初挑戦はまずまず、イナンバ遠征
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南海の孤島イナンバ
- 日時:2001年7月29日(日)
- 場所:イナンバ海域
- 参加メンバー:鯛介、新村氏、林氏、高島氏
- 時間:午前6時00分〜午後12時10分頃(実釣)
- 潮時:小潮
釣行記
南海の孤島、イナンバ。今シーズンは7月中旬から大型カンパチ、ヒラマサの回遊が伝えられ、コマセ釣りでは20kg弱のキハダも釣れ盛っていた。今だ見たことのないこのイナンバに行く機会に恵まれた。
●イナンバで大物?
本来は銭洲でライト泳がせということで29日に泳がせデビューのために道具を買い込んだ林さん、新ちゃん、それにしらふさんと共に突っ込む予定でだいぶ前から土肥・とび島丸に予約を入れていたのだが、この「イナンバ大物好調」のために釣り場変更となったのだ。
大道具を持たない私と林さんはこの20kgとか30kgという青物に太刀打ち出来ないのでコマセでキハダ、メダイ狙い中心となるので、対応した仕掛け作りに着手し始めたところに、「台風6号が週末に関東に接近する」という予報が飛び込んできた。
●台風は遠ざかった
台風のため、半ばというかほとんど諦めかけた今回の釣行であるが、金曜日になって、張り出してきたオホーツク海高気圧のために台風が大きく東に進路を転換し、遠ざかって行った。それでも微妙であったが、土曜日には東京湾、相模湾の船も出船、沖もウネリが納まる様子で、29日はイナンバ出船OKとなった。
当日は1時集合。渋滞を考慮して、林さんを9時前にピックアップし土肥へ。途中、新ちゃんとしらふさんとも合流し、だるま屋でヒイカや身餌を購入し、土肥には12時頃に到着。氷をクーラーに詰め、船着場に荷物を降ろしたりしているうちに1時になり船長と仲乗りのミツルさんが到着。いつものように荷物の積み込みを始める。我々は左舷トモから4名。トモから新ちゃん、しらふさん、林さん、私という席順。船は満船で片弦7名である。
●凪
新ちゃんを除く我々3名はVIPベッドを予約済み。しらふさんと林さんは船長のレクチャーを受けて出船準備開始。そして1時半の定刻に出船となった。イナンバまでの航程は約4時間半である。
ほとんど凪の海を船は走っているようで、出船準備でかいた汗が引くとすぐに眠りに落ちた。そして5時57分に船室の灯りがつき「熊野灘」が流れる。起き出して外に出ると、晴れた空に凪の海。絶好の釣り日和だ。
●水温低下?
ヒップガードをつけて釣り座へ行き、竿や仕掛けのセッティング開始。気が付くと目の前にはイナンバ。その姿にしばし感動。が、もたもたしている暇はなく、コマセ釣りの準備を続行。船長指示はハリス10号3ヒロまたはムロアジ狙いのサビキ。キメジ狙いは20号3ヒロ。「水温下がっているから、キハダはどうかなぁ」という船長のアナウンスが気がかりだが・・・。
イナンバ周りでゆっくり反応を探りつつ、全員の準備が出来るのを待つ。そして6時10分に開始となった。今回はパシフィックスプリントにシマノ4000XT。サニービシビッグ100号、天秤の上クッション3.5mm1mにハリスはまずは12号3ヒロにヒラマサ針16号とした。
●ムロ釣れず
しかし、まずは身餌となるムロアジを釣るべくテジにムロアジサビキを付けて降ろしてみる。ムロアジの指示ダナは30mと深い。ムロなんか簡単に釣れる、かと思ったがこれがアタリが遠い。しばらく粘ったが「コマセの仕掛け入れたほうがいいよ」という新さんのアドバイスに従い、買い込んだヒイカ(ムギイカだったが)でやってみることにした。タナは40mである。
「何も食わねぇな、あげて」で移動。何度か移動を繰り返しタナも50mだったり25mだったり。このあたりからサビキの仕掛けにムロアジやローソクチビキが掛かりだし、餌を確保した人は大道具を下ろし始めた。が、目立ったアタリがないまま約1時間が経過。渋いのは水温低下のせいであろうか。
●キメジ
7時半過ぎ「ヒット!」という船長のアナウンス。右舷でキメジが上がったらしい。「キメジが食ったよ、ということはキハダもまわっているのかな」と船長。右舷では更にヒット。そしてもう一丁ヒット。左舷は沈黙。餌を持参のサバの身餌に変えてみるもダメ。
●喰った!
「上甲ちゃん、オキアミにしてみぃ」という新ちゃんのアドバイス。うかつなことに付け餌はまだクーラーの中で凍っている。なのでコマセの中から形のよいものを拾って装餌。タナ下ハリス分落としてコマセを振りつつタナへ。と、グッ、ギューンというアタリ。すかさず竿を立ててアワセ、そしてファイト体制へ。「食ったよ〜!」と叫び中乗りさんを呼ぶ。
●しかし・・・
強烈な引きに締めこんだドラグ。何とか巻き上げてビシを取ったところで中乗りがやってきたのでハリスを手繰る。キメジだ!と、左舷前の大道具に何か食ったようだ。「上甲さん、大至急取り込んで、大至急!」という指示が出る。思い切ってハリスを手繰り、キメジを空気を吸わせて弱らせる。が、横をみるとなんとタモが私の予備竿の穂先に絡んでタモ入れが出来ない。そうこうしているうちにキメジが水面を走り出す。大道具に絡んではいかんと思い、思いきって魚と綱引き。そして「プツッ」という感触。ハリス切れである。タモはまだ絡んだまま。「ミツル!素人みてぇなことしてんじゃねぇ」と船長のキツい一発。まぁ仕方がない。大道具にはなんと巨大なスミヤキがあがった。がっかり。
その後、ハリス20号以上の指示が出たので私もハリスはナイロン20号にゴリラ2/03ヒロという仕掛けにチェンジ。引き続きキハダを狙う。
●林さんにキメジ
7時40分、林さんの竿をが大きく曲がった。タナが浅いので引きが強烈だ。ほどなくビシが上がり強引にハリスを手繰る。無事3kg級のキメジがタモに収まった。
いいなぁ、と私もコマセをふる竿に力が入る。ほどなくコマセ釣りをしていたしらふさんにメダイが上がった。おぉ、こんな浅いところにもいるんだなぁ。
餌はしばらくオキアミでがんばったが、針が大きいせいもあり、餌持ちが悪いのが難点。強くシャクると餌がすぐに落ちそうなので、シャクリはソフトにかつ大きく行う。それでも餌がなくなるのは、ムロアジやローソクと行った奴らが餌をつついているからのようだ。
●シケ後の荒食いは?
僚船は伊豆・忠兵衛丸、神津・寿美礼丸他。舳先ではルアーをやっているのも見える。風もなく海上はベタ凪。潮はやや濁り気味というところか。「シケ後の荒食いには遭ったことがないんだよね」と道中林さんが言っていたが、しばらくはムロアジやローソクだけが上がる展開が続いた。ムロも黄色いラインの入った「アカゼムロ」が上がる。これを中乗りさんがさばいて刺身にして釣り人にふるまってくれたが、。新鮮なこのムロの刺身は絶品であった。
9時過ぎ、待望のアタリが私の竿にやってきた。ギュギューンと下に突っ込む感じはキメジのそれとは異なる。ドラグを締めて強引に上げてタモに。これは後検量3.6kgのメダイであった。10分後には林さんにも同級のメダイがあがった。
●特餌は?
僚船では時折キメジが取り込まれているのが見える。「他の船は獲ってるけどなぁ、うちには来ない。多分、イカの1パイ掛けだと思うんだけどなぁ」と船長。ならば、と持参のヒイカを掛けて見る。すると10時20分、水分を取るために置き竿にした竿が突っ込んだ。狙い的中か?と思ったがこれもメダイ。先ほどと同級の2尾目だ。
●大物バラシ?
しばらくすると、左舷2番の大道具が魚の感触を伝えている。おそるおそる巻き上げるその釣り人。根掛かりでなく魚であることを確信すると「やったぜ!」と叫びながらリーリングを開始。しかしそれで油断したのか、竿先が戻ってしまった。「惜しい、きっとそれヒラマサだったよ」と船長。船中最初の大物からのアタリであった。
10時30分、ヒイカに立て続けのアタリ。直後林さんもやりとり開始。ん、オマツリか?と思ったが上げてみて驚き、このメダイは林さんと私の2つの針喰っていた。取り込み時に私の針ははずれてしまったが、確かに口にかかっていたようだ。メダイばっかりそんなにあっても仕方ないのでこのメダイは林さんの獲物ということにした。
メダイは十分、キハダだ!ということで餌をオキアミ房掛けにイカタンの組合せにし、コマめに仕掛けを入れ替えてアタリを待つ。メダイもキメジもコマセをふった直後にアタる様子だからだ。
●やっとキメジ
その甲斐あってか、11時過ぎ、ギューンと突っ込んだ後、強烈に食い上げる。大急ぎでリールを巻く。残り10mまで食い上げた後、マズいことに右舷に魚は走ったようだ。「上甲さん、右舷3つとマツってるよ、大丈夫か?」と船長。確かにすごい重量感だ。やっとこさでビシを水面まで上げるが、そこから先が上がらない。中乗りさんに道糸を手繰ってもらい、何とかビシをとりハリスを手繰る。メジだ!やっと3kg強のキメジをゲット。今日はもうキメジは釣れないのではないかと思っていたので嬉しさもひとしおだ。
11時30分頃には林さんがメダイを追加。釣果の上では同数だ。しらふさんは睡眠不足がたたってグロッキー状態だが、何とか大道具を入れている。新ちゃんはずっと真剣に大道具を操っているが・・・。
●最後は・・・
あと残り時間わずかであることが船長から告げられる。出来れば10kgオーバーのキハダを獲りたいところだ。なのでオキアミ餌で攻めつづける。何故か今日は身餌はダメなようなのだ。
そして、「最後の流し」と宣言された11時53分。ギューンと竿先が突っ込んだ。先ほどよりは強烈な引きが竿先に伝わり、最後なので少し楽しんでやりとりしようとしたが、横で「食った!」という叫び声。しらふさんの大道具が大きく曲がっている。
これではまずいのでやはり強引にリーリングし、ややサイズアップした4.2kgのメダイをゲット。魚をタモからはずしてからカメラをもってトモへ走る。と同時にしらふさんの魚が浮いた。でかい!。中乗りのギャフで無事に取り込まれたのは後検量22.6kgのカンパチであった。大道具初挑戦でこの快挙。おめでとうございます。
これを見て船長はもう1流しの延長をアナウンス。新さんもかなり真剣な表情でムロをつけて海底に送り込んだが、結局誰の竿も曲がることなく12時過ぎに終了となった。
<釣果>
メダイ 3尾(3.6、3.6、4.2kg)
キメジ 1尾(3.2kg)
他、ムロアジ、ローソク。
●素晴らしい
少し早めに終了した私はさっさと道具を片付けてシャワーを浴びる。そして1本だけ用意したビールを寝酒に飲む。旨い。久しぶりの遠征釣りの満足感である。そしてカンパチを釣ったしらふさんは余韻に浸っている。「ビギナーズラックですよ」としらふさん。「いや、自慢してくださいね」と新ちゃん。実は私もここまで大きなカンパチを目の前にしたのは初めてなのだ。
しばし歓談した後ベッドに潜り込む。帰りは更にベタ凪で冷房の効いたキャビンですぐに眠りに落ち、4時間後に土肥に帰港。検量を終えて解散となった。
やはり遠征釣りって充実感があるな、ということを思い出させてくれた今回のイナンバ釣行。次は小ムロでライト泳がせを銭洲で、と林さんと約束しつつ帰途についた。
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