マダイ混じって好調、千田沖イサキ
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「狙って」釣りました
- 日時:2001年6月2日(土)
- 場所:千田沖
- 参加メンバー:鯛介、恵美
- 時間:午前5時00分〜午前11時45分頃
- 潮時:若潮
釣行記
久しぶりに南房に行ってみることにした。いつもであればほぼ徹夜で港に向かい、船を降りたらそのまま睡魔と戦いながら家に帰り、魚の処理や道具洗いなどを行い、夜疲れ果てて寝る、というのが我が夫婦のパターンである。たまにはのんびりもいいのでは、ということで夫婦の意見が一致。南房は千田の小倉丸で釣りを楽しんだあと、普段あまり足が向かない館山あたりでのんびり1泊して帰って来ようという企画にした。
●裏?本命マダイ
この時期の南房と言えばイサキ。そんな中で小倉丸を選んだのは、オキアミコマセでイサキを狙うため、マダイがかなり混じるという楽しみがあったから。仕掛けもスペックもイサキ専門のものとは異なるので、ストックが使えず、前日、前々日とかけて2人分の仕掛けを自作した。
さて、当日は5時前に出船で4時半には集合してくれ、ということでちょっと早めの12時半に出発。道路は富津館山道路を使って順調で結局かなり早い3時過ぎに現地到着。駐車場でしばし仮眠し、4時過ぎに灯りが灯ったので待合所に向かった。
●座席はいいぞ
親父船長と女将さんがお茶を出して応対してくれる。昨日は南西風の影響で釣れなかったが今日は大丈夫かなぁ、とか、ほのぼのとした雰囲気でギラギラした釣り親父が見当たらなかったのが気に入った。また、釣り座は船宿が指定するのだが、壁のホワイトボードに既に名前が記入してある。予約順に席が決まるという噂を聞いていたが、水曜日に予約した我々は新造船の右舷ミヨシから2つであった。片弦8名なので釣り座も広々であろう。
4時20分に待合所を出て準備を開始。氷は自分で待合所の冷凍庫から出して船に持っていく。駐車場から船着場まで50mくらい歩かなくてはいけないのが難点だが・・・。
釣り座には既にコマセバケツとオキアミコマセがセットされ、足元の生簀には付け餌のブロックが解凍されてつつある。船も綺麗で広いし、なかなか良い感じである。
●片弦9名に
出船10分前くらいに船長が「ごめんね、2人って言ってたお客さんが3人になっちゃったっ手言うんだ。ちょっと詰めてね」ということでミヨシに私、2番目は嫁さんであったが、私は目一杯ミヨシ寄りへ(張り出しには乗らないが)嫁さんもちょっと詰める。すると3人組の親父達が無言で乗り込んできた。船宿さんが困るから予約内容くらいはちゃんと伝えようね。次からは怒るよ。
そしてモヤイが解かれて出船となった。5時10分前のことであった。
船は中速で進み10分も走らないうちにスローダウン。僚船数隻とともに反応をさぐり「はい、いいですよ。水深は30m、タナは20mから18mくらいでやってください」という合図で開始となった。
今回はABUの6600CLにARセイバー270。サニービシLサイズ60号に片天秤を介して2mm径クッション50センチ。ハリス2.5号全長4ヒロ、1m間隔でエダを2本出し、3本針とした。針はマダイ7〜8号程度からチヌ3〜4号程度とした。
●まずは手持ちの技で
タナ下5mまで落としてハリスが馴染むまで5〜6秒待ち、コマセを振りながら指示ダナへ。しばらく待ってアタリが来なければ再度5m落としてコマセる。そして入れ替えという伊豆のイサキ釣りと同じやり方をとってみる。
●出だし不調
調子がよければここでキュンキューンというアタリが出るはずだが、今日は渋い。船中でもなかなか本命が出ないまま15分ほど経過した。トモでイサキがあがったのを確認。しばらくすると私の竿にもアタリが伝わる。一応、追い食いを待って巻き上げるが、重量感、引きともに今ひとつ。20センチに満たないイサキが真中の針に食っていた。
この後、このサイズのイサキがポツリポツリと釣れる。たまに25センチオーバーの良型も混じるが、メインのサイズはこの塩焼きにしかならないサイズ。とりあえず生簀にキープするが、出来るならこいつらをリリース出来るような型のイサキを釣りたいものだ。
●ウネリ高く・・・
今日は昨日の南西風によるシケの影響が残り、沖から大きなウネリがやってくる。それでいて風は北西寄りなので船が真横に揺れる。そのせいか、船中でも何人かは船酔いでダウン。船に強い嫁さんも酔い止めを飲み忘れたせいもあるが、体調が優れないようだ。とくに嫁さんの隣りの親父は船酔いで口もきけないのか、オマツリの対応時に全く無言。まぁ、こういう輩はどこにでもいるもんなのだが、たまたま隣り合わせたりするだけで気分が悪くなるものだ。
ふと気が付くと僚船は親父船長操船の小倉丸もう1隻だけ。あまりの渋さに途中からハリスを1.5号3本針の勝浦仕様に変更する。それもあまり効果はないようで、生簀にはそのチビイサキが7〜8尾泳がせることが出来たが、7時を回ると船長は大きく移動。5分ほど走って今度は「水深40m、タナ27、28〜24、25mまで」という場所で再開始となった。
●移動が当たり
仕掛けを入れて数分、キューンという良型イサキのアタリが来た。追い食いさせると更に重量感。今日はまだなかったこの手ごたえを堪能しつつ巻き上げる。26〜27センチ程度のまずまずの型のイサキの一荷であった。
●潮下に
朝一の場所ではトモ寄りが潮下であったようだが、この場所に来る頃には風も変わってミヨシ寄りが潮下に変わった様子。アタリは私のところから始まり、次に嫁さん、そして胴の間、トモ方面と順番にアタっていく。
●1流し1投
ただ、アタリが出る場所は1流しのうち1箇所のみ。餌取りも若干いるようで、うかつに誘いを入れるとこのポイント通過の前に餌がなくなってしまうし、ビシのコマセもなくなってしまう。ということで、投入してからじっと置竿でがまん。うねりがあるので、コマセはパラパラと出ているようで、これでポイント通過時にアタリが出るというパターンでイサキがダブル、トリプルであがる。ただし、流しによっては小型イサキの群れにあたってしまうこともあり、良型と言えるのは半数くらいである。
●餌盗り対策
ここで、持参のイカ短を取り出し餌盗り対策を試みる。針のチモトか、オキアミを1尾掛けしたときの針先に小さめのイカ短を付けるのだ。これが有効だったのか分からないが、右舷の中では一番一荷や一荷半をやれたのではないかと思う。オキアミがかじられてもイカ短は針に残る可能性が高い。イサキの活性が高ければ、オキアミコマセでもイカ短は有効なようだ。
●長ハリスには良型
嫁さんは既にマダイ狙いでハリスを7ヒロにしている。夫婦でイサキばっかりたくさん釣っても仕方がないからだ。私もイサキはそろそろいいかな、と思いつつも1流しで1度はアタリが出るし、追い食いもキマるのでなかなか踏ん切りがつけられない。だが、嫁さんの長ハリスにもイサキが食ってきてしまう。でも長ハリスに食ってくるイサキは毎回良型だ。潮も適度に流れているし大型は上のタナよりはビシを遠巻きに泳いでいるマダイのような感じなのだろう。
朝のうちはどうなるだろうと思っていたが、だいぶ生簀も黒くなり、気分良い釣りが続く。ウネリも次第に収まってきて嫁さんも復活。だいぶ元気になったようだ。私は1.5号のハリスのままでやったが結構仕掛け自体はパーマがかかったりして傷んでいる。それでも食ってくる。群れにさえ当たればハリスの太さや状態には関係なく食ってくる。今日は潮は薄く濁って暗い感じ。イサキにはこの潮色なのだ。
●僚船増えボチボチ
9時半頃であろうか、ずっと小倉丸2隻ともう1隻で流していたが、いつのまにか10隻程度に僚船が増えている。皆、だいぶ釣果を得たので無線で呼んだのだろう。こうなると、ピンポイントでしか食わない釣りは厳しい。潮周りしてから、イサキが食うポイントに流れるまでに結構時間を要してしまうからである。
とはいうものの、もうお土産は十分。私もハリスを2号8ヒロにしてマダイを狙う。針はマダイの7号。そしてイサキを避けるべく完全置き竿で狙う。
●タイタイタイッ!
と、嫁さんの竿がイサキポイント通過前にアタリを伝える。今までのイサキの感じとは異なる印象を受けたが「イサキの大きいのが食ったみたい」と嫁さん。電動でグイーンと巻き上げてハリスを手繰っている。と、「あ、タイだ、タイ、タイ、タイ!」と悲鳴のような嫁さんの叫びが聞こえる。おお、実はマダイだったのか、と慌ててタモを引き抜いて駆けつける。海面を見ると小さいながらもマダイ(後検量0.5kg)であった。「狙って釣ったから嬉しかった」そうだ。
●そして4.7kg
船長もデジカメを持って駆けつけ記念撮影。と、トモの方でなにやら大物とのやりとりをしているおじさんがいる。竿はシャクリ竿なのかあまり曲がっていないが、時折手で道糸を引っ張り出して引きをしのいでいるようだ。5分ほどたったであろうか、何人かとオマツリをしたが、船の向こう側に赤い魚体が浮かんだ。「鯛だ!」デカイ鯛が海面に浮かんだ。オマツリしたまま手繰り寄せ、船長のタモに納まったのは4.7kgの堂々のマダイであった。
マダイの時合であろうと私も誘いを入れてみるが、結局この流しではイサキも掛からず。上げてみると餌が盗られていた。これでは釣れるはずがない。
●締めはメジナ
しばらくはマダイ狙いでがんばるもやはり掛かるのはイサキ。しかし、ある流しでイサキとは異なるアタリ。竿先がグーンと引き込まれて戻らない。よし!と思い竿を立てる。ググンという強い引き。おぉ、俺も鯛か?と思ったが、その後は比較的楽に上がってきた。そしてハリスを手繰る。黒い魚体見える。これはメジナの0.8kgであった。メジナは船中でも何匹か上がってはいたが、私のメジナが最大級であったと思う 。
結局このままポツポツと釣れ続き、11時45分に終了となった。
<釣果>
イサキ 18〜30センチ 44尾
メジナ 0.8kg 1尾
マアジ 28センチ 1尾
ウマヅラ 大型 1尾
トップはおそらく左舷トモの常連さんで48尾。初めての釣り場で常連さんトップと差が4尾であれば上出来であろう。だいぶイサキ釣りにも自信がつけることが出来た釣行であった。
帰港を待ち受けていたのは数人の常連さん。きっと午後船に乗船する方々かと思うが、モヤイをとったり船洗いを手伝ったりと、なかなか雰囲気がいい。好きなイサキ釣り場のバリエーションを増やすことが出来たし、マダイ狙いも出来るし、この船宿はひいきにしようと思う。
●そして館山へ
その晩は平砂浦にて宿泊。南房を久しぶりに堪能して帰途についた。
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