ヒラマサ入食い、シドニー高級五目釣り
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今回も好調でした
- 日時:2001年3月26日(月)
- 場所:シドニー外洋
- 参加メンバー:鯛介、恵美
- 時間:午前8時00分〜午後2時00分頃
- 潮時:大潮
釣行記
●再びシドニーへ
釣れるとあらば、千葉・茨城から静岡・伊豆の果てまでどこへでも行く我々夫婦、その行動範囲は遠く豪州にまで及ぶのである。前回、新婚旅行の時には残念ながら、シドニー富士丸の金園さんのご都合に合わずお会い出来なかったが、それでもヒラマサにシマアジにとなかなかの釣果に恵まれた。今回は「それ以上の思いをさせてあげます」という心強い金園さんの言葉を胸に、再びシドニーを訪ねることとなった。私の会社では、毎年下半期に「リフレッシュ休暇」という5連休(両端が土日で9連休)が取得可能、そして嫁さんもなんとか連休を取得し、満を持しての釣行(いや、本当は海外旅行であるが)である。
シドニー到着は早朝、その日は市内観光。そして金園さんに連絡をとると、翌日は天気もよく、結構沖にも出られそうな絶好の釣り日和とのこと。期待に胸を膨らませて、早々に床についた。
26日月曜日、シドニーはサーキュラーキー近くのホテルに滞在している我々を、金園さんが7時にピックアップ。そのまま釣り場に向かう。お会いするのは初めてではあるが、同じ趣味(金園さんにとってが仕事ではあるが)を持つもの、そして、メールでのやりとりは何度もしていたので、すぐに打ち解け、車中では釣り談義に花が咲いた。
●今回は漁船タイプ
今回も出船場所も前回と同じくRose Bay。港に到着すると既に船は桟橋に接岸している。前回はマイケルキャプテンの高速クルーザータイプのボートであったが、今回は漁船タイプと金園さんが言う、後部デッキが広くて、スパンカーを立てたならばそのまま日本の遊漁船になってしまいそうなボートである。キャプテンの名前はスティーブ。挨拶をしてボートに乗り込みさっそく釣り場に向かうことになった。
●餌を釣る
「まずは湾内で餌の小アジを釣って、それを外洋に出て泳がせてヒラマサ、それにシマアジやマダイを狙ってみましょう」と金園さん。ボートは15分ほど走って、湾口近くの港のすぐ沖の15mダチにアンカーを打つ。餌が例に乗ってイワシの身餌。金園さんが餌を手でミンチ状にして軽くコマセる。底を1〜2m切ってやってみてください、ということで、金園さんの用意してくれた軽量タックルに持参にサビキ仕掛けを3本針にして、シンカーを付けて投入した。サビキではあるが、船についているまな板で冷凍イワシを刻み、この身餌を付けるのがこの地のやり方のようである。
しばらくは餌が落ちたり取られたりしても、我慢でコマセのつもりで打ち返す。アジ釣りに30分以上かけてはいけませんよ、と金園さんにもハッパをかけられる。ビビッというアタリに小気味良い引き。しかしこれはマダイの赤ちゃんである。丁寧にリリース。この地では28センチ以下のマダイはリリース対象なのだ。
●サヨリを確保
しばらくは掛かってもこの赤ちゃんマダイばかり。もう少しタナを上げてみて、仕掛けが見えなくなるくらいのところでいいよ、という金園さんのアドバイスでタナを上から取るようにする。良く見ると、船の周りに魚がうろちょろしている。これは小あじではなくてサヨリ。仕掛けを入れたり、切り身を撒いたりするとサヨリが集まってくるのが分かる。そして、やっとビビビッと針掛かりして跳ね込むようにして取り込んだは25センチ程度のサヨリ。アジが釣れないのでこれをキープせざるを得ない。嫁さんも餌を釣るのに苦戦しているようだが、何とか20分ほどで10尾程度をキープ。最後はサヨリがスレてしまい仕掛けを追わなくなったので、見切りをつけて沖のポイントに向かった。
沖のポイントは「LongReef」。フェリーを5隻ほど狭い海域に沈めてあり、漁礁となっているポイントなのだそうだ。
●沈船周りでスタート
天気は快晴、日焼け止めを塗らないとあとで大変なことになりそうなくらいの日差し。外洋に出ても海は凪。ビールを片手に20分ほどのクルージングである。そしてポイントに到着してスローダウン。最初は「ドリフト」いわゆる流し釣りでポイントを探り、良い場所にアンカリングするとのこと。魚探を覗いていると、時折船の形に底の地形が写る。そして、船を風にあてて、釣り再開となった。
仕掛けは持参にフラッシャーサビキ。ハリス、幹糸は4号以上のものを3本針にして使用した。錘は30〜40号程度である。まずはイワシの身餌で様子をみてみるようだ。水深は50m程度と前回よりも浅くて釣り易い。
●潮が・・・
仕掛けを降ろすと道糸は真下に下りておき、そのまま。潮も流れず、風で船も移動しないような状況であまりよろしくない。それでも根気よくやっているとアタリは伝わってくる。一際強いアタリであがってきたのは30センチ程度のマダイ。船に常備されているリリースサイズが明記してあるメジャーで魚の体長はすぐに計測出来るのだ。
●ジギングにヒット!
金園さんは得意のジギングを繰り返している。餌釣りよりもジギングの方が好釣果に恵まれることも多いそうだ。と、「ヒット!」の声。金園さんが何か掛けたようだ。そして竿がそのまま嫁さんに渡された。左ハンドルのスピニングリールという慣れない道具ながらも何とかやり取り。水面には黄色い線の入った魚、ヒラマサだ。金園さんの差し出すネットに無事納まったのは70センチ級、4kg程度といったところか。
●お化けエソ
この後、嫁さんにも30センチ級ながら待望のマダイが上がる。私にはかなり強い引きで大物を期待させたが、残念ながらこれは70センチ級のお化けアカエソ。嫁さんにはリリースサイズながらまマゴチ。マゴチは沈船間の砂地に潜んでいるそうだ。
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途中、アンカーを打つ際にそのロープがスクリューに絡まってしまい、ロープが切断。今日は終始流し釣りかと思ったが、運良く嫁さんの仕掛けにこのロープがひっかかりアンカーを回収。スクリューに絡まったロープもその船の移動には影響なさそうでラッキーであった。
●マゴチ
潮が動かなければ釣果に恵まれないのは日本もオーストラリアも同じ。釣れるのはスイープと言った外道ばかりである。それでもラッキーなことに45センチ級のキープサイズのマゴチをゲット。とりあえず晩のおかずには事欠かなそうで一安心である。
しばらくは待つしかないかな、と思い始めた11時前、うまく沈船にアンカリングされ、沈船よりやや離れた場所に入る。この状況であれば、餌取りも少ないし、本命魚が期待できるよ、と金園さん。それでも餌取りやスイープ(メジナもどき)が時折食ってきていたが、あるときパタッとそれが止んだ。
●強烈なアタリ
「食わなくなりましたね、小物がいなくなったかな」と会話をしていた矢先、私の竿が大きく突っ込んだ。アワセをくれて少し巻き上げたが、とたんに走り出す。ハリスは4号であったので、ドラグは緩め、そのせいか15mも糸が出る。これはちょっと良さそうですよ、とやり取りする。5m巻いては7〜8m出る、という攻防を数回繰り返し、そして、最後に15m走ったところで止まった。やっと疲れたか、と思ったが様子が変である。どうやら根に走られて仕掛けが根掛かりしてしまったようだ。残念ながら仕掛けを切断して回収。錘からみんな取られてしまった。「今のはヒラマサでしょう。ドラグが緩すぎたかな」と金園さんも残念そう。これを見て、朝釣ったサヨリを持参の20号ハリス2mの仕掛けに付け、天秤仕掛けで泳がせることにした。泳がせは置き竿にしておき、餌釣りは続行、という形をとった。
道糸が斜めに入りだし、潮が流れ始めたのが分かる。チャンス到来かもしれない。そしてまたスイープなどの小物のアタリがなくなった時、泳がせの竿が魚信を伝える。「来た、竿をとって」と金園さんが嫁さんを呼ぶ。しかし、竿を取ったときには竿先は水平に戻ってしまった。残念。しかし、ここからゴールデンタイムが始まるのであった。
●King入れ食い!
同じく、泳がせの竿にアタリ。今度は嫁さんが竿を取ると同時に大きな引き込む。乗った!軟調で短いライトトローリング用ロッドが大きく叩かれる。何度かの大きな突込みをかわして、無事ランディング。これも4kg級のヒラマサである。さぁ、群れは下にいるよ、ということで私もジギングロッドを借りて持参のジグでジギング開始。そうやっているうちに、餌を付け替えて仕掛けを降ろしたばかりの嫁さんの泳がせ竿にまたもアタリが到来。これも難なく針掛かりしたようだ。ゴンゴンひっぱる様子は見ていて非常に楽しそうである。これも何とか取り込んで同級をゲット。嫁さんは笑いが止まらない。
そして選手交代。金園さんがサヨリを鼻掛けにしてくれて、それを海底に送り込む。タナは底から5m程度だよ、と金園さんが言うのでそのとおりにすべく底を取った後、じりじりと底を切っていく。ちょうど5mほど上げたであろうか、竿先がバタバタし、ギュンと絞り込まれた。すかさずアワセをいれる。ググーンと強い引きが伝わる。入れ食いだ。ポンピングで締め上げるのは日本での釣りと同じ。竿が2m程度と短いし粘りがあるので非常に釣り易い。50mの海底から難なく上がってきたのは65センチ3kg強級であろうか。
すかさずサヨリのあごを折って針に装着。底を取る、5m上げる。ググン、ギューンとという魚の引きが伝わる。ヒラマサ入れ食い、楽しいぃぃ。これは少しやり取りをして75センチ、5kg級と本日の最大級をゲット。いやいや、本当に楽しい。
●余裕のリリース
反面、ジギングにはアタリがないようで、今日は餌釣りの方が良いようだ。そして、またサヨリを付けて落とすが、今度は即アタリ、というわけにはいかなかった。10mくらい上まで探ってそして再び落とす。そして底ダチをとると弱いアタリが伝わる。おや?と思い、数m巻き上げると魚の引きが伝わった。珍しく食い上げていたようだ。これは今までより引きも弱く、ファイトも楽。水面に姿を見せたが「抜き上げちゃって下さい」と金園さん。余裕の釣りである。抜き上げたヒラマサはややサイズダウンの3kg級。「もうヒラマサはいいよね」とこいつはリリースと相成った。
●船上でサンドイッチ
これを境にヒラマサの群れも去ったようで、気が付けば時間は午後1時近く。ここで金園さんお手製のサンドイッチとビールでランチ。サンドイッチもパンとチーズにハム、それにバター、マスタードを持ち込んで船上でサンドするというもの。この方が断然美味しいよ、と金園さん。なるほど、確かに美味い。快晴の空、凪で青い海の下、船を浮かべてヒラマサ入れ食いを堪能、なんと贅沢なことであろうか。
しかし、この釣りはここでは終わらなかった。ランチ終了後、再び、最後の1尾のサヨリを使って泳がせ、そして餌釣りを再開。餌釣りはランチの間も置き竿にしてはおいたが、アタリがあまりなかったのだ。
●今回もアオリイカ
嫁さんは泳がせ担当。しかし、小物にアタリもないが、泳がせも静か。仕掛けを点検してみましょう、と泳がせの仕掛けを上げにかかるが様子がおかしい。金園さんが何やら感触を確かめて嫁さんに 竿を渡す。ゆっくりとリーリング。そろそろ上がるかな、というところでふっと竿先が戻ってしまった。「あ、イカだ、ほらあそこ」と金園さんが指さす先を見ると茶色い物体が沈んで行くのがわかる。餌のサヨリは無惨な姿に・・・。
●エギング開始・・・しかし
これを見て私は持参の餌木と中錘15号、ルアーロッドでエギングを開始。金園さんが死んだサヨリにアオリイカ仕掛け(孫針がトレブルフックのもの)を装着して再び仕掛けを沈める。そして10分ほどたったであろうか。餌木には何の反応もなかったが、サヨリ餌の方に何やら異変。嫁さんがゆっくりと慎重にリーリング。さっきのような茶色の物体がゆら〜と浮かんできた。「おお、イカだ、イカ」水面まで浮かんできたイカはやっと自分のおかれた状況に気が付いたのか、墨噴射3連発。船の側面と嫁さんに掛かってしまった。でも、何とかか金園さんの構えるネットに無事ランディング。目測1kg程度のアオリイカゲット。今晩のおかずにイカメニューが追加出来た。
●シマアジ連発
この後もしばらくエギングをがんばるが、掛かり釣りではやはり不利なようで、適当なところで見切りを付け、胴付きの餌釣りにチェンジ。しばらくすると、グングンと下に突っ込む何やら良さそうなアタリ。水面に現れた魚体は銀色。ん?スウィープか、と思ったが違う、シマアジだ。思い切って抜き上げる。目測1kg程度と小型ではあるが、今回もシマアジをゲット出来た。そして、またも私にシマアジ、そして嫁さんにもシマアジ。潮が流れ出して群が回ってきたのか、結局夫婦で4連発でシマアジをゲット。ウハウハ状態である。
気が付けばもう14時、これから先は潮が止まって釣れなくなるとのことで、シマアジの食いが止まったところで1日目の釣りを終了とした。
<シドニー沖LongLeef沈船周り、夫婦での釣果>
ヒラマサ 3〜5kg級 6本
シマアジ 1kg級 4尾
マダイ 30センチ 2尾
マゴチ 45センチ 1尾
アオリイカ 1kg級 1尾
他、メジナの仲間、アカエソ、サヨリなど。
のんびりとシドニー湾を桟橋へ向かう。桟橋でスティーブキャプテンを見送って、クーラーの中身を出して記念撮影。なかなか壮観である。
●夜は日本料理屋さんで
その晩はノース・シドニーの「魚屋」さんでディナー。我々の前日に海に出ていた南極観測船「しらせ」の乗組員の人達の釣果(ピンキーやアジなど)と合わせてテーブルはまたも超豪華。金園さんも同席されて、3人でビール6本に豪州産の日本酒「豪酒」8合分を平らげる。翌朝は金園さんのガイドでブルーマウンテン観光にバス釣りの予定もあったが、全員酒は飲めるということで10時半の閉店まで呑む。そしていい気分のままタクシーでホテルに帰り、そのままベッドに倒れ込むのであった。
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