾分けも出来た。
久しぶりに根魚釣り。一見面白くなさそうだが、実はかなり忙しい釣りで最近はハマりつつある。今年はキンメやアカムツにも挑戦する予定。クロムツも冷凍庫の在庫がなくなったころにはまだ挑戦したいと思っている。


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