泳がせは苦戦、神津島遠征

土産は十分でしたが・・・


  1. 日時:2001年6月23日(土)
  2. 場所:神津島沖
  3. 参加メンバー:鯛介、恵美
  4. 時間:午前6時00分〜午後1時00分頃
  5. 潮時:中潮


釣行記

今回も球磨吾朗さんの仕立船にお誘い頂いての釣行である。おそらく何かの時に「カンパチ釣りたい」と言ったのがことの始まりではないかと思う。すかさず球磨吾朗が神津島は重朗平丸を仕立てて下さった。ありがとうございます。

●前日は好調
梅雨前線や低気圧の活動がどうなるか心配であったが、運良く予報は好転し、雨は降るかもしれないが、海は凪の様子。しかもこの前日はカンパチのアタリ活発で大型によるはリス切れも多発したそうで、かなり期待が高まっての行きの道中となった。

今回同行のアジサバ@海さんこと矢沢さんをピックアップし22時過ぎには東京を出発。割と途中の道は順調で1時半過ぎに下田の漁協前のフェリー乗り場横に到着。既に港の駐車場は満車状態だったが、なんとか1台分の空きをみつけすかさずキープ。それでも続々と車はやってきては駐車スペースを探して右往左往している。

2時半の集合ちょっと前に球磨吾朗さん一行が到着。ほどなく船が到着したので荷物を積み込む。我々夫婦の釣り座は左舷トモから2つということなので、私がトモに入りトモのスペースに荷物を置き竿を束ねておいてキャビンに潜り込むちゃんとしたベッドこそないが、冷房の効いたキャビンにマットレスと毛布と枕が準備されていて、まずまず快適に睡眠が取れる。下田を出たのが3時過ぎであった。

●アカイカ仕入れ
4時45分、船がスローダウンしたので到着したかと思い外に出てみる。するとちょうど入港するところであった。しかし神津島にしては様子が変である。島影も最近見た感じ。そのまま船を付けて船長がアカイカを他の漁師さんの船から生け簀に移す。総勢10名分で50パイ買い付けたらしい。1パイ1000円。我々は夫婦で20パイを注文しておいた。イカのサイズは中小型でなかなかいい感じである。



そして再び港を離れる。この頃にみな起き出してきて釣り座に着いて準備を開始。船はそのまま沖合の正面の島へ。やはり先ほどの島は新島であったようだ。そのまま神津の港に入港し、何か荷物を受け取ったあと、そのままきびすを返して沖へと向かった。ポイントは恩馳沖。ここはコマセ釣りは禁止のルアー・泳がせの好ポイントである。

●50号?
ベタナギで薄曇りの海はまるで東京湾か相模湾のような鏡の海。心配されるのは「凪倒れ」である。「昨日、ブツブツ切られたからハリスは50号以下は使わないように」と船長の指示。う、ハリスは40号までしか作ってきてないぞ。慌てて50号ハリスを2組船上で作成。終わった頃の5時40分に釣り開始となった。

まずはカンパチ泳がせ。パシフィックスプリント20-60LBにシマノ4000XT。先糸60号。錘150号、ハリスはまずは40号で2m。針はゴリラ3/0を使用した。イカ餌なので孫針仕掛けである。水深は60m前後。底から探っていく。



●悪条件
ベタナギでありがちなのは「潮が流れない」ことであるが、この日も例外ではなく、道糸はまっすぐ落ちる。「全然潮が動かねぇなぁ」「水温も下がっているぞ」とネガティブ要素を船長がアナウンスする。条件はやはり悪いようで船中沈黙がしばらく続く。

●アタッた!
何回か流し換えた後の6時20分、竿先に根に掛かるのとは異なる感触。ゴンゴンという魚信が伝わる。しかしそのアタリは弱々しく、青物でないということは容易に分かった。しかしアタリは続く。30秒たったであろうか。まだまだ続く。そしてググンと竿先が持って行かれたところで思い切って竿を立てた。グググンという感触が伝わる。が、リールを巻き竿を水平に戻したときには道糸のテンションは消えていた。上げてみるとイカが無惨な姿にかじられていた。きっとサメだろう、とこのときは思ったが、あのアタリの感触は外房で味わったのと似ている。そう、ヒラメではなかったであろうか。つい数分前に僚船でヒラメが上がったのが見えたし、きっとヒラメに違いない。きっときっと・・・。



7時頃、左舷ミヨシの竿が突っ込んだ。「おぅ、食ったかぁ、巻かなきゃだめだよ」と船長がマイク越しに怒鳴るが敢えなく竿先は戻ってしまった。なんと道糸切れである。「あ〜何だよ、きっとモロコだったよ、それ」と船長残念そうだが、一番悔しかったのは釣り人であったろう。

●勝負はこれから
そして沈黙。球磨吾朗さんの話によれば昨日も食い始めたのは9時頃で、場所も向こうに見える職漁船のいる場所。あの職漁船はセリの関係でもうすぐ退くからそれから勝負、とのこと。

その言葉のとおり、7時20分に船はやや大きく移動。「ここは本命場所だからね」と船長。イカを取り替えて気合いを入れて仕掛けを下ろす。

しかしここも同様に潮はほとんど流れていない。こりゃ万事休すか、と思った矢先、なんと隣の嫁さんの竿が突っ込んだ。いきなりのアタリだったのか、そのまま竿を維持して耐えているので「合わせろ!」と叫ぶとそれに反応して竿を振り上げた。ゴンゴンゴンと首を振る気配。針掛かりした。「食ったよ〜」と船長がマイクで叫ぶと球磨吾朗さんが左舷に回って同じように叫ぶ。なんとかヤリトリ出来そうな感じだし、ということで私も球磨吾朗さんもカメラをとってさぁ、ファイト中の写真を1枚、と思ったところで「プツッ」と音がしそうな感じで竿先が戻ってしまった。「あぁ〜行っちゃった」と悲痛の叫びを挙げる嫁さん。なんと孫針に針掛かりし、一番仕掛けで弱い孫針のハリス部分が切れてしまっていた。これに掛かってしまっては運が悪いとしか言いようがない。残念。

そして8時50分、左舷胴の間で小振りながらカンパチが上がり、やっと時合か、と思ったが後は続かなかった。この流れない潮は如何ともともしがたいようだ。



9時過ぎ「やっと少し潮が動いてきたかな。昨日もこの時間から食ったけど」と船長。しかしイカは足を餌盗りにかじられるだけで本命からのアタリはない。

9時50分に球磨吾朗さんの大道具が大きな弧を描いたが、これは残念ながらサメ。結局10時半に泳がせカンパチ、モロコは諦めコマセによる五目釣りでお土産確保へ向かった。



●五目へ
だいぶ島寄りに走って再開。100号のサニービシにハリス6号4ヒロ3本針、クッション2.5mm50センチ。UglyStick12LBS240指に電動丸3000XHを使用。指示ダナは底から7m。底からのタナ取りには驚いた。

水深は95mとのこと。この水深から行ってヒメダイ狙いか?1流し目は餌付けが間に合わずお休み。しかしこの場所は潮が行っているらしくうまく反応にぶつけられず船中不発。次の流しで私も参戦。105m糸が出て着底。1m巻いてコマセを振りつつ7m底を切る。と、すぐにアタリが出た。しばらく追い食いを待って電動で巻き上げ開始。結構な重量感と引きで上がったのはアカイサキに30センチ級のヒメダイ、それに特大サイズのムロアジ(船長は赤背ムロと言っていた)の3点掛け。なかなか幸先がよい。

●アオダイも
この後も1流し1投ながらも、アカイサキ混じりでヒメダイがポツポツ上がった。餌もオキアミや持参のイワシを切り身にして付けたりといろいろ遊んでみたがどれも食いは同じくらいであった。また、私には小型ながらもアオダイ、球磨吾朗さんはキロオーバーの立派なアオダイが上がった。嬉しい魚である。皆そこそこの数を確保した後、船はさらに岸よりへ。



●ジャンボイサキ
今度は60mダチ。私は出遅れたがまずは嫁さんが良型、いわゆる島周りサイズのイサキを上げた。だんだんと浅くなっていくようで、根にかかったところくらいでイサキのアタリが出るようだ。私にもキューンというなかなか気持ち良いアタリが出て35センチオーバーの良型イサキ。丸々していて非常に旨そうである。「すげえ反応、イサキの大群れだ。これで釣れない人は腕が悪いんだからね」と船長がカツを入れた。ちょうど私の竿にアタリが出なかった時だったのでちょっとドキドキしたが、しつこくコマセを振り続けて無事イサキを追釣した。



●最後はモロコか?
そして沖上がり12時過ぎ、「次の場所をやって最後にします」というアナウンスが流れた。「ここはモロコがいるから泳がせやる人はやっていいよ」というアナウンスが出た。嫁さんが「イカ、泳がせてもいい?」と聞くので「モロコ狙いならやってみれば」というと「やっぱりやめとく」とのこと。

今度は港のほんの前。水深40m。同じくイサキ狙い。しかしこの場所はあまり食いは良くなく、ミヨシの方ばかりがイサキが上がるのみ。この場所では指示ダナは上からになって、根に向かって船を流しているのが、タナの変化で分かる。

そして、みんなが道具を片づけ始めた頃、「おぉ、来たか!」と船長が叫んだ。ちょうど私は仕掛けをいれたばかりだったので、タナをとってコマセを振って、それで右舷に回る。するともう既に船長が上がった魚にギャフを掛けるところであった。と同時に球磨吾朗さんの雄叫びが上がった・「やったぞ〜!」そう、21kgのモロコゲットの瞬間である。球磨吾朗さんは先日も銭洲で10kgのモロコを上げており、なんと今月2本目の快挙である。



そして、この最後の盛り上がりの中、船長から終了の合図が出た。

<夫婦の釣果>
イサキ 35センチ〜40センチ 8尾
ヒメダイ 30〜35センチ 8尾
アオダイ 25センチ 1尾
ムロアジ 45センチ 1尾
アカイサキ 5〜6尾
残念ながら本命は不発であったが、土産の小物釣りはまずまずだったので、満足度は高い今回の釣行であった。もちろん、餌で余ったアカイカも土産にしたのは言うまでもない。

帰りも凪だったせいか、1時間半ほどで下田に到着。球磨吾朗さんのご厚意で、モロコを下田のフィッシングショップの店先でさばいてもらい、我々も切り身を頂いて帰ることが出来た。先日の10kgのモロコの切り身も頂いており、またモロコが食えるのだ。ラッキー。



カンパチのリベンジは次は銭洲かな、とバラしをずっと悔しがる嫁さんと話しながら帰途についたのであった。


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