12時間耐久、駿河湾オニ〜カワハギ

釣果はまずまず


  1. 日時:2003年1月11日(土)
  2. 場所:石花海〜土肥沖
  3. 参加メンバー:鯛介、他9名
  4. 時間:午前7時20分〜午後5時30分頃(実釣)
  5. 潮時:長潮


釣行記

●今年の新年会は
毎年恒例の新年会釣行の時期がやってきた。いつものように釣りモノはオニカサゴにカワハギ。今年はそれにアオリイカが加わる予定。そして船宿は土肥・とび島丸。今年は人数の都合で健司船長の8号船を仕立てての釣行となった。

オニカサゴもカワハギもほぼ1年ぶり。オニはいろいろな装備品が必要なので、釣り部屋でごそごそとやって、何とか探し出す。そして、前日の昼間は近所のスーパーで餌探し。でも、自宅の冷凍庫にはノルェーサバ、サンマ、ヤリイカ、イイダコ、ハラモと根魚用の餌のストックがいっぱい。スーパーではアナゴを買うに留めることにする。

今回は梅ちゃんと同乗して行く段取り。海老名の梅ちゃん宅に午前2時頃に到着。オニカサゴ釣りにしてはやけに2人とも大荷物で愛車レガシーのトランクはいっぱいに。途中、冷凍ヒイカとカワハギの餌(マルキューの喰わせアサリ)を仕入れて土肥に向かう。

集合は4時半頃だったが4時過ぎには土肥港へ到着。既に何台か見覚えのある車が止まっている。しばらくすると誰とも無く車から出てきて新年の挨拶、釣り座決め、などしているうちに船長が到着。氷を少しクーラーに詰めて船着き場に向かった。

●凪のはずだったのに・・・
ミヨシ寄りの希望者は4名。幸い、皆希望の座席に入れた。私は右舷ミヨシを確保。予報は北風が後に西に変わるが、凪のはず。いつもミヨシの座席とは相性がいいのだ。釣り座は右舷ミヨシから、上甲、西さん、磯さん、宮城さん、国下さん。左舷は同じく北木さん、キンタさん、梅ちゃん、ミツさん、トシさんの順となった。

荷物を積んで、竿に糸を通して、などとしているうちに「出るよ」ということで5時半前に出船。船は針路を石花海に向けて走る。私とミツさんだけキャビンに待避し、他の方々は操舵室の後ろで待機。キャビンはちょいと寒いが、石花海までは約90分かかるはずなので、ゆっくり体力を温存しておきたいのだ。
毛布にくるまってウトウトしていると、次第に船の揺れが大きくなってきていることに気がつく。薄明るい外をキャビンの窓から覗いていると、外は結構なシケ。今日は凪の予報のはずなのに、おかしいな。よくみると、風はさほどないようだが、ウネリがかなり大きい。なので、船は速度を上げられず、ゆっくりと釣り場に向かうが、途中、本当に転覆するのではないか、というくらいの大きなウネリを乗り越えながら進んでいく。船長の無線が漏れ聞こえてくる様子では、どうやら沖目のポイントは諦めるような感じ。そして、船は大きく進路変更。進路を南西から北西に変える。やはり近場のポイント(中ノ瀬)を攻めるようだ。

●酔っぱらい数名
7時20分過ぎにやっと船長の「支度して」の合図。そそくさとキャビンを出てウエアを着込んで釣り座に向かおうとすると、外には焦燥しきった顔のミツさんがぬぼーと立っていた。「ミツさん?」「あぁ、ごめん」と後ろを通させてもらう。ミツさんもこの海の状態に船酔いしたようだ。ミツさんの隣の梅ちゃんも顔面蒼白。「大丈夫?」と聞くと「ダメでしゅ」との返事。

やはり海は非常に悪く、ミヨシはもともとあまり足場が良くないのでかなり不安定な姿勢でタックルの最終準備。途中、海に振り落とされるんではないかというくらいの揺れに翻弄されながらも何とか、仕掛けの準備も完了。「準備出来たひとはやろうか。水深180mくらい。どんどん深くなっていくから、べた底でやって」という合図で開始となった。

今回のオニカサゴタックルは、竿にARセイバー202、電動丸3000XH(PE6号300m)。片天秤に錘は200号に天秤と道糸の間にフラッシュカプセルを入れる。仕掛けはハリス8号全長2mの3本針。ムツ針20号を結び、チモトには夜光玉やらビーズやらを装着。更に各種タコベイトを付けるというオーソドックスな仕掛け。餌は船宿からサンマの切り身が支給される。持参の餌はサバ短(ノルェー産、近海産)、イカ短、イイダコなど。

●左舷有利
「潮が速いなぁ」と船長。底ダチを取って、指示どおりベタ底でやる。時折、仕掛け分を聞き上げてやってアタリを確かめる、という動作を繰り返す。まずは左舷トモのトシさんに本命があがった様子。しかし、トシさんはこの後、船酔いに倒れ、後半戦まで復活することはなかった・・・。

続いて「置き竿にいつの間にか喰ってました」という梅ちゃんに。北木さん、キンタさん続き左舷がスタートは好調。逆に右舷は沈黙。

●釣り座不利
「潮は左舷の方に流れてる。左舷の人が釣り漏らした魚を、右舷が釣る。ということになるな」と船長。こりゃ厳しいけど、仕方がないと隣の西さんと顔を見合わせて苦笑。それだけに丁寧に誘いたいが、このシケではミヨシ側は立っているのが不可能。座りながらの竿の操作を余儀なくされる。

●まずは1尾目
この波の高い朝のうちは水深160〜180mの場所を攻める。船長の言うように掛け下がり。丹念に底ダチを取っていくしかなかったが、8時半を回るとだいぶウネリも収まってきて、なんとか立ち上がって竿を振ることが出来るようになった。気合いを入れ直して誘い始めたこのころ、やっと本日初めてのアタリ。船長の指示通り、軽く送り込んでからアワセを入れる。ウネリがあるので慎重に巻き上げて500g級の本命をゲット。

キンタさんの竿に強い引き。アラかも、思われたが、残念ながらこれはメーター級のサメ。この後は根掛かりも頻発。私の場合は幸いにもいずれの根掛かりもはずすことが出来たが、キンタさんが運悪く天秤から先を全て失う根掛かりに遭遇してしまったが、逆に運よく1.1kgの本日最大級の本命をゲットし、帳尻を合わせていたのはさすがである。



この後は海もだいぶ良くなり、釣りやすくなってきた。天気も快晴で、風は西でさほど冷たくはない。誘いもだいぶ丁寧に出来るようになり、ゲットした2尾目は0.9kgとまずまず。これは船宿支給のサンマ餌にパールタコベイトに喰ってきた。



●サンマ餌が当たり?
同じく3尾目は500g級。これもサンマ餌。他のみんなはサバ餌が食いが良いようだが、何故か私の獲物はみなこのサンマ餌。この餌だが、余ったら繰り返し冷凍されている塩サンマで、アンチョビのように固く締まっており、匂いも相当なもの。餌がひらひら舞う、という効果は望めそうにないがこの脂の匂いはオニカサゴの興味を引きそうだ。タコベイトも朝方はピンクや蛍光緑が良かったが、日が高くなってからはオレンジが好調であった。

皆、一通り型を見たが、やはり本命場所でないせいか、バタバタと喰ってくるような流しはなく、単発で2〜3人にアタる程度である。餌もみんなでいろんな種類のものを試すが、鯖やサンマの他にアタリ餌は特にないようだ。

●バラシ
11時頃からは水深120m前後の泥場に根が点在する場所を攻める。潮の流れも緩慢になったようで、1流しも長い。この流しの中で根にかかった辺りでアタリが出る、という感じ。11時半頃、久しぶりにアタリ。「上甲さん、何か付いてる?」との船長のマイクに手を挙げて答える。仕掛けを上げると一番上の針に本命。タモで取ろうかと迷っているうちに、舳先が持ち上がったのと同時に魚が暴れて針はずれのバラシ。ただ、型は500g級とリリースサイズぎりぎりだったし、まぁよいか。



「ぱきっ」という軽快、かつ不吉な音に振り返ると「梅ちゃん、竿折ったの?あはは」と船長のアナウンス。残念ながら、200号の錘に竿が耐えきれなかったようだ。という感じで後半は凪たこともあり、和気藹々と釣りを続けることが出来た。

●早めにカワハギへ
オニカサゴの食いも今ひとつなので、12時前に「この流しでオニは終わりにして、土肥に戻ります」というアナウンスが流れる。今のところ、トップはキンタさんが4尾。何とかあと1尾上げて追いつきたいところ。と、竿先に微かなアタリ。送り込んでアワセるが、針に乗った様子はない。念のため数m巻き上げるがやはり魚の気配なし。他の針に喰わないかと、誘いを繰り返したが、この後はアタリもなく12時過ぎにオニカサゴ釣りは終了。土肥へカワハギ狙いに戻ることになった。



土肥沖までは40分ほどで到着。こちらは更にベタ凪。小下田沖で反応を探った後に再開始となった。
水深は30m前後。カワハギ釣りタックルは幻波カワハギに103早技(PE2号)。錘25号に市販のカワハギ仕掛けを使用した。餌はマルキューの食わせアサリ。

●またも不利?
投入からすぐにアタリが出る。ただし、これもオニカサゴと同様に左舷中心。1流し目から左舷の人、特にトモ側では活発にアタリがあるようだが、右舷は今ひとつ。やっとアタリが出てアワセをくれると釣れ上がったのは15センチちょっと小型。

国下さんがでかいサイズを上げた。後で計るとこれが26cmと大型。左舷ミヨシの北木さんも、シーバスロッドで着々と釣果を伸ばす。しかもサバの身餌でミノカサゴもゲット。毒棘のある魚だが、実は旨いらしく。梅ちゃんもウイリーシャクリ竿ながらもぽんぽんと魚を上げている。

●何とか
カワハギ以外ではトラギスやウマヅラやサバフグが外道。とくにウマヅラは40センチ超の大型も回っているので、これがかかると針が伸びてバラしになってしまうのでやっかいだ。なんせ年に一度しかやらないカワハギ。勘を取り戻すのにしばらくかかったが、何とかみんなに負けない程度のペースでカワハギを上げることが出来ているが、いずれも小さめ。しかも餌を取られることが多く「上甲さん、空振りばかり」と船長に冷やかされたりする。

「ここ、やってみたかったんだ。水深70m」という深場でのカワハギ狙いも試してみる。錘が着底してすぐにアタリがあったが、みな上がってきたのはヒメやタマガシラ。「魚が違うな〜」ということで、この普段はマダイのポイントでの深場カワハギ釣りは1流しで終了した。船長も楽しんでいるようだ。



●アオリ狙い
16時。「アオリとカワハギの両方が狙えるところに行きます」という船長のアナウンス。迷い無く私と西さんはタックルをアオリ狙いのものチェンジ。水深は同じく30m前後。まずは定番のピンクのアオリQでやってみる。水色は澄みで、エギは7〜8m沈んでも上から見えるほど。潮の流れもなく、苦戦が予想された。

その予想通り、カワハギはぼちぼち釣れ続いたが、アオリ狙いは沈黙。黙々としゃくるのみ。エギもピンク→茶→オレンジにイエローストライプとローテーションしていく。また、潮流れないので、シャクリの幅は大きく、縦の釣りをイメージする。

●アタリが
17時頃、日がちょうど水平線から沈んだ頃、竿先にイカの感触。エギに触っているのが分かる。お、やっと来たか、としばし待ってから竿先を上げて聞いている。グググンという感触。よし!と思ったが、竿先を上げきったところで重量感が消えた。「上甲さん、今乗ったけどばれた?」と船長。そのまま巻き上げずに竿先も戻して、再度の乗りを期待するが、この後のしゃくりは空振りであった。

この後、北木さんにも触っただけのアタリがあったそうだ。「反応はあるよ。最低でも八つはいるなぁ。潮流れないから乗らないんだな」と船長。しかしその反応も消えていき、今度は土肥の魚礁周りに移動となった。

●アオリはボ
もう辺りは暗くなってきている。船の灯りも灯って、タナは手元で道糸マークを見て取る。この日暮れ際はチャンスなのだが、結局この後は誰にもアタリは訪れず、17時半過ぎに本日の釣りは終了となった。

<釣果>
オニカサゴ 3尾(0.9、0.6、0.5kg)
カワハギ 7尾 15〜20センチ

5時過ぎに出船したわけだから、都合12時間以上、船上で過ごし、10時間くらいは釣りをしたことになる。久しぶりの耐久釣りであった。

そんな釣りの後なので、本日宿泊組の6名は、宿に戻って、風呂に入って、飯を食って、部屋に戻って、さぁ宴会!かと思ったが、そのまま布団の上で横になってテレビを見ているうちに全員眠りに落ち、次に目が覚めたのは朝7時。満足の初釣り&新年会?でした。


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