オーラス一発!新島沖五目釣り

記録モノです


  1. 日時:2001年5月20日(日)
  2. 場所:新島沖
  3. 参加メンバー:鯛介 、新村氏
  4. 時間:午後4時00分出船〜午後12時00分頃終了
  5. 潮時:中潮


釣行記

アカイカ釣りから帰って船のベッドで2時間、あたりがざわざわし始めた。朝釣りの集合時間の3時半となった。そそくさと起き出すと、船は別の場所に係留されていたようでちょうど昨日船が着けられたところに係留されるところであった。

●シマアジは朝
今日は新さんも同乗することになっており、私の右隣に席を構えた。これで右舷6名、左舷5名の11名。それでも大型船なので、釣り座には相当の余裕がある。
だんだんと人が集まってきて、4時過ぎにまだ暗い海に向けて出船となった。なんせシマアジの時合といえば朝一番。若女将さんが早く出るようにだいぶせかしていた。

港を出て少しするとだいぶ明るくなってきた。昨日は暗くてよく見えなかったが、新島特有の白い砂のビーチ沖を走っている。およそ航程40分で早島周りに到着。僚船は2隻おり、竿を曲げている様子も見える。なかなか期待できそうだ。

シマアジ狙いだが、船長の指示はハリスは2〜3ピロ。あまり短くしないほうがよいそうだ。そして、反応を探ったあとに「底から2mくらいを探って」という指示で開始となった。この場所およそ水深25m前後であった。

五目釣りのタックルは、UglyShot12Lb2.4mに電動丸3000XH。サニービシビッグ100号。クッションは3mm50センチにハリス7号2ヒロ。1ヒロのところから編み付けで枝を出す。針はオキアミシマアジの16号を使用。餌はオキアミの2尾掛けである。

●マダイラッシュ
ビシが底に着いたら、50センチ程度刻んでコマセをふり2m底を切ってアタリを待つ。しばらく待ってアタらなければ、再度底へ落としてコマせる、ということを繰り返す。と、いきなりミヨシの球磨吾朗さんが「おぉ!」という叫びを上げた。竿が大きく曲がっている。シマアジか?と思ったが、海面に現れたのはピンクの魚体。矢沢さんのタモに納まったのはキロオーバーのマダイであった。

●私にもマダイ
そして流し変え。ポイントはそんなに広くはないようだ。次の流し、2度目にビシを落としてタナを取ったところでグンという明確なアタリ。すかさず合わせる。ググーンと竿が曲がる。乗った!底へグングンと結構強く突っ込む。短竿でのやりとりはなかなかスリリングで面白い。浅いのであっというまにビシが上がってきた。ハリスを手繰るがまだ魚は元気。姿を見せたのはこれもマダイ。浅場での釣りなので魚が非常に元気に引っ張るのだ。



この後、しばらくして1kg級のメジナを追加するが、シマアジの顔は誰も見ていないようだ。そして新さんも同級のマダイをゲット。更に、新さんは竿を曲げ「これはちょっといいかも」と言いつつ上がった来たのは2kg超級のマダイ。浅場なので、水面でも走り回ってタモ入れは結構ドキドキしてしまった。



1時間もするとさすがに食いは落ちて、500g程度のメジナやイサキなどがポツリポツリと上がる程度になった。私も連荘でメジナを上げるもいずれもリリース。餌取りも結構出てきているので、ここでハリスを3ピロに変更するも、アタリは来ない。

●マアジ作戦
業を煮やした新さんは持参のアジの泳がせに変更。私の持ってきた10尾は、夜釣りのうちに何かの拍子にブクが止まってしまい生き残ったが3尾のみであったが、新さんは7尾が生き残っていた。

●何とヒラメ
しばらくすると、「あたった!」と叫ぶ新さん。そして竿をぐっと立てる。ゴンゴンという引き込みが竿に伝わっている。「ん〜でもそれほどでもない」と新さん。タモを構えて待つ。先糸が見えて来た。魚体は白っぽい。「ヒラメだ!」そのままタモに収まったのは3kg弱のヒラメ。「やったぜ〜」と喜びをあらわにする新さん。新島でヒラメ、珍しいが、いることはいるよ、と船長。アジ作戦成功である。



6時半頃にこの早島周りを離れ、やや沖合いのポイントへ移動。やや風波が出てき始めたが、この場所は風裏なのか海は良く、同じくマダイ、シマアジ狙いだが、ハタもいるらしい。コマセの指示ダナは30mで再開始となった。新さんは当然アジ泳がせである。

●マダイ、イサキ、サバ
7時頃、矢沢さんの竿が曲がった。慎重にやりとりしてオマツリしながらもキロ級マダイをゲット。嬉しそうである。私は食いが渋いので4号4ヒロ2本針でイサキ、マダイ狙い。3流し目くらいにアタリが出て35センチの良型イサキをゲット。 しかしこの頃から餌取りが多くなり私もウマヅラを掛けてしまう。矢沢さんは1kgはあろうというサバを2つも上げる。丸々としていて非常に旨そうである。



●新さんにハタ
左舷が騒がしいのでキャビン越しに覗いてみると、とび島の常連、ゆきっちが2kgはありそうなイシダイをゲット。これも球磨吾朗さんの写真に収まった。そして7時半、新村さんが再びアジ餌に食わせる。今度は狙いどおりマハタ。2kg弱と型はイマイチだが、狙いが的中し続けている新さんは笑いが止まらないようだ。



ここで8時半頃まで粘ったが、アタリも遠のいたので、船長はモロコ場へ移動を告げる。コマセも出来るということだが、新さんから「ライト降ろしてみな、運がよければモロコが上がるよ」とのこと。昨日釣ったアカイカの小さめのやつを餌用にと生簀に活かしておいたので、これを餌にやってみることにした。

●モロコ狙い緊張
9時頃にモロコ場に到着。ものすごいかけ上がりを攻めるらしく、コマセの人は20mで持っているように指示がでるが、流し始めの水深は60mくらいあるそうだ。私のタックルはパシフィックスプリント20−60LBにシマノ4000XT。先糸60号1ヒロにハリスは30号の遊動孫針仕掛け。針はゴリラ3/0。捨て糸10号5センチに錘は150号を使用した。

さて、仕掛けを降ろして5mほど底を切る。すると「浅くなっていくよ」と船長がアナウンスする。確かに底に当たったからと5m切り直しても、直後に根掛かりなんて感じのところを流している。そして最後は水深20m程度で上りなおしとなる。根も相当荒いらしく、何回か根掛かりをし、ついに錘を失う。底を切りつづける集中力と、モロコが掛かったらどうしよう、という緊張感に包まれ、時間はあっという間に過ぎる。結局1時間半ほどこの場所を流したが、大道具にアタリはなく、コマセ釣りに小ぶりのメジナが数尾上がっただけであった。

●最後はオナガ
沖上がりは12時。あまり時間もないし、だんだんと風波が出てきてしまったし、最後に全員が狙えるということでオナガはどうか、という船長の提案があり、球磨吾朗さんも了解し、最後にオナガを狙うことになった。

20分ほど走ってポイントに到着。指示ダナ110mでオナガ狙い開始となった。ハリス8号4ヒロ(船長は3ヒロと言っていたが)にヒラマサ13号。クッションはさっきまでつけていた2.5mm1mをそのまま使うことにした。餌は最初はオキアミといか短のサンドイッチだったが、新さんが釣ったサバの身餌をくれたので、後半はこれを使用した。

タナ下5mまで落としてコマセてタナへ。時折誘いを入れたりする。1流し目はアタリなく終わる。2流し目、120mの指示から110mに上がる。「反応あるよ」と船長。そして「上げて」の合図の直後、ミヨシの球磨吾朗さんの竿が曲がった。



●メダイはバラシ
かなりの突っ込みから良型が予想され、かなり慎重なやりとりをしている。5分ほどのファイトの後、ビシが上がり、新さんがタモを構えた。ハリスを手繰る。海面には目測5kg程度のメダイが浮いた。が、なんとここで針が外れてしまう。ぷか〜と一度は浮いたメダイであったが、次の瞬間、体を反転させて海底へと戻っていってしまった。痛恨のバラシである。

この後何回か流すも反応は出るが、右トモでアカイサキが上がっただけ。時刻は11時40分。「この流しで終わりにします」ということ最後の流し。付け餌の余りの状態のよいオキアミをキツ目詰め、ビシの上開口部も最大に開けて最後の勝負に挑む。

●最後に
指示ダナが上がるときに反応が出ることが多いようなので、最初はコマセ温存。タナが変わったときに大きくコマせてみる。が、その努力むなしく竿は曲がらない。腕時計に目をやると11時50分過ぎ。「そろそろ上がろうか」と船長がつぶやく。最後のあがきで大きく竿をあおってみて、ダメなら仕舞おう、と力いっぱい竿を振る。そして竿先を水平も戻した瞬間、ドン!と竿先が持っていかれた。

おぉ、アワセなくては、と竿先をクッと上げる。かなりの重量感である。「新さん、なんか食ったよ」と針掛かりを告げると次の瞬間、20mほど疾走。「竿先下げすぎ、もう少し角度を上げて絞め上げる」と新さんにご指導を頂く。魚が走ったときは竿先は水平より下げずドラグが出て行くのを耐え、止まったらなるべく竿を立ててポンピングする。途中何度が糸が出て行くが、30mも巻くとだいぶおとなしくなってきた。8号ハリスに対応して、ドラグは結構締め気味なのにこれだけ走るのだ。新さんは「メダイ」と言う。メダイでもかなり大きいのではないか。

●でけぇ!
今度は竿の角度を一定に保ってリーリングし、不意の疾走に備える。残り20mのところで重量感が消える。しまった、バラしたかと思ったが、魚が浮いただけのようで慌てて巻き上げる。「魚が浮くぞ!」と球磨吾朗さんが叫ぶ。同時にビシをとる。道糸が向こう側に伸びている。そして赤い影が浮いた。「オナガだ!でけぇ」マダイとは異なる赤い魚体が沖合いに浮いている。慎重にハリスを手繰る。そして新さんのタモに収まったのは後検量5.6kgの記録モノのオナガダイであった。足が震えたりはしていないが、滅多にお目にかかれないオナガを釣ったんだという興奮で頭が真っ白な状態であったようだ。

腕はパンパンであるが、球磨吾朗さんの記念撮影に応じるべく魚を持ち上げてポーズをとったりする。いや、初のオナガがこのサイズとは出来過ぎである。そして、左トモではなんと6.2kgのマダイが上がった。



最後の最後にこの盛り上がりをみせて新島初挑戦は終了となった。

<釣果>
マダイ 1.2kg 1尾
イサキ 35センチ1尾
メジナ 1kg級 1尾(キロ未満4〜5尾リリース)
ウマヅラ 良型 2尾(リリース)
オナガダイ 5.6kg 1尾



帰港後に検量、片付けを行い氷を補充。昨晩の釣果と合わせて50Lクーラーが満タン、結果的には快心の釣行になった。

帰りも90分ほどで2時半には下田に到着。給料日前の週末のせいか、目立った渋滞もなく、途中の立ち寄り温泉で汗を流し飯を食っても東京到着は19時半であった。思えば、新島にいる間はおにぎり2個とパンをいくつか、あとは水やお茶と満足な食事もしていなかった。それくらい釣りに集中したのだろう。

新島の釣り、こんなに面白いのに今まで行かなかったことが後悔される。今回はシマアジを討ちもらしたし、アカイカももっといろいろやれるはず。帰りの車中で新さんと「また来よう」と決め、今回の釣行を終了した。


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