テイラーと格闘、シドニー北部湾内釣り

マダイもいました


  1. 日時:2001年3月28日(水)
  2. 場所:シドニー北部、フィヨルド湾内
  3. 参加メンバー:鯛介、恵美
  4. 時間:午前10時00分〜午後2時00分頃
  5. 潮時:中潮


釣行記

シドニー釣り三昧最終日はシドニー北部のフィヨルドで出来た湾内の釣りである。以前、つりコムの主宰者であるい市ノ瀬さんがシドニーの金園さんに連れて行ってもらっていたく気に入った釣り&場所らしく、嫁さんが非常に興味をもち、金園さんにアレンジをお願いした。

●前日のバス釣りは・・・
昨日の釣り2日目は観光も兼ねたバスフィッシングであったが、良すぎた天候と澄みすぎた水色に阻まれ、バスは金園さんがヒットさせて竿を私が受け取ってバラしが一度のみ。餌釣りでボラを釣って、何とか丸ボウズを免れる、という状況であった。それでも、金園さんの秘蔵の観光ポイントに案内してもらい、カンガルーも間近に(なんと1.5mの距離まで接近)見られて感激感激で1日が終わったのでした。

●今日は観光も
3日目も出発はホテルへのお迎えは7時。今回はアルミ製のボートを借りての釣りになるそうだが、ボート屋が開くのが10時だそうで、それまではこれまた金園さん秘蔵の観光ポイント巡りとなる。

シドニーから1時間足らずの自然あふれる国立公園を案内してもらい、これまた素晴らしい景観に感激。市ノ瀬さんがひどく感動した、というのが身をもって分かったのだ。



さて、それから途中のお金持ち御用達のハーバーに寄って軽い食事。釣り禁止の桟橋にはクロダイが群れていてパンをあげると池の鯉のようにバシャバシャやっている。日本では考えられない光景だ。

●ここは湖?
そして、少し車を走らせてボート屋さんには10時頃に到着到着。ボートは3人で乗るなら広すぎるくらいの大きさ。船外機にオイルを補給して出発。と言ってもポイントまではぼちぼち走っても10分程度。一見、湖と見間違うような景観であるが、水は潮辛い。紛れもない海である。
金園さんは少しワンドっぽくなっている水深15m程度のポイントにアンカーリング。潮流が回る場所かつ急激な駆け上がり(岸はすぐそば)なので魚影が濃いのであろう。アンカーが落ちついたところで開始となった。



タックルはキス竿のようなライトなもの。錘も軽い。クロダイの筏釣りとよく似ているらしい。仕掛けはまずはハリス3号のサビキを3本針に切ったもの。餌は冷凍イワシの短冊を使用する。

●テイラーの猛攻

錘はほぼベタ底。あまり誘うまでもなくアタリは訪れる。まずは嫁さんにアタリ。上がったのは見慣れないセイゴとイシモチを足して2で割ったような姿の魚。「テイラーです」と金園さん。非常に歯が鋭い魚なので針をはずす際には注意が必要なのだそうだ。
私の仕掛けにもテイラー。それにチビマダイが針掛かりしてくる。仕掛けを下ろせば必ずアタリがありこのチビマダイやテイラーが釣れてくる。時折、尻尾部分を囓られた哀れなチビマダイが釣れるが、これはテイラーが囓っているらしい。尻尾から囓るから「Tailer」と呼ばれているそうな。

●初クロダイ
テイラー攻撃が止むと嫁さんに小気味よい引きのアタリ。これは金色の太ったマアジ。私にはグングンとこれまた心地よいアタリで小型ながらクロダイ。実はクロダイという魚とは生まれてこの方縁がなかっただけに嬉しい1尾なのである。



テイラーは歯が鋭いだけに仕掛けの消耗も激しい。いつの間にか私の仕掛けは1本針に。しかしそうなってからマダイやクロダイの小型からの魚信が多くなった。針数が少ないのでテイラーに見つかりにくくなったようだ。

●仕掛け交換、本命魚狙う
マダイ、クロダイのサイズアップを狙って金園さんが仕掛けを交換してくれた。片テンビンにハリス長1mほどの1本針仕掛け。底からハリス分切ったらあまり仕掛けを動かさずに、微妙なアタリで食ってくるマダイ・クロダイを狙う。針は環付きのやや大きめのもの。そうでないとリリースサイズの魚が食ってきてしまうのだ。餌はイワシのぶつ切りを2つ付ける。

金園さんが釣れたアジを泳がせて大型魚(マゴチなど)狙いの竿を出している。嫁さんは相変わらずサビキ仕掛けでテイラー相手に格闘。私の仕掛けにもテイラーが多く掛かるが、風が吹いてちょっとボートの位置が変わったりすると、クロダイ(カイズ、チンチンサイズだが)が食ってくる。

今日の命題は「いかにテイラーをかわして、本命魚を釣るか」ということのようだ。オオニベやマゴチ、それにマダイ、クロダイ、この山上湖のような雰囲気からすると似つかわしくない魚達ではあるが、どれも場合によってはかなり大型が出るというのだから面白い。

●嫁さんは苦戦
仕掛けの消耗を機に嫁さんの1本針仕掛けにチェンジ。しかし、慣れない釣り方のせいか、アタリをとるのに苦戦しているようだ。それでも小型ながらヘダイなんぞを釣ったりしている。
あまりにテイラーが多いので、テイラーの身餌で釣ったりもしてみるが、今度は本当にテイラーだけが釣れるようになる。餌は臭いの強いイワシの切り身がよいようだ。



●招かれざる客
餌をイワシに戻してしばらくすると、今日最大のアタリが訪れた。ギュギュギューンと竿が曲がって糸が出る。「これはオオニベかもしれない」と金園さん。とにかく慎重にやりとりする。5mくらい走られたとしても、岩礁帯はないし、所詮水深は15mの浅場。ゆっくり魚が浮いてきた。水中には白い長い影、ニベか?と思ったが様子がおかしい。あの見覚えある魚体は・・・サメであった。「今日のハイライトかと思ったのに」と金園さんも残念そうである。



●クロダイ!
このころからテイラーほとんどいなくなり、アタリが遠のいた。それでも餌はなくなっていく。きっと針掛かりしないチビマダイ達が突ついているのだろう。金園さんの指導によれば、細かいアタリで合わせずにグーともたれるようなアタリが出たら合わせるように、ということである。そしてそのアワセが決った。グングンとタイ独特の下に引っ張る感じ。やっとのことでキープサイズのクロダイ33センチをゲット。そうか、このタイミングか、分かったぞ。そしてこれ以降は時折出るこのアタリでビシッと合わせて、数尾の中小型のクロダイをゲット。なかなか面白いではないか。



嫁さんは相変わらずアタリもよく分からないし、本命も釣れないとやや不機嫌。どうもこの手の釣りは苦手な彼女であるが、それでも小型ながらやっとマダイを手にして少し機嫌が直ったようだ。私にもやや大きなアタリがあったが残念ながらハリス切れ。あれだけテイラーを釣っていたのでハリスが傷んでいたのであろう。

●マダイの横走り
あと10分くらいで終了します、と金園さん。今日は14時で終了予定なのだ。気合いが入り直したのか、アワセをくれるとギュギューンとこれまた大きな引き。横に走るそれは青物か、しかし重量感はそんなにない。そして上がってきたのはキープサイズ30センチのマダイ。この浅場で、このタックルでやるとなかなか面白いものである。

この後ももう一度、タイらしきアタリがあったが、これはすっぽ抜けてしまった。そして定刻の14時になったので終了となった。

<釣果(夫婦分)>
マダイ 25〜30センチ級2尾(ちび多数)
クロダイ 20〜33センチ 6〜7尾程度
マアジ 20センチ級 10尾程度
テイラー 22〜25センチ いっぱい
サメ 2kg程度 1尾

釣りからあがったあとはボートハウスで金園さんがサンドイッチとチップスの食事を買ってきて下さったので、ビール片手にちょっと遅めのランチ。この桟橋もパンを投げるとクロダイがバシャバシャと餌をとりにくる。どこも魚影が濃いことといったら・・・。

あの静寂な雰囲気の中でマダイやサメまで釣れる、一種不思議な世界を体験出来たのは非常に面白かった。ちょっと嫁さんは釣果的には不満ではあったようだが、全然たいくつなどしなかった今日の4時間弱の「釣り」自体には満足していたようだ。

●お世話になりました
足かけ3日間お世話になりました、シドニー富士丸の金園さん、ありがとうございました。来るたびに良い想いが出来るシドニーの釣り、もはやリピーターになってしまったような感じです。次はお誘い頂いた巨大カンパチや秘境の釣りに是非またオーストラリアを訪れたいと思います。


釣行記集へ