実験はイマイチ、洲崎沖ヤリイカ
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土産は十分でした
- 日時:2002年1月19日(土)
- 場所:洲崎沖
- 参加メンバー:鯛介
- 時間:午前6時20分出船〜午後2時00分頃終了
- 潮時
釣行記
ここのところ、イカ角の新製品がいくつか発表されている。イカミノーという一風変わったルアー風のツノやサカナ針の新製品など、見かけるたびに購入してしまう。道具を買えば使いたくなるのは自明の理である。ちょうど洲崎〜沖の瀬あたりのヤリイカの状況が上向きとなり、予報によれば天気もまずまずらしいので、今回の釣行を決断した。
●低料金
船宿は勝山港・新清丸。以前一度ヤリイカ釣りで訪れたことがあるし、イカ釣りには力が入っている様子の船宿なのだ。この船宿は予約時に釣り座を予約できることが利点。木曜日の午後に予約の電話をいれると、日当たりが良いであろう右舷は既に6名が入っているが、左舷はトモとミヨシが埋まっているだけだそうだ。ということで、左舷ミヨシ2番に釣り座を予約する。さらに、この船宿にはインターネット割引(1000円)があり、そもそも7500円と乗船料金が安いところに更にお得ということになる。
前日、予報を確認すると「北の風、やや強く晴れ。波2m」とのこと。凪予報だったはずだが、若干悪い予報になっているようだ。まぁ出船は問題ないので、仮眠をとって2時半頃に出発。結構北風が強く吹いているのが気になる。途中、SAで軽い食事などとりつつ5時前に港に到着。集合は5時半なので、しばらく仮眠し、船に灯りが灯ったところで着替えて準備開始。●波高し?
釣り座のツノ掛けに名札がぶら下げてある。右舷は7名、左舷は6名ということで、釣り座も結構余裕である。ミヨシの常連さんと挨拶を交わす。今日は波があるからミヨシは厳しいかもなぁ、とのこと。なるべく釣り座はトモ寄りに下がってあげたのだが、この常連さんは最後までミヨシの1段上に座ってがんばっていた。
受付(乗船料支払い)にやや時間がかかり船は15分遅れの6時15分に出船。「釣り場まで40分ちょっと走ります」とのこと。追い風、追い波で船は中速で進んでいるので、飛沫をかぶることもないので、そのまま釣り座で寝っころがって釣り場到着を待つ。
釣り場は富み出しのようで洲崎を過ぎて、房総半島を回り込む。すると風が結構強く吹いているのが分かる。そして7時を過ぎて僚船がちらほら見えて来たところでスローダウンし、反応を探す。やはり風はかなり強く、ウネリもかなりあることが分かる。これはかなり苦戦しそうである。
高いウネリのためか、反応を探すのに長い時間を要し、7時20分、「どうぞ、水深147mです、底から15mくらい反応があります」という合図で開始となった。
今回のタックルはヤリイカには初使用の実験。ARセイバー203にシーボーグ300(PE4号)。錘120号に最初は市販のカラフルツノ仕掛け(幹5、ハリス3号)とした。中錘は8号のアオリイカ用の金色のものを使用する。
●いきなり大オマツリ
錘を投げて着底を待つ。だんだんと道糸が手前側に戻ってきて、底に着く頃はまっすぐになっている。着底時のアタリはなし。上15mまで誘ってみるがアタリなし。空巻きダッシュして落としなおす。と、なにやら竿先にアタリ、その後なにやら違和感。どうやら投入が遅れたミヨシとオマツリした様子。私の道糸に絡んだミヨシの常連さんの仕掛は修復不可能状態。対処が終了したが、まだオマツリしている様子。今度は隣の隣の女性とオマツリ。サバを掛けたまま放っておいたようで、私の道糸に彼女の道糸が激しく絡まっている。修復を試みたが、船長から諦めた方がよいという指示が出て、彼女の道糸は約10m切断ということになった。
●バラしまくり
のっけからのオマツリ騒ぎでややブルーになる。しかも上げた仕掛の2つ角にはスミとイカのゲソが付いているではないか。気を取り直して潮回り後、再投入。が、この後はウネリに苦戦。アタリがあってもバラしが多発。船中ポツリポツリとヤリイカが上がる程度の展開が続いた。私もたびたび角に墨がついていたが、なかなか船上までイカを上げられない。スミが付くのは濃色系でグリーン、ブルー。濃色にしか乗ってこないときはなかなか状況的には厳しいはず。う〜む。
●やっと
8時半頃、やっとアタリをモノにし、本日の1尾目が上がる。小さめのメスヤリイカのようだ。そういえば、今日はこれまで上がるのはメスばかり。オスも釣れて来ないと数は伸びないのだ。
相変わらず強く北風とウネリに苦戦。みな、バケツにはヤリイカやスルメが1〜2ハイという感じのようだ。風が止まないことには状況は好転しそうにない。厳しい時間が流れていく。
●風弱まる
9時半頃、幾分風が弱まってきただろうか。やや釣り易くなる。そのせいか、割りと大きなアタリでヤリイカのダブルを達成。それでもまだ3尾目。好調には程遠い。初めてイカ釣りに使う竿のせいか、なかなか感触が掴めない。アタリも小さいのだろうが、それにしてもバラしが多くて難儀である。
●良型
オマツリしたのを機に仕掛を自作の幹糸4号7本角仕掛に交換。角はミラクル角中心に濃食系を多めに配置したもの。そして10時半、180mとやや深めの場所へ移動。「間に合わなかったみたいです、上げて」の合図と同時にアタリが出る。「あれ、乗った?じゃあもう少しやってみて」と船長。ドラグを緩めて慎重巻き上げ、ゲットしたのはオスの大型ヤリ。隣りのおじさんにも同型が乗った。
風が弱まるにつれ、海もだんだん良くなってきたが、ノリは今ひとつ。「ちょっと移動します」とアナウンスがあり、10分ほど走って通称「中の瀬」に移動。が、ここもぱっとせず、船は次第にまた富み出しの方へ戻っていく。隣のおじさんは割りとアタリが多い様子。仕掛はカラフル針の市販品を使っている。どうやらこの角がいいようなので、私もカラフル針の市販品にチェンジする。
●チャンスはスルメに・・・
「水深180mです。130mから下でやってください。上の方は魚がいるかも」という合図。と、130m付近仕掛が止められる。そのまま軽く竿をあおると感触はイカの乗り。ならば、ということでそのまま少しずつ落としていく。10mほど落としていくが追い乗りはなく待ち上げ開始。良型のスルメをゲット。このとき隣りの隣りの女性はヤリイカ良型4点掛けを達成。しまった、底まで落ちればヤリイカだったか、と反省。更に「上で乗ったときは落とせるだけ落として。そうすれば多点掛けだから」と船長のアドバイス。小気味良いアタリに巻上げを焦ったことを反省。
●新製品は今ひとつ
新製品イカ角の試し釣りもやってみたが、サバを模したもの、イワシを模したものにはどうやらイカのアタックはなかったようだ。頭が赤でボディが白のミノーには一度だけスミが付着していたこともあったが、結局このイカミノーで一度もイカを上げることはなかった。どうやらこれらはひら角と同じような動きをするらしい。隣の隣の女性が一時期ひら角仕掛を使って船長から仕掛を替えるように始動を受けたりしていたので、今日の状況にはアンマッチだったのであろう。
●バラしは
この後はポツリポツリとイカは乗る。バラシも相変わらず多く、数は伸びない。2点、3点掛けを達成する人もいるのに、非常にまずい。原因を考えてみる。仕掛の実験もあったが、今日の尋常ではない数のバラシは、おそらくタックルに起因するものであろう。胴に張りがある竿なので、イカがアタリを伝えたときに、竿の弾力が強すぎてイカが角を放してしまうのだろう。
と、結論付けたときには船長から「あと1流しくらいで終わります」とアナウンスがあったときだった。ヤリ8のスルメ1のツ抜け一歩手前。何とかツ抜けはしたい。いや、そもそも今日はスソなんじゃないか、それは恥ずかしいぞ、と気合をいれて錘を投げる。
●最後もバラシ?
着底するとすぐに仕掛を動かす。と明確なヤリイカのアタリ。10mほどゆっくり巻き上げてその後電動巻き上げ。確かにイカはいる。よし、これでツ抜けだ、と安心したのがいけなかったか、残り70m付近で痛恨のバラシ。あぁ、終わってしまったと思ったが、船長はもう1流しやってくれた。
●オーラスで
これが本当のラスト。着底、アタリ。今度は力強いアタリ。10m追い乗りを待つ。確かな手ごたえ、重量感。断続的な引きはダブル以上を期待させる。今度こそバレるなよぉ、と念じながら慎重に、慎重に。仕掛が上がってくるが、姿は茶褐色。良型スルメのダブルであった。道理で重いわけである。でも、総数でツ抜けは達成出来たし、最低ラインはクリア出来たというところで14時に終了となった。
<釣果>
ヤリイカ 胴長22センチ〜42センチ 8ハイ
スルメイカ 胴長30センチ前後 3バイ
●やはり
道具を仕舞っているときに船長に釣果を聞かれた。「11パイ」と答えると船長は厳しい顔。「上甲さん、竿はそれしか持ってなかったっけ?」と聞かれる。「いや、これは初めて使ったやつで、他にもあるよ」と答えると「その竿はイカにはやめた方がいいよ。乗ってしまえばいいけど、その前までの段階を何も伝えてくれないから」やはり船長も私の竿の曲がりなどを見て同じことを考えていたらしい。
ほぼ凪になった海をすべるにように船は進み15時に帰港。夜に用事があったので、挨拶のそこそこに勝山港をあとにし、17時半に帰宅した。
今回の実験は結果から言うと「失敗」。でも、ヤリイカ竿に求められる性能というものが体感できたことは収穫だったと思う。次回リベンジじゃぁ(もちろんいつものヤリイカ竿と仕掛けで)。
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