延長逆転、土肥沖夜ムギイカ
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終盤は入れ乗り(飛沫はイカ水鉄砲のため)
- 日時:2001年5月12日(土)
- 場所:土肥沖
- 参加メンバー:鯛介、せるじおさん
- 時間:午後6時50分〜午前1時10分頃(実釣)
- 潮時:中潮
釣行記
●夜イカは満船
マダイ釣りを終え、遠征船の乗っていた新さんこと新村さんをお迎え。ムギイカで釣った2kg程度のカンパチを頂いて、ひとまず土肥の港を離れる。コンビニで弁当と飲みものを追加購入し、第五豊栄丸に出船確認。手違いで定員10名のところを11名いれてしまった、と船長が恐縮して言う。でも、あの船の大きさなら片弦6名でも夜イカなら十分だと思うが・・・。
5時過ぎに土肥漁協前に到着。今回同行のせるじお(塩沢)さんは既に到着していて席を確保してくれていた。私はとりあえずおなかがすいていたので買ってきた焼きそばとビールでちょっと早めの夕食。その後、荷物を船に積み込み準備を開始した。
当初右舷トモから2名が我々で右舷は6名乗船のはずだったが、結局左舷トモに移ってくれということで、しかも左舷は5名乗船。釣り座も広くなってうれしい。他には4名と5名の団体さんがいたようだが、いずれも併営のペンションのお客さんの様子である。
全員の準備が整った6時半に出船。夕暮れの海を5分ほど走ってスローダウンし、アンカーを入れた。港のまん前が釣り場で他の土肥の船も続々と出船してきた。
●スッテかツノか?
アンカーが効いたあたりで、まだ明るいからやるひとは50〜60mくらいでやってみて、ということでどうやら明確な開始の合図もないままスタートとなったようだ。今回のタックルはスラッシュシャクリ210に電動丸3000XH。電動シャクリ機能を使うためだ。まずはらっきょ型スッテ8本仕掛けでやってみることにする。水中ランプに蛍光錘を今回は使ってみた。
せるじおさんによれば、ここのところイカはプラヅノ、とくに青のFN-7(裸)によく乗ってくるとのこと。しかし、その日によってアタリの角は異なるので、せるじおさんはプラヅノ中心、私はスッテ中心の仕掛けでとりあえず様子をみることにした。
●第一号はせるじおさんに
スルッ、スルッとスプールブレーキを強めに閉めて落とし込みに段が付くようにする。60mまで落として、その後は電動シャクリ。ポーズの時間を長めにとり、シャクるスピードは早めに設定する。と、せるじおさんにアタリがあった様子。お勧めの青のFN-7にムギイカより一回り大きいスルメが乗ってきた。「はい、イカが顔を出しましたよ、がんばって」と船長も激を飛ばす。
19時頃に集魚灯が点灯。いよいよ夜イカの雰囲気になってきた。明かりが灯ると水面には小魚のライズが見られることから「いや、今日は良さそうですよ」とせるじおさんに伝える。西伊豆の夜イカで水面にベイトが泳ぎ回る様を実は今まで見たことがなかったのだ。だからいずれも貧果だったのだと思う。
せるじおさんが2尾目をゲット。周りの人もポツリポツリとイカを上げている。いずれもプラヅノ仕掛けである。私の仕掛けには何の反応もない。ということで、このスッテ仕掛けの下2本分と自作のプラヅノ6本仕掛けを連結する。スッテにはFN-7青を入れてみる。
●青のFN-7
と、直後に落とし込みでアタリ。初物なので慎重に巻き上げる。結構な手ごたえで上がってきたのは胴長25センチの立派なスルメサイズ。例のFN-7に乗ってきた。「大きいねぇ」とせるじおさん。直後にせるじおさんもゲット。「これがレギュラーサイズだよ」と見せてくれたのは胴長17〜18センチに満たないいわゆるムギイカ。このサイズが数釣れるはずなのだ。
●風が・・・
7時半頃になると、南西の風が吹き始めた。先ほどまでベタ凪だった海がざわつき始め、上の潮も少し速くなってきた。この風は1時間ほどで止んだが、その間はイカのアタリも少なく、また海面のベイトもどこかに行ってしまったか、沈んでしまったようだ。
●渋い
ビールなどを飲みつつ、電動シャクリ&落とし込みでイカが集まってくるのを待つ。この方法で30分に一尾程度はゲットできるのだが、普段の渋い日でももう少しアタリがあるはずだ。こういう渋い状況のときのために、土肥のスーパーでフレッシュのシコイワシと豆アジを購入してきてあるので、これを餌巻きスッテにつけてみたりするが、一度だけ、餌巻きスッテのすぐ上の角にイカが乗ってきたが、あとは餌が落ちるだけであまり効果はないようだ。
●反応はある
あっというまに時間は9時を回った。相変わらずイカの乗りはない。ただ、海面に時折ベイトが見えるようになっている。と、操舵室を見ると船長がいない。どうもキャビンで仮眠を取っている様子。静かなわけだ。船長が操舵室にいると魚探は見えないのだが、今はよく見える。上から20〜50、それに底付近70〜90mに真っ赤な反応がある。これはイカではなくて、集魚灯についている魚の反応であろう。
●餌釣りもなかなか
ならば、と持参のアオリイカのアジ泳がせ用の仕掛けを取り出して冷凍イワシをつけて、反応のあるタナ35mに落としてみる。すると、竿先がクンクンとアタリを伝えてくる。しばらく待ってそーっと竿先を上げると確かな手ごたえでムギをゲット。すかさずイワシを付けて再投入。今度もアタリ、でも残念ながら餌を齧られただけ。再度チャレンジ。今度もアタリが出て無事ムギゲット。「せるじおさん、餌釣りは入れ食いです」と伝える。しかしせるじおさんも一生懸命しゃくっていて、ポツリポツリとイカを上げているのだ。
この仕掛けもだんだんと拠れてしまい、仕掛けが道糸や幹糸に絡みつきやすくなってきた。ただ、仕掛けがちゃんと入って、タナに入れば必ずイカが乗ってくる。アジよりはイワシの方が食いは良いようだ。途中、ハリスを交換して拠りがとれからはまたも入れ乗りとなる。などと餌釣りで遊んでいるうちに終了の11時間近となった。
●もしや?
いつのまにか船長が起き出してきて「そろそろ来たみたいですよ〜、みんながんばって」とアナウンス。せるじおさんに「アタリ増えましたか?」と尋ねると「うん、もしかしたらゴールデンタイムかもしれない」とのこと。慌ててさっきはずしたプラヅノ仕掛けに交換にかかる。餌釣りで遊んでいる間に手前祭りしており、結局5本角で取りも直さず投入してみることにした。
すると30m付近で仕掛けが止まる、竿を立てるとズンという手ごたえ。イカである。そしてここからゴールデンタイムに突入することになった。
●ゴールデンタイム!
30m程度まで仕掛けを落とす間に乗るか、そこからのシャクリで必ず乗ってくる。仕掛けも誘いも関係ないようで、誰も彼もがイカ釣りに夢中になっている。入れ乗りだ。どんどん足元のタルが茶色く埋まっていく。これを今まで待っていたのだ。
ただ、群れはそんなに濃くないようで掛かっても2点掛けまで。多点掛けはない。それだけに1投1〜2匹になり逆に忙しいのだ。「12時までやるからね」と船長の嬉しいアナウンス。まぁ、この状態ではちょっと終わりにすることは出来ないだろう。
●延長戦突入
せるじおさんも夢中で釣っている。こんなに楽しそうに釣りをするせるじおさんを見たのは初めてのような気がする。私も水鉄砲を浴びながら夢中で釣り続ける。いやぁ、楽しい。船長もマイクでみんなをあおる。タナもどんどん上がってきて、5m〜10mでも乗るようになってきた。いつしか「12時半までやるからね」に変わり、「1時までやります、用事がある人は泳いで帰ってね」とという冗談も飛び出すほどに釣れ続いた(1時までの延長はジョークではなかったが)。
●手釣りも
12時半を回り、さすがに釣り疲れた。タルもいっぱいである。そこで、ここでちょっと遊んでみよう思い、持参の手釣り道具を取り出し、直結5本角仕掛けをつける。30mまで落として適当に手繰る。と、ほどなく手に重量感が増した。そのまま手繰り上げると仕掛けに2ハイのイカが。次の投入でも2ハイ。私の適当手釣りでも入れ乗りである。この手釣りを15分ほど楽しんだ後、仕掛けを竿に付けて「竿直結」も試してみる。もちろんこれも入れ乗り。
時計に目をやるとちょうど1時。そろそろイカの処理もしないと、ということで竿をしまってイカをクーラーに並べ始めたところで船長から終了の合図が出された。<釣果>
スルメイカ 胴長 15〜25センチ 80尾程度途中からイカをリリースしていたので、正確な数は不明であるが、せるじおさんが70尾オーバーなので、まぁ、こんなもんだろう、という数字である。
●24時間ぶり
港に戻ってお金を払って土肥と出発したのが午前2時過ぎ。思えば昨日東京を出発した時間と同じである。途中軽い夜食をとり、SAで30分休憩し、川崎の実家にたどり着いたのが5時前。シャワーを浴びて倒れるように布団に入り、11時過ぎまで死んだように眠った。この睡眠がまた快感なのである。
まだまだこのようなバカな釣りも出来る体力はあるなぁ、と実感出来たし、充実感のある釣りであった。
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