巨大イシナギ浮上、河津沖イカ泳がせ

いや〜すごいです


  1. 日時:2001年2月18日(日)
  2. 場所:河津沖
  3. 参加メンバー:鯛介、恵美、せるじおさん
  4. 時間:午前7時00分〜午後12時30分頃
  5. 潮時:若潮


釣行記

●久しぶりの泳がせ
伊豆連戦二日目、今日はいつもの弓ヶ浜・もき丸からヤリイカ泳がせに挑戦することになった。ここのところ、出船できれば10kg程度のグルメサイズのイシナギがあがっており、船長の指示仕掛けはハリス16号以上。これならライトタックルで十分とのことで久しぶりにナイロンハリスを引っ張り出して仕掛け作りなどにいそしんだ。

当日はせるじおさんの別荘に前泊し少し早めに港へ。右舷トモのみ埋まっていたので、やや西風が強いという予報を考慮して左舷トモから私、嫁さん、せるじおさんと並んで3名分を確保した。そしてこれが運命の分かれ道であった。

今日はこの時期にしては大盛況の片舷6名計12名での出船。まずまずの凪の海を船は北東に進路を向ける。朝の速報ではけっこうナライの風も吹いていそうな感じだったので、船長はもしかしたら近場のヒラメ・カサゴ釣りになってしまうかも、と心配していたが、何とかなりそうだ。

30分ほど走ってポイント到着。まずは餌&お土産のイカ狙いである。反応を探ったあと「やってください、210mくらい」という合図で開始となった。

今回もいつものヤリイカタックルでスラッシュヤリイカ240にダイワ500WP、錘は150号に中錘を装着。まずは幹5号、ハリス3号の市販7本角の仕掛けを使用することにした。

●一投目に遅れる
いつもなら、合図と同時に錘を投げて、となるはずなのだが、今日は市販品の仕掛けをほどくのに失敗。投入前から手前マツリしてしまった。船長から、潮具合が分かるまでは一斉投入、ということだったので、仕掛けをリカバリーしてもしばらく投入を待つことにした。そんなことをしているうちに嫁さんにはアタリがあった様子。結構慎重に巻き上げているが、引きの強さからどうもヤリイカではなさそう。これはスルメイカの3点掛けであった。

船長の許可が出たので私も投入。しかしイカの群は去ったようで、アタリが出ない。そして上り直し。この200mラインを流し、ぽつりぽつりと良型のスルメイカがあがる。私もなんとか1尾目をゲット出来た。しかしまだ船中ヤリイカの姿は見えない。

●落とし込みでアタリでるも・・・
船長は150mからの駈け上がりに移動してみるが、ここはまったくダメで再び200mライン、そして更に深い250mからの駈け上がりへ移動する。この場所でやっとスルメのアタリが出始める。230m程度になったところで200m前後に反応があると船長のアナウンス。さっそく上から落とし込みで誘ってみると弱々しいイカのアタリ。が、これはしばらく巻くとバラし。このバラシのパターンを3連続でやってしまう。なかなか活性は低いようだ。そんな中、嫁さんはまたも4点の多点掛けを達成し船長を驚かせる。

結構潮も速く、左舷胴の間と右舷トモがオマツリすることも多発。潮が速くて底ダチが取れない人がいるようだ。

●仕掛けが悪かった・・・?
左舷ミヨシ2番で竿上げ合図の巻き上げで船中唯一のヤリイカが上がった。スルメは平均で2〜3バイ。私はバラシを多発し4ハイ。嫁さんは多点掛けのおかげでツ抜け。水中ランプを装着し、市販仕掛けから自作の幹4号の8本角仕掛け(上2本は14センチ角)にチェンジ(してからは結構アタリが出た。考えてみるとこれだけスルメが多く、しかも型がよいのだから、14センチ以上の角をもう少し活用してもよかったかもしれない。

イシナギの餌のイカは大きい方がいいよ、と常連のMさん。それならこのスルメイカはおあつらえ向きである。そしてあっという間に10時をまわり、イカのアタリも遠のいたので、船長は泳がせに転向を決意した。

●泳がせへ
今度はやや浅場へまわって水深は130m程度。西風が出てきたが、ここで泳がせ釣りで再開始となった。泳がせのタックルはパシフィックスプリント20-60LBにシマノ400XT。先糸50号、錘150号、捨て糸10号10センチ。ハリスは30号で孫針付きでゴリラ1/0を結んだ。イカは水管とエンペラ付近に針を打つ。

泳がせのタックルを持っていない人はサバ短でオニカサゴ狙いなどをしているようだ。右舷ミヨシの人はいわゆる大道具の人達ばかり。ここのところのイシナギの釣果に惹かれてきたのであろう。

●まずはバラシ
「お、来たか〜」と船長の声。右舷ミヨシ2番で当たったようだ。道具は丈夫なのでなんなく巻き上げ、水面に浮いてきたのは10kg程度のイシナギ。船長の息子さんが今日は乗船しており、彼がギャフを構える。私もアシストにギャフを構えるように船長に言われ待機。が、ハリスをたぐり寄せた瞬間にイシナギが反転。無情にもエラでハリスが切れる。浮いているから取り込めるか、と思ったが、このイシナギは水圧の変化に対応出来たようでそのまま潜って行ってしまった。残念。

●準備不足
確かイシナギは底を取ったら2mくらい上げて、そしてマメに底ダチをとっていればよかったよなぁ、と半信半疑で釣りを続ける。時々嫁さんの仕掛けとオマツリを起こしてしまうが、やはりスルメイカは強く元気。この針の大きさでも良型スルメイカなら全然問題はなさそうである。

次の流し、今度も長い流しの終わり間際の底が落ち込む辺りで右舷ミヨシでアタリ。船は突っ込み流しになっているので右舷ミヨシ方向からアタリがでる。ということは私の釣り座は最も不利ということに・・・。ミヨシがヤリトリしている間に右舷トモのMさんにもアタリ。がこれはしゃぶっただけで食い込まなかった。

左舷ミヨシのオニ狙いのひとには小さいオニカサゴがよく食ってくるようだ。ただ、あのサイズであればリリースして欲しいものであるが・・・

●何とか1尾が上がる
ミヨシの人は無事12kg級のイシナギを取り込む。船長も嬉しそうである。この時点で11時半過ぎ。いつの間にかかなり西風が強くなり、かなり釣りづらい状況に。「風が強くなってきたので、この流しで上がります」とアナウンス。

●最後に魅せ場
そして、またも流しの終了間際の12時過ぎ、ミヨシ2番nお客さんに再びアタリが訪れた。かなり慎重にヤリトリしているし、一進一退の攻防が続いている。船の上下に合わせてポンピングを行っているが、なかなか巻き取りが進まない。

「結構良い型みたいだね」と船長。全員仕掛けを上げて魚を追う万全の体制でのぞむ。嫁さんの道糸がオマツリ仕掛けたが、なんとか竿をこっちにもってきてうまく交差させ事なきを得る。巻き上げの途中にPEラインがかなり切れかかっている場所もあり見学者一同をヒヤリとさせた。

もうかれこれ20分はやりとりしていたであろうか。ハリスは40号だそうで、15kg程度の魚であってもそう簡単に切れはしない。なんでこんなに時間がかかるのだろう、という疑問は次の瞬間に氷解した。

●でかい!
先糸が見えてくる。アシストでギャフを持った私を含め男が3名。海面にボコボコボコという水泡が浮かぶ。「浮くぞ、でかいぞ」と船長。白い影が見えてくる。そして次の瞬間、全員が思わず歓声を上げた。「でかい!」そう巨大イシナギが浮上したのである。

この瞬間から全員興奮状態。まずはギャフを3本かけて取り込みを試みるが、3人の腕だけの力では上がらず、ギャフが伸びてしまう始末。ギャフがはずれた瞬間、いったんイシナギは海に沈んだが、針ははずれずに再び浮上してきた。今度はロープを準備し、口からエラに巻いて取り込みを試みる。私がギャフで支え、その間にロープを2本分を巻き付ける。そして、大の男が6人がかりで船に引っ張り上げる。そして拍手がわき起こった。

でかい!ゆうに80kgはありそうな魚体である。もちろんもき丸レコードであることは間違いない。船上に横たわるその巨大さにみなあっけにとられている。ふと気が付くと12時40分。既に延長の時間帯である。掛かってから取り込むまでに30分以上はかかったであろう。3回流して4回アタリ、2尾ゲット。なかなか有望な釣り場所と言ってもよいのではなかろうか。

帰りは風波がいっそう強くなった海をウネリに逆らって帰港。船からこの獲物をおろすのにも一苦労だった。

<釣果>
スルメイカ 胴長35センチ前後 4尾

帰港後船長と釣り人は検量にでかける。こんな大きな魚を検量する設備などもき丸は持ち合わせていないのだ。我々は片づけてそのまま船宿で検量結果を待つ。

●なんと90kg
しばらくすると船長が帰ってきた。なんと90kgあったそうだ。そして、これはすぐに解体して皆にお裾分けしてくれとのこと。お言葉に甘えてカマの部分を1ブロックとマコを少し頂いて帰った。この解体作業は大工の棟梁でもあるMさんをはじめ数人ががりでノコやナタまで登場して行われた。

残念ながらイシナギの顔は見れなかったが、あの90kgが私のライト泳がせに掛かっていてもきっと上がらなかったであろう。そう言う意味では、取れるタックルに針掛かりしたことは船全体としてみれば幸運であった。

もき丸はほかにイワシ泳がせでハタを狙ったりもしているし、この10kg級のイシナギならなかなか面白そうだし、もう一度くらい狙ってみたいと思っている。


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