またもオーラス、東京湾マダコ
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厳しい釣りでした
- 日時:2001年12月24日(祝)
- 場所:木更津〜大貫沖
- 参加メンバー:鯛介
- 時間:午前7時20分(出船)〜午後3時20分頃終了
- 潮時:長潮
釣行記
●正月用食材調達
今年も残すところあと1週間ほど。釣り納めはどうするかとか、そういうことを考える時期が今年もやってきた。
この時期、正月用の魚を釣りに行くということを考える釣り人は多いようで、特に鯛やタコを「お正月用に」と言う触れ込みがいくつかの船宿のHPでも見られている。特に今シーズンの冬の東京湾マダコは良型が数釣れるということで、かなりの人気なようだ。
ということで、この3連休の最終日、クリスマスイブの24日、浦安は吉久からお正月用のマダコを狙うことにした。もちろん狙いは3kg以上の巨ダコである。
●下降線
このマダコ釣りに目をつけ始めたのは12月10日過ぎ。確かにその頃は好調であったようだが、4週目からは段々と下降線。「タコは釣ればいなくなる」ということで、要するに場荒れするに従ってどんどん成績が悪くなっていくのである。それでも何とか2ハイくらいは釣れるのではないか、と期待し、今回マダコを選択したのである。ということで目標は低く3バイである。
●イブはタコ釣り?
1999年のクリスマスイブ、当時独身だった嫁さん(山崎恵美)はクリスマスツリーのイルミネーションを眺めるよりも東京湾の船上でマダコを釣ることを選択していたという記録がつりコムの過去レポートに掲載されている。そんな嫁さんなので、イブに私が釣りに出ることを否定するようなことはしない、非常によく出来た嫁さんなのである。と、嫁さんを持ち上げておくと来年も釣りで出かけやすい、はずであるが・・・。
当日は朝4時半に船宿に到着。マダコ船では一番乗りで、左舷ミヨシに釣り座を確保。前半北風で上げ潮、後半は西風で下げ潮であること、それに乗船人数が少ない場合は左舷で片舷流しになるからという理由での釣り座選択である。そして待合所で乗船料とテンヤを2つ購入し〆て9700円。テンヤは50号を使用する。
●盛況
6時半に船着場に向かう。マダコ釣りの人数はどんどん増えていき、2ハイ出しになるほどの盛況。バケツにカニが解凍されていたので、この中からなるべく甲羅が白そうなものを3つ選んで確保しておく。カニは石ガニのようだ。借りた渋糸は先糸に赤の布切れが飾りで付けられていた。
●木更津沖へ
結局私の船が16名乗船、もう1艘が10名乗船で、遅れて来た釣り人を待って定刻を20分ほど過ぎてからの出船となった。「まずは木更津沖で大型を狙います。1時間弱走ります」ということなので、キャビンに入って転寝をしつつ釣り場到着を待つ。天気は快晴なのだが、放射冷却で非常に寒く、とても走行中は船外に長い時間はいられないのだ。
8時15分頃釣り場到着。出船前にテンヤにカニはくくりつけておいたので、準備万端。スパンカーを立ててしばらく海底の状態を探ったのちに「どうぞ、水深は16mです」というアナウンスで開始となった。
テンヤを投入し、糸巻きから糸を出す。確かに浅い。底は時折石の感触が伝わってくれるが、さほど根掛かりを心配しなくて良さそうな感じだ。ということで、底からテンヤが浮かないようにコツコツと小突く。ひたすら小突く。●不調
1流し目は不発。2流し目、開始から30分を経過したころに右舷胴の間で1パイ上がった様子。タモは使わず抜き上げたところを見ると良型ではなさそうだ。
しかし、これ以降、何度か潮回りを繰り返すも、船中アタリなく、9時半頃に船長は数狙いで大貫沖への移動をアナウンス。この大型のポイントへは、また下げ潮が効いたころに戻ってくる予定だそうだ。
●裏目
30分ほど走った大貫観音が見える沖合いに到着。水深は同じく15m前後と浅い。「ここは根掛かりするから、テンヤを引きずらないように」という注意が船長から飛ぶ。すると、右舷胴の間を中心にポツリポツリとマダコが上がり始めた。風は北というよりは西寄りに吹いているせいか、船は右舷トモ方向に流されている。これは私にとっては最も不利な状況である。しまった・・・。
そんな中、右舷ミヨシの常連さんに本日最大級の2.7kgが上がる。船長によれば、この場所は大中小いろんな型が混じるそうである。そのとおり、左舷トモや胴の間、そして左舷ミヨシ3番の人にもそこそこの型のマダコが上がる。
●好転せず
そして、昼頃には潮が止まり、アタリが遠くなったが、風がやや北向きに変わると同時くらいに潮もまた動き出し、今度は左舷トモ寄りが好調になってきた。「今日はボウズだな、もう覚悟したぞ」と隣のおじいさん。が、その隣のミヨシ3番の人がまたもマダコを上げる。どうもそこまでしかマダコが回ってこないようだ。
この場所は船長の言うとおり、確かに根が荒く、気を抜くとすぐに根掛かりしてしまう。根掛かり切断用に木の棒が船に常備されており、どうしてもはずれない場合はこれを竿穴に立てて渋糸くくりつけて先糸を切断する。私も事前購入したテンヤ2つを失い、船長から更に2つ追加購入。ちょうど潮回りのタイミングであれば、船長が船を回してテンヤを根掛かりからはずすことができるが、いつもそういうわけにはいかない。
●焦燥
朝方は寒かったが、だんだんと気温があがり、左舷でもミヨシの方は日を遮るものがなくポカポカと暖かい。無心に小突く、あるいは、釣れている人の小突きのリズムを真似してみる、などしてみるがダメ。焦りが次第に諦めに変わっていきそうになるが、船長はコマめに船を回しなおすので、そのタイミングで気合が入りなおし、集中力が切れずに済んだ。
私は更に1つテンヤを失い4つ目を使用。先糸の途中から根ズレで切れてしまったようで、赤の布切れもなくなり、先糸は15センチほどしかなくなってしまったが、船長に修復を頼むのも面倒なので、そのままで釣りを続けることにした。
ちょっとアタリが遠くなっていたのだが、14時頃、またトモの方を中心にタコが上がり始めた。「根を避けて平場を流していたんだけど、いくつか上がったので、もう一回流してみます」と船長。期待を込めて潮回り後、素早くテンヤを投入する。潮下になっている以上、私にとって、最も確率が高いのが、潮回り直後の投入なのである。
●やっと・・・
と、指先に根とは異なる感触。10秒ほど小突き続け、グイッと手繰ると確かな重量感。「お、乗ったね」と船長。そのまま同じペースで手繰り、無事タモに収まったのは1kg弱ながらも紛れも無いマダコ。やっと本命を拝めてホッと一安心。
この時点で左舷のボウズは私の隣のおじいさんと、ミヨシ4番の人だけ。そしてしばらくしてそのおじいさんにも0.5kg級ながらもタコが乗った。「いや、よかった。ボウズ免れたよ」と非常に嬉しそうである。
この後もトモ寄りの何故か胴の間の方によくアタり、またよくバレるという状態が続いたが、2時半過ぎにはまた船中アタリが遠くなってしまった。
●残業
気が付けば15時前。そろそろ終了の時間である。もうかなりの人が仕掛けをたたんでキャビンに引っ込んでしまっている。逆に言えば、このあと少し残された時間がチャンスである。
「これで最後に3kg級とか上がったら出来過ぎだよなぁ」と心の中でつぶやく。思えば、前回の常磐ヒラメとか夏の新島のオナガダイとか、嫁さんが戸田で釣った5kgオーバーのマダイとか、結構最後にドラマがあるもの。だから、釣りは最後まで諦めてはいけないのだ。
15時を回っても船長からの終了の合図はない。ふと気が付くと、船首が南を向いて、ミヨシが潮先になっていることに気が着く。風が変わったのかなと思ったが、風を受けるのは船尾側から。少なくとも左ミヨシ4番と右ミヨシ2番の人はまだボウズであり、きっと船長が気を回して、船を逆に向けて流してくれているのであろう。
●オーラス
テンヤは船のトモの方にだんだんと引っ張られていく。と、久しぶりの根掛かり。ゆすっても緩めてもはずれないので、糸巻きを持って引っ張ってみる。すると何とか外れた様子。ところが、糸を手繰ると何か重量感が。「お、乗ったか?」と船長がタモを持ってやってくる。「いや、きっと石とかそういう奴ですよ。根掛かりしてたし」と言うと「いやいや、根掛かりからはずればテンヤにタコが乗っていることはよくあるよ」ということで、一応慎重に手繰る。すると「ほら、やっぱりタコだ」と船長。0.5kg級ながら本日2ハイ目を最後の最後にゲット。既に終了していた人達から「最後の最後に来たみたいだよ」という声が聞こえる。終了間際はほとんど釣れていなかったので、みんな粘っても釣れないと思っていたのだろう。先週にひき続き終了間際の貴重な獲物ゲットであった。
この後、もう1流ししたが、私は根掛かりしただけで船中マダコは上がらず、15時20分に終了となった。
<釣果>
マダコ 2ハイ(0.5kg、1kg)
●船長に感謝
帰宅してからHPで釣果を見るとトップ4ハイとなっていた。私の見た限りでは左舷では全部で13バイ。右舷も同程度と思われるので、船中釣果は25〜6ハイであったと推測される。この渋い時期にこれだけ釣らせる船長の腕はたいしたものであるし、最後の時間のボウズの人への配慮などは素晴らしいと思う。
残念ながら「巨ダコ」を手にすることは出来なかったが、何とかお土産確保は出来たし、今回の釣りモノ選択も間違ってはなかったことを感じる。そして、いつもそうだが、終盤に獲物を手にすることは非常に気分が良く、充実感がいっぱいだった。
さて、次はおそらく2001年の釣り納めの釣行。釣りモノ選択に気を巡らす悩ましく、また楽しくもある1週間が始まるである。
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