初挑戦はボ、東京湾シャクリマダイ

何とか本命


  1. 日時:2001年5月27日(日)
  2. 場所:竹岡〜富浦〜勝山沖
  3. 参加メンバー:鯛介、恵美、林先生
  4. 時間:午前5時30分〜午後2時00分頃
  5. 潮時:中潮


釣行記

今回は林先生にお誘い頂いて、東京湾は内房のシャクリマダイ釣りに夫婦で初挑戦することになった。この釣り、マニアックな感じで敷居が高かったせいか、自らやる気も起きないものだったので非常に良い機会に恵まれたと思っている。

出船は竹岡港の豊国丸。仕立て専門の船宿でチャーター船を含め10隻を保有しているらしい。船長も竿を出し、船長の獲物は皆で山分けということだそうで、なんらかのお土産をクーラーに入れることが出来るのも嬉しい。

●講習会開催
当日は4時半集合とのこと。4時過ぎと少し早めに船宿前に到着。ほどなく林さんも到着して船宿が開いたので中に入る。釣り人の総勢は20名ほどであろうか。しばらくお茶を飲んでのんびりしていると「では初めての人は前の方に」ということで船長によるシャクリ釣り講習会が始まった。

なんと「いらっしゃいませ」という挨拶から始まり、非常に丁寧かつ分かりやすくこの釣りを解説してくれる。13秒に一回しゃくること、アタリがすかさず竿を立てて合わせ、更に糸を手繰って2発目のアワセを入れること、などが中心だ。

●礼儀正しい船長
15分ほどでこの講習会も終わり、どやどやと外に出る。女将さんが我々は三十朗丸に乗るようにと教えてくれて、車を出して港前へ向かう。車を止めてクーラーにバッカンと手荷物だけの軽装で船に向かう。港に入ってすぐのところに我々の船があり、船長が既に待ち構えていた。「よろしくお願いします」と挨拶するとここでも「いらっしゃいませ、今日はよろしくお願いします。」と挨拶をしてくれた。これこそ客商売の基本であろう。

ということで非常に気持ちよく5時半頃に出船となった。船こそ小さいがそもそも少人数の仕立て船だしちゃんとトイレもついている。ただ、操舵室は外にむき出しで、舵は船長は足で操作する昔のタイプの船である。

●曳き釣り
「まず、トローリングでスズキを狙ってみますか」という船長の提案。富津から南の東京湾のスズキは旨いという話なので全員一致で了解。獲物はもちろん我々のものになるのだ。

ということで、港を出ると船長は曳き釣りの用意を始めた。船の両側に竹をそのまま竿にしたような道具に潜行板をつけ、和製ルアーであるツノを付けてスローで船を流す。ふとみると周りには同じようにスズキを狙う曳き釣りの船がいくつも。まずは土産を取るのが狙いなのだろう。

●イナダ
流し初めて15分ほどたった頃、「イナダが上がった」と無線が入る。と、我が船の竿もアタリを伝えている。船長が糸を手繰っている。船尾に魚が水面を引きずられている様子が見える。そして取り込まれたのは1kgは超えているイナダ。

そして、また流し直すと針掛かり。今度は林さんが糸を手繰ってイナダをゲット。今日はスズキではなくてイナダが当たりのようだ。



「次は上甲さん、やってみなよ」と林さんに勧められるがままに、竿に一番近いところでアタリを待つ。するとまたもアタリ。船長に頼んで糸を手繰らせてもらう。船はそのままのスピードで走っているため結構な抵抗がかかっている。指に食い込みそうな糸の感触、なんとか手繰り上げて人数分のイナダをゲットしたところで、本命のマダイを狙いに富浦沖まで走ることになった。



●富浦沖へ
30分程度走ったであろうか。数隻の船団が見えてきた、シャクリ釣りをやっている船、コマセ桶が出ている船が入り交じっている。そして、しばらく反応を探って再開となった。

●タナは「ヒロ」
今日は全て貸し道具。1.2m程度の手バネ竿にカブラ針、ハリスは4号を10.5m。餌は活きたサルエビ。尾バネを切って針に受ける方法を船長から教わる。「20ヒロでやってください」という指示。ちょうどその場所に目印があるという。なるほど、道糸を出していると目印が2つついているところ、これがちょうど20ヒロだ。糸かけの長さは25センチなので糸掛け一巻きが50センチ、3回巻けば1ヒロということになるので、18ヒロといったら20ヒロ出して、6回分糸掛けに巻けばよい、ということになる。

そして、朝習ったように13秒に一度しゃくる。ちょうどこれはアオリイカ釣りにそっくり。仕掛けまでほとんど同じ。ついアオリのようにしゃくり上げたときのアタリを期待してしまうのであるが、この釣りは13秒の間も竿先に集中してアタリが出たら即アワセの釣りである。

●まずは船長
ほどなく船長が大アワセを入れた。そして赤い魚がごぼう抜きにされ、我々の方に放り投げられた。さすがである。このマダイは目測0.5kg。生け簀がすぐ私の後ろにあるのでこれに放り込む。さきほどのイナダもここで泳いでいるのだ。

さて、7時半頃、餌盗りに悩まされていた私にも待望の魚の感触。手繰り上がって水面を覗くが赤くはない。25センチ前後の良型のカワハギであった。10分後には嫁さんにもカワハギ。エビ餌をかじっていくのはこいつらのようだ。



●餌盗り多し
この後しばらくは餌盗りの猛攻。船長もかなりこまめに仕掛けを上げては餌を付け替えているのでこれをマネる。しかしなかなか魚を引き、というものが来ないのだ。凪模様の海に空は曇り。鯛が食いそうな条件ではあるのだが・・・。

10時頃、久しぶりに魚の感触。だがこれも弱々しく本命でないことが容易に分かる。20センチ程度のカナガシラであった。



●早上がりか?
そして10時半頃、北の空が暗くなり北風がぴゅーと吹き始めると雨が降りあっという間に強い風に変わった。波も高くなり、海上の視界も悪くなってきた。しばらくそのまま釣りを続けたが、「これでは無理なので終わります」と船長が早上がり宣言。この頃には横殴りの大粒の雨に強風。本当にちゃんと港に帰れるのか不安になるくらいの状態であった。

●嵐は去った
船は中速で港に向かう。が、勝山あたりを通過するころにだんだんと雨も止み、風も収まってきた。船長は船を止め様子をみている。と、何隻かの船がこちらめがけて戻ってくるのが見える。「風も収まったので、もう少しやってみましょう」ありがたいお言葉である。ということで勝山港の真沖で11時頃に再開となった。

●林さんに本命
ほどなく、11時林さんが本命、目測0.5kgをゲット。今までまともなサイズのマダイをこの釣りで釣ったことがない、というのが悩み?であった林さんには快心の一枚であったようだ。
そして11時半、嫁さんがチビサイズながらマダイをゲット。腸がお腹から出てしまっていたためこれもキープ。



そして私は何故かカワハギやフグが時折上がるのみ。餌をまっすぐ付けるように気を付けるとか、なるべくこまめに入れ替えたりとやってはいるが本命からのアタリはない。そしてまた船長がこぶりながら本命を上げた。船長はしゃくり初めをそぉっと聞きあげる感じで竿先を上げ、そしておもむろに鋭くしゃくってポンと戻す、という動作をよくやっている。これもマネしているのだが・・・。

●初マゴチ
1時40分に小型のヒメジを追加。これもリリース。「2時に終わりにします」と船長。残りはあと15分ほど。そして終了5分前、やや強いアタリと引き。おぉ、これはやっと本命かも、と期待しつつ手繰る。が、これも海中は赤くない。が、これは嬉しい27センチのマゴチ。実は日本ではマゴチを釣るのは初めてなのだ。



などと感激しているうちに終了の14時を迎えた。

<釣果>
マゴチ 27センチ 1尾
カワハギ 22〜25センチ 3尾
他ヒメジ、サバフグ等

イナダがいるおかげでクーラーの中はまずまず賑やかになっているのが救い。全ての魚を絞めて帰港となった。

残念ながら本命ボウズに終わってしまったこの釣りであるが、やっと終盤になって竿先の微かなアタリを捕らえることが出来、フグやカワハギなどを針に掛けることに成功した。思えば、いつのまにか竿先が下がり気味になり、取れるアタリも取っていなかったのだろう。船長は終始竿は水平に構えていたし、アオリスタイルの構えではいけなかったのだ。

ということで家に帰ってからもいくつか文献をあさって勉強。即アワセ、クッション無しでの魚とのやりとりというのは非常に面白いので、数が出るようになるという秋口にはまた来ようと思っている。

最後に、10時過ぎのシケで早上がりした船が多かった中、最後まで粘ってくれた船長に感謝!


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