初挑戦、平潟沖マダラ
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上出来でした
- 日時:2001年9月8日(土)
- 場所:平潟沖
- 参加メンバー:鯛介
- 時間:午前6時00分〜午後1時00分頃(実釣)
- 潮時:中潮
釣行記
●未開の釣り
まだ未体験の釣りというものがいくつかある。大道具を使った大物釣り、それに深海釣りなどがそれである。ともに道具の購入にはそれなりのお金がかかるし、非常にマニアックな釣りということで、二の足を踏んでいた。
そんな折、最近は非常に御世話になっている球磨吾朗さんに、平潟沖のマダラ釣りに行かないか、というお誘いを受ける。道具も全て貸してくれるということで、良い機会なのでお願いすることにした。
ちょうどよく釣りマガジンの10月号に球磨吾朗さんのマダラ釣りの紹介記事が掲載されていたのでこれを熟読し、仕掛けの作成や餌の仕込をする。ちょうど生のサンマが1尾100円でスーパーに売っていたのでこれを20尾買ってきて3枚におろし、短冊にして塩をしてチルドで冷凍しておいた。伊豆旅行出発の午前中にここまでを終わらせておく。仕掛けは下田滞在中に作る予定で仕掛けの材料は持参し、なんとか2組作り、残りは綾瀬の釣り吉で市販のマダラ仕掛けを4組購入しておいた。
●今回は貸し道具
ちょうど台風16号が接近しつつあり、出船が危ぶまれたが、当日の19時に球磨吾朗さんより「出船可能」のメールが入った。今回は球磨吾朗さんの車に便乗させてもらいのでコンパクトに荷物をまとめる。といっても、竿もリールも借りるので50Lのクーラーと仕掛けを入れた小さめのバッカン、それにカッパを持参するだけである。
23時頃に球磨吾朗さんの車で東京を出発。矢沢さんとともに一路常磐道は北茨城ICを目指す。道はガラガラで1時過ぎにはICへ到着。お仲間はまだ未到着のようでICを降りたところで仮眠をするとのこと。そのまま3時頃まで仮眠。近くのコンビニに移動し、お仲間と合流。しばし歓談のあと、港へ向かった。今回お世話になるのは平潟港・第三隆栄丸。マダラ釣りは得意な船宿らしい。
●大型船
4時前に港に到着。荷物を降ろしたり、竿に糸を通したりしているうちに船が回されてきた。4時半出船予定だが、揃っているなら早めに出るとのこと。船は全長25m、全幅も5mあるであろうか。非常に大きな船である。
私は左舷の胴の間に席を頂いた。トモ寄りの隣に矢沢さん。ミヨシ寄りの隣にとび島会の安田さんである。安田さんもタラ釣りは初めてらしい。また、球磨吾朗さんは今回は竿を出さず取材に専念。矢沢さんのインストラクターにも徹するようだ。
キャビンは板張りという珍しい作り。枕と毛布が用意されているので、そのまま横になって仮眠。船は凪の海を沖を目指して出港した。
連荘釣りの疲れからか、すぐに眠りに落ち、目がさめると既に夜が明けており、外の凪の様子が窓から確認出来る。時間は6時。そろそろ到着かな、と思っているエンジン音が落ちた。球磨吾朗さんらと共に飛び起きてカッパを着て外へ。と、何と皆もう仕掛けを準備し餌も付けて臨戦態勢。「釣り場に着くまで寝てちゃダメだよ」と球磨吾朗さんのお仲間。私も慌ててリールをセットしていると仲乗りさんがやってきて「仕掛けは?錘は?」というのでバッカンから出して手渡すと手際よくセットしてくれ、餌まで付けてくれた。そして電動の電源コードを装着し終わったところで「いいよ、トモからやって」と船長から開始の合図が出た。トモから順番に錘を投げて仕掛けを投入。私の順番の時は、仲乗りさんがこれをやってくれた。ぎりぎりセーフである。
シュッシュッシュッと仕掛けが海に吸い込まれていく。そして道糸は大きくトモの方に流れ、やがて船は後進。そして道糸が立っていき、水深200mで着底。糸ふけをとって底立ちを取り直す。もちろん道具はキーパーに掛けたままである。
今回お借りした竿はDeepCruzer300にRyobiの深場用中型電動リールにPE800m巻いてあるもの。幹糸20号、ハリス12号50センチ。ムツ針20号。枝間は1.5m。捨て糸10号1mで錘は350号。幹は三叉のスイベルで連結する。そして仕掛けの一番上には球磨吾朗さんからお借りしてヨリ取りリングを着ける。
●アタリ到来
錘が底をトーントーンと叩くようなタナ取りを心がける。しばらくすると、右舷の方で声が聞こえてくる。アタリが出始めたようだ。「トモの方もあたっているよ」と球磨吾朗さん。そして左舷側もトモでアタリが出た。いいなぁ、と思っていると私の竿先もゴンゴンというアタリが出始めた。「竿が絞り込まれないくらいに糸を出して」と仲乗りさんのアドバイスがあり、1mほど糸を出す。巻き上げは各自自由なのだが、皆そのまま追い食いを待っている。船がウネリで持ち上がったときに魚の感触は伝わってくるのでバレてはいないようだ。
そしてトモの人が巻き上げ開始。「もう上げちゃいなよ」と球磨吾朗さんのアドバイスがあったので私も巻き上げ開始。ドラグをやや緩めにし、低速で巻き上げる。1秒1m程度であろうか。途中、強く竿先を絞り込むこの感触は「マダラ」らしい。ワクワクするひと時である。
ほどなく仕掛けが上がってきた。トモの方では4点掛けもあったらしい。そして私も仕掛けを回収。上から2番目にマダラの姿が。慎重に抜き上げる。約3kgの本命である。いや、釣れた。いやぁ、嬉しいもんだ。
針をはずして2流し目に備える。この船にはマグネット版が船縁に埋め込まれているし、隣との間隔も広いでの非常に仕掛けが扱い易い。持参のサンマをクーラーから出すと「イカと両方付けた方がいいよ」と仲乗りさんのアドバイス。イカだけの針とサンマと抱き合わせを交互に付けてみる。
●連続ヒット
そして2流し目。今回はちゃんと自分で仕掛けを投入。無事終わって着底を待つ。そして、マメに底ダチをとっているとガクガクというアタリ。先ほど教わった通り、少し糸を出して待つ。しばらくするともう一度大きなアタリ。そしてしばらく待って巻き上げ開始。10m程巻くとギュギューンと竿先が曲がる。慌ててドラグを少し緩める。巻き上がっている途中にもかなり大きな引き込みがあり、「おぉ、今度は大きいんじゃないか」と球磨吾朗さん。この仕掛けが上がって来るまでのワクワク感がたまらない。
そして仕掛けを回収。海中にボワーと白い影が見える。それも複数。今度は3kg級マダラの一荷である。初挑戦にしては上出来である。矢沢さんを初めてとして、ほとんどみんなこの流しで型を見たようだ。好調である。この2尾はサンマ餌の針に喰ってきた。
次の流し。これも投入には成功。同じくこまめに底ダチをとる。というか、それしかやることがないのだ。この流しでもアタリが出る。しかし、後続のアタリはなく「上げて」の船長の合図で巻き上げ開始。トモ寄りではマダラが上がる。私の竿はほとんど引きがない。魚ははずれてしまったのであろうか。仕掛けを回収する。と、タラとは違う影。定番外道のドンコが上がった。
●トラブるも
次の流し、ここでトラブル発生。幹糸が海水循環パイプにひっかかってしまう。しかしこれも仲乗りさんがやってきてはずしてくれて、他の人に迷惑を掛けることなく投入完了。面倒見の良さはありがたい。この流しは空振り。周りでもあまりアタリは出なかったようだ。
●今回はお勉強
更に次の流し。これもアタリはまばら。「終わっちゃったかなぁ」と球磨吾朗さん。やはり朝が勝負らしい。ふと気が付くとベテランの人などは道糸を手でもって上下させている。アタリをとっているのかな、このときは思ったのだが実はこれは誘いをいれているのだそうな。次回釣行時にはこの技も使わせてもらおう。次の流しも私の竿にはアタリはなし。周りでもドンコが上がっている程度である。
8時過ぎ、船長はやや大きく船を移動する。そういえば今日は家の冷凍庫からシコイワシの冷凍を持ってきていた。試しに針に付けてみる。針の大きさに比べて1尾が小さいので2尾を目の通し刺しのメザシ状態にしておく。そして他の針にはサンマとイカ。イワシが取れないようにそっと錘を投入する。
●イワシで良型
「ここは根が粗いから気ぃつけてよぉ」と船長の注意が飛ぶ。やや高めのタナを取っていると今度は派手なアタリが出た。しばし追い食いを待ってから巻き上げ開始。これもかなり強い引きを竿先に見せる。大きく竿先を絞り込ませると思わずドラグレバーに手が行ってしまう。このワクワク感は本当にたまらない。そして仕掛け回収。浮かんだのは、今度はでかい。サルカンを持ってそーっと抜き上げる。4kg級の両型だ。同時に右舷では8kg級も上がったとのこと。大型の巣窟だったのであろうか。
ただ、他の人へのアタリは悪く、船長は冷凍のマイワシを出してきて解凍をはじめ、まず溶けたイワシを私の針に装着してくれた。
そしてイワシを付けた9時過ぎの流し、気合いを入れて底ダチを取り直していると、またも大きめのアタリ。どきどきしながら巻き上げると今度は先ほどよりも更に良型、4.5kgをゲット。イワシ餌に喰ってきた。船長の作戦は大成功である。これをみたのか、仲乗りさんがこのイワシを皆に配り、サンマ、イカ、イワシを各自思い思いの割合で針につけて釣りを続行した。
●朝が勝負だった?
しかしこの後はアタリが出るもイワシをボロボロにされるだけで針掛かりしない。たまにドンコが上がる程度。右舷ではメヌケも上がったようだが。左舷では皆無。厳しい時間が続く。
●潮流れず
11時過ぎ、大ミヨシで釣っていた仲乗りさんのイカ餌に久しぶりの本命。同時に私にもアタリが訪れるもこれはドンコ。船長もいくつかのポイントを走り回って何とか釣らせようとするが、潮の流れ悪く、道糸はほとんど垂直に立ったままの状態では厳しいか。
終了の13時まであと10分、ここで矢沢さんの竿にタラらしきアタリ。上 げてみるとやはりタラ。オマツリしつつ、かつ取り込み時にハリスが切れるも何とかギャフですくいあげてゲット。3尾目だそうだ。
結局後半は、あまりぱっとしないまま13時を迎えて終了となった。
<釣果>
マダラ 3〜4.5kg 5尾
ドンコ 3尾
(船中0〜8尾、最大8kg)
帰りもキャビンに横になって90分熟睡。帰港後は氷を追加し、熱いおしぼりとドリンク剤を女将さんが出してくれるのが嬉しい。思いクーラーをよっこいしょと車に積み込み本日のマダラ釣りは終了となった。
深海釣りの魅力を教えてくれた球磨吾朗さんに感謝。きっと近々深場用の竿とリールが我が家の釣り道具ラインナップに並んでいることであろう。
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