良型連発、新島沖アカイカ
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良型かまずまずでした
- 日時:2001年5月19日(土)
- 場所:新島沖
- 参加メンバー:鯛介
- 時間:午後5時00分出船〜午前12時00分頃終了
- 潮時:若潮
釣行記
やっと島回りの夜アカイカ釣りにチャレンジすることが出来た。過去数回、宇佐美などから利島周りの夜アカイカ釣りを企てたことがあったが、いずれもシケでお流れ。なかなか縁がない釣りであったが、今回の新島遠征はなんとか凪に恵まれそうな予報のおかげで決行となった。
●強行軍
今回は球磨吾朗さんの仕立てにお誘いを頂いた。下田送迎で夜イカ、少し休憩して翌朝はコマセ釣りというなかなかタフな釣りだが非常に魅力的。あいにく嫁さんは仕事で東北に出張予定ということで私単独での参加となった。船宿は植長丸ということだ。
そして新村さん(以下新さん)が別件で植長丸に用事ある、ということで2人で下田に向かうことに決定。東京を9時過ぎに出発し、途中飯食ったり、活きアジ餌を買ったりして集合の14時に遅れること15分で下田漁港に到着した。
既に皆さん到着して、荷物を積み込み終わっていた。我々も急いで荷物を降ろして積み込み私は駐車場探しの旅。なんと一番はじっこ(500mは離れている)のフェリー乗り場まで車を持っていくことに。初夏並みの陽気に今から汗だくである。
●シケ?
私が乗船するとすぐにモヤイが解かれて出船となった。予報がよかったのだが、思いのほか寒気が南下、それに吹き込む南西風が強く、船は結構バタバタしている。我々は全部キャビンに寝転がって到着を待つ。90分ほどで新島に到着。いったん若郷港に入港する。船が係留されて一休み。出船は約1時間後の5時。ぼちぼち準備しながら出船を待つ。ここで私の釣り座は右舷ミヨシ3番、つまり胴の間に決定。左隣は矢沢さんである。今回の私の左隣の成果はどうであろうか。
5時になり、氷を積み込んで、今回は弟船長の操船で出船。両弦5名ずつの10名。操舵室は私の真上。ちょっと緊張である。
●風止まず
港を出るとまだ風は止んでおらず、船は飛沫をかぶる。でも割と岸寄りを航行するので風の割には海は悪くない。30分ほど走って僚船が数隻みえる海域でスローダウン。船を立て直し終わったところで「はいやって。底から2〜3m」という合図で開始となった。
初めての島周りアカイカ。いろいろと思慮のうえ、竿はキャロナックスラッシュ50−330にシーボーグ300を使用。幹10号ハリス6号70センチ。枝間は1.5mで7本角。枝は親子スイベルを使用し、さらにスナップを介して枝を出す。スナップを付けるのは角交換のしやすさを考慮してのこと。錘は120号指定で蛍光錘。水中ランプはサメが多いということでとりあえず付けないでおくことにした。角は4号の布巻きの赤帽や緑帽を中心に構成し、一番下に餌アオリQ2.5号をつけてみた。
吹流しで投入しようとしたが、船長に錘から投入するように指導をうける。かなり風で仕掛けが流されるし、それにあせって仕掛けを投入する必要がないからだ。ということで錘からスルスルと角を投入していく。水深計約30mで着底。ということは水深は40mほどであろうか。
糸ふけをとって軽くしゃくる。外房のアカイカの要領である。そして2mほど探って再び落とす。そしてシャクる。120号錘に3.3mの竿なので結構疲れる。それにこの地のアカイカ釣りは置き竿でのんびり待っていても乗ってくるという話なので、キーパーに掛けてアタリを待ってみる。まだ日も沈みきっていないし、勝負はこれからであろう。
●ミヨシ好調
「前、乗ったよ」と船長が叫ぶ。右ミヨシに陣取ったくまごろうさんの竿先がアタリを伝えている。そのまま竿を取って巻き上げ取り込まれたのはこれぞ島サイズの良型のアカイカ。数分後に同じくくまごろうさんにアカイカ。今日はミヨシ有利なのであろうか。
●サメか?
私の竿にゴゴンというアタリ。すかさず竿をとって聞き上げてみる。何か掛かっている気配だが、あまりに小刻みな引きに首を傾げていると「サメだな〜」と船長。これは途中でバレる。この後もこのイカらしくないアタリが続く。アタリがあって巻き上げても途中でバレる。イカのアタリも混じっていた感じであるが、なかなか本命の顔が見られない。
●原因判明
まだ真っ暗になってないが、イカはポツポツ上がっている。ちょっとあせる。「特殊な仕掛けじゃないよね?」と船長に聞かれ「普通なんですけどね」と答える。餌巻きスッテでくまごろうさんが好調にイカを上げているので、私も一番下を餌巻きに変えている。が、サメの集中攻撃を受けているのはこの餌巻き。どんどん餌が削られていく。ということは、もしかしたらこの蛍光錘か?と思い、錘を普通のものに交換する。と、直後の投入でイカの乗り。グイーングイーンと引きそれはイカに間違いないであろう。やっと本命島周りサイズをゲット。いや、本当に大きい。
結局この錘交換が功を奏したようで、この後はポツポツとアタリが出てイカを追加していく。誘っても乗らず、タナを切って置き竿でじっくり待つのが良いようだ。ちょうどウネリがほどほどにあるので、これが微妙な誘いになっているのであろう。
ただ、サメが多く、船長からもアタリがあったらなるべく速く、でも身切れしない程度の速さで巻き上げるように指示が出る。これがなかなか難しく、船長が後ろで仕切りに「速く」と言うせいもあってか、巻き上げ途中のバラしも結構出てしまう。でも速度を落とすのはサメが怖い。なかなかこのバランスがつかめずに苦労する。
船は流し釣りである程度の時間を流すとポイントを上りなおす。だいたい1流し20〜30分程度。潮もトロトロと流れている様子で、オマツリも少なくて釣りやすい。
●ゴールデンタイム
そして19時過ぎ。風がいくぶん収まり、海がよくなるとゴールデンタイムが訪れた。アタリを感じて竿先を上げる。ググーンと来る。何とか耐えて取り込む。イカはみんな角を深く抱えて上がってくるのでギャフは必要なさそうだ。そして仕掛け再投入。底を切る。キーパーに置く。数十秒以内にググンというアタリが出る。しかし、サメのため追い乗りを待つことが出来ず、ほとんどが単発。それでも時には一荷で上がってくることもある。いやいや、なかなか忙しい、楽しい。夜イカはこうでなくては。
このゴールデンタイムは30分ほど続いたであろうか。また風が強くなり海が悪くなると乗りも落ち着いてしまった。それでも竿を置いて待っていれば、1流しに二回くらいは群れに当たるようだ。
今日は餌巻きスッテ、それに赤帽緑にヤマシタの通称「レオタード」4号の白が当たり角らしい。また、アオリQピンク2.5号にも結構乗ってきた。餌巻きスッテは一番下の角だが、前日の赤帽緑とレオタードは上から2番と3番。イカのタナもだいぶ上ずるときとそうでないときがあるようだ。
●サメだ〜
矢沢さんも慣れないイカ釣りに苦戦しながらもポツポツとイカを上げ始めるが、サメの被害も多く頭だけになったイカを上げて「あ〜」という声を上げている。私も2回ほど、海面までこの小さなサメを上げたが、いずれもバレて退治するには至らなかった。
●多点掛けも
中にはサメが付かなかった流しもあり、そういうときに思い切って最初のアタリで追い乗りを待ってみた。すると一際強く引きと重量感。キャロが根元から曲がり支えるのが辛い。やっと仕掛けが上がってきた。1尾、2尾、3尾。今日はじめての多点掛けである。残念ながらウネリのせいで1尾は海面でばれる。足だけ残ってくるということも数回。お約束でそうなったら美味しく頂く。いつものマルイカサイズだと食べ応えがないが、今日は大型イカのゲソ。歯ごたえも食べ応えも十分であった。
ウネリがあり、枝間もいつもより長めとったせいか、取り込みに難儀し、数回海面バラしの失態を演じる。まだまだ仕掛けには工夫の余地がありそうだ。一度だけ、バレて海面に落下したイカが、そのすぐ下についていた角を真っ赤になって襲ったことがあった。これは針掛かりはしなかったが、イカの活性自体は高く、角に掛かったイカはかなり興奮しているようだ。
船長は右舷側の竿先にずっと目を光らせ、アタりを釣り人が見逃すとすぐに叫んで教えてくれる。ハリスが長いので、アタリが出たら1mくらいは竿先をあおって乗りを確かめる必要があるようだ。もし、角を放してしまってもそれが誘いになって再度乗ってくることもありそうな感じだ。
●スルメも
たまに混じる外道はサメ以外にはスルメイカ。このへんにもこいつらはいるようだ。アカイカと同じイケスにいれておくとアカイカはかじられてしまうだろうから、すぐにクーラーにしまっておく。
そんな感じで時間は過ぎていき、イケスがどんどん大型のアカイカで埋まっていく。数はそんなに出てはいないが、その大きさに満足度はかなり高い。オマツリも少ないので仕掛けの消耗もほとんどないし、ハリスも太いので縒れにくい。
ふと気が付くと23時半。そろそろ疲れてきたし、明日の朝釣りは3時半集合とのこと。「何時までやるの?」と幹事のくまごろうさんが船長に聞くと「何時でもいいよ」とのこと。翌朝のこともあるので「じゃあ12時までにしよう」とくまごろうさんが決断。
ちょうどこの頃は乗りが落ちていたが、またイカの活性は高くなってきた数尾を追加し、12時を迎え終了となった。
<釣果>
アカイカ 胴長 35〜60センチ 24尾
スルメイカ 胴長 25センチ 2尾
●タックルの工夫が必要か
それにしても私はバラしが多かった。私の使ったキャロナックは、一度イカがガッチリかかって竿が胴まで曲がると、引きを吸収して非常に良い感じだが、アタリ始めの段階では、竿先に張りがありすぎるのか、聞き上げ、もしくは数m巻いたところでバレることが多かった。ウネリのせいもあろうが、もう少し竿先が柔らかいものを選択したほうが良かったと思う。
仕掛けについては、枝間をももう少し狭くてもよかったと思う。また、角はある程度多くつけないと、このような待ちの要素も多い釣りでは探るタナが狭くなってしまうので良くないであろう。この釣りは初挑戦だったせいかいろんな反省点があった。
帰港は12時半過ぎ、片付けたりしているうちに1時。みんなが宿に仮眠しに行ったようだが、私は車に乗りそびれてしまい、みんなより少し睡眠が多くとれそうだし、面倒なのでそのまま船のベッドに寝かせてもらうことにした。
睡眠は約2時間。明日のシマアジ狙いに期待してすぐに眠りに落ちたのであった。
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