渋いがまずまず、石花海ヤリイカ

良型が多数まじりました。


  1. 日時:2001年2月4日(日)
  2. 場所:石花海
  3. 参加メンバー:鯛介、恵美、せるじおさん
  4. 時間:午前7時00分〜午後1時00分頃
  5. 潮時:大潮


釣行記

●やっと石花海へ
やはり冬はイカである。今年はヤリイカは各地で好調。数、型ともにまずまずであることが多い様子。私も昨年から何回かヤリイカ釣りには出たが、いまだに行っていないのは駿河湾は石花海。しかし場所柄、西風が多いこの時期は出船日がかなり限られてしまう。そんな中、やっと巡ってきたチャンスが今回なのである。今回は嫁さんの師匠のセルジオさんとも一緒である。

すいている東名を飛ばして戸田へ。戸田の峠は脇にかなり雪が残っており今年の積雪の多さを物語る。幸い路面凍結もなく集合30分前の4時半に港に到着。石花海に遠征する大型船は岸壁につけられてはいないが、数名の釣りオヤジたちがいつも大型船が接岸するあたりで荷物を広げて歓談している。金曜日に予約した段階ではお客さんは入っていなかったはずだがグループのお客さんが増えたようだ。

5時になるとまず弟の敦船長がやってきた。どうやら今日はマダイの船は出ず助手を務めるようだ。そして沖から大型船がやってくる。接岸されてまずはそのオヤジ達が乗り込む。幸い彼らは左舷と右舷のトモの方に入った様子。私の目当ては右舷ミヨシ寄りだったのでこれをキープ。そして、一番暖かいであろう後部キャビン上段のベッドをキープしにいく。幸いまだ誰もベッドをとっていなかったようで、これも無事キープ。

●情けないオヤジ
しばしの間準備をして、さて、ベッドに潜ろうかと思ってキャビンへ。するとなんと確保したはずのベッドにあのグループのうちの一人のオヤジが寝ている。「すいません、このベッド取ってあったでしょう?」と声をかける。すると眠そうな顔で「いや、俺がとっていたんだ」と言う。「荷物がおいてあったでしょう」というと「俺が来たときには何もなかった、少なくとも俺は動かしてない、このカッパでとってあったんだよ」と言う。そうか、そのカッパ。まずベッドを確保したあとに、ポケットの小物をバッグに入れにキャビンに戻った時に置いてあった荷物の手前においてあったやつだ。それをセルジオさんが自分のカッパを置いたんだ、と勘違いして最初に置いた荷物を横にどけてしまったのだ。

それにしても「ベッド確保」の印の荷物の上に更に自分の荷物をおくとは、このオヤジは自分のベッドを確保しそこねて確信犯でこうやったのだろう。だいたい、まだみんながバタバタ準備しているうちに明るいキャビンで寝ているなんてわざとらしい。きっと寝たふりをしていたのだろう。それに真ん中のベッドにはなかったはずの毛布まで、我々が確保したベッドから奪い取っているという念の入れよう。いい年して本当に情けないオヤジである。最初は怒りがこみ上げてきたが、船長達を困らせてもいけないし、我々夫婦は狭いベッドに2名で身体を縮こませて石花海到着を待つことになった。

●大船団
さて、船は凪の海を1時間半ほど走って石花海へ。ポイントに到着し支度を始める。席順はミヨシから私、嫁さん、せるじおさんである。ふと顔を上げると多数の僚船が目に入る。久しぶりの凪の海なので駿河湾中の船が集まったかのような光景である。

協定の7時を回ったところで「いいですよ。水深は120m。底の方に反応があります」というアナウンスで開始となった。

今回のタックルはヤリイカスラッシュ240にダイワ500WP。錘は120号。まずは幹糸5号ハリス3号枝間1.2mの7本角仕掛けでやってみることにした。角はキラリ角11センチを中心に構成した。

●幸先よろし
投入器から出ていった仕掛けは適度にトモの方向に流れながら120mで着底。糸ふけをとってスーッとしゃくり上げるとイカのアタリが伝わってきた。これは1投目から幸先よいな、としばしゆっくりリーリングしてから巻き上げ開始。見ると隣の嫁さんもあたったらしい。

昨晩の西風のウネリがやや残っているのでミヨシはなかなか辛いポジションではあるが、なんとかバレずに上がってきた様子。仕掛けを手繰ると青と緑の角に1ハイづつメスの小さめのヤリイカが乗っていた。嫁さんはパラソル級のオス。が、この乗りも一瞬だけだったようで、この流しは他の上げた人もいない様子で、潮回りとなった。

●メスばかり、
反応が見つかったようで船がストップ。「いいですよ」の合図で錘を投げる。着底。誘う。しかしアタリなし。こんな状態がしばらく続く。「乗んないね〜上げて。他の反応探してみます」というアナウンスが続く。たまに運が良いと着底であたるが、やはり活性は低いらしく途中でバレてしまうことも多い。トモの方ではパラソル級も結構上がっているようだが、何故か私にはメスばかり。そして嫁さんにはオスの良型。イカのメスにもてても仕方がないのだが・・・。

●バラし多発
9時近くになっても今だバケツには4尾。バラしはこの倍はあるだろうか。乗りが浅いうえにウネリによる船の上下。タフな状況である。嫁さんはこんな状況に飽きてオニカサゴ釣りを始める。もともと二人でイカばっかりたくさん釣っても冷凍庫にイカが溢れかえるだけだけなので、適当なタイミングでオニカサゴに切り替えるべくイイダコなどの餌は持参していたのだ。が、船は時には90mラインの浅場も攻める上、底の状態は泥のところも多く、オニカサゴが釣れるような気があまりしないのも事実。

仕掛けも幹4号ハリス2.5に落としてみたり、餌巻きスッテや必殺赤帽虹スッテを試してみたりするもこの時間帯はなにをやってもだめなようだ。。

せるじおさんは海面でふぐに幹糸をかみ切られてしまったようだ。たまに囓られた跡のついたイカがあがってくることもある。奴らは底のほうから追いかけてくるのだ。

●最初の時合
船中けだるい空気が流れ始めた9時半過ぎ、最初の時合は訪れた。まずしつこく誘っていた私の竿に強いアタリ。その引きに「スルメかな?」と思ったが、これが良型のヤリイカ。やっとこの型が釣れた。しかも他に3本の角にスミがついている。すかさず仕掛けを落とす。すると着底を待たずに仕掛けの沈降が止まる。イカが仕掛けを受けたらしい。チャンスとばかりに追い乗りを待ちリーリング。これもバラしがあって良型が1尾。「なんか反応が良くなってきたよ」と船長。良い群を捕まえたようだ。3回目の投入でも仕掛けが止まる。が、これも残念ながら多点でなく1尾のみ。もう一度、と思ったがここで嫁さんとせるじおさんを巻き込むオマツリ。しかしこの時点で反応は消えたようだ。

 やっと良型

この後も船長は懸命に反応を探すが、なかなかよい反応は出ないようだ。よい群を捕まえたらしき情報が入るのか、船がまとめて移動する光景も何度かみられた。やはり休日で船が多く、数少ない反応をつぶしてしまうのがいけないのであろう。

●ジンドウイカも
またもバラしを多発する反応。同じ流しで3連続でバラし。おかしいなぁ、と4回目はかなり慎重に仕掛けを送り込み、巻き上げもドラグと巻き上げスピードを細かく調整。やっとイカが上がってきた。と、なにやらヤリイカと風貌が違う。そう、この地では言う「ジンドウイカ」である。型も胴長23センチ程度とまずまずである。今年はマルイカが釣れるといいけどなぁ。どうやら日が高くなるとピンク系の角に乗りが良くなってきたようだ。ということはレッドヘッド系もイカにうけが良いはず。一番下には赤帽虹スッテをハリスを長めにしてつけておく。

 使った角全景

昼前はまた反応がなくなる。クルージング時間も長くなり、しゃくる腕にも気合いが入らなくなる。オニを狙おうか、とも思うが底質からして望みは薄そう。潮は時折速く流れている場所もあってオマツリを誘発することもあるが、基本はトロトロ。何故かイカの活性が低いことが問題なのだ。

あっというまに時間は12時過ぎ。やっとツ抜けしたかな、という釣果である。今一度仕掛けを交換。最後の1時間に賭ける。そういえば昨年も石花海ではツ抜け出来なかったんだよなぁ、などと話していると最後の最後に時合いがやってきた。

●最後に時合
先ほどの仕掛けを受けるほどの群ではないが、ポツポツと周りでもイカが上がり初めた。どうもイカがアタるのは仕掛けをポーズして2秒くらいたってからのようで、この仕掛けを静止させることが今のパターンらしい。1尾ずつではあるが、バラし、も交えながら少しずつ数を伸ばす。特にこの赤帽虹には乗りがよかった。

「乗りは良くなってきたけどね、時間がないなぁ」と船長、石花海の協定時間は13時まであと20分も残り時間はないのだ。

 赤帽日に乗ったイカ

結局時合いは徐々に過ぎ去り、尻すぼみの感じで終了時間お13時を迎えることなった。
<釣果>
ヤリイカ 胴長 22〜46センチ13尾
ジンドウイカ 胴長23センチ 1尾

嫁さんは二兎を追ったのがいけなかったのか、残念ながら4尾に終わってしまった。せるじおさんは7尾。船中釣果も十数尾が平均ではなかろうか。

帰りは更に凪の海を進む。ベッドも無事奪還、というかこの妙なオヤジの集団は何故か帰りはキャビンの外で寒い中ずっといたようでおかげで我々3名は暖房の効いたベッドで90分間仮眠が出来た。

●マイブーム「活かして持ち帰る」
今回は何尾かのイカは活かして持ち帰ろうということで、イカは50Lクーラーをイケス代わりにして活かしておく。戸田湾に船が入ってから、バケツからクーラーに移そうとしたときに私の手から1尾が戸田湾に逃げていったが、これはご愛敬。あいつは運の良いイカなのだ。

今回は釣果の割には考えることがいっぱいあってなかなか充実感の高い釣りであった。ベッド泥棒オヤジさえいなければもっと気分は良かったと思うのだが。次回からクーラーによる場所取りだけでなく、ベッド確保においても少し考えなくてはいけないようだ。

 クーラーで泳ぐイカ

そこそこは釣れるがなかなか爆発はしない私のヤリイカ釣り。次回こそは多点掛け連続で60尾オーバーを実現したいと思う。それまでにイカの配布先リストを作らないとね。

ちなみに家まで生き残っていたイカはメスが2尾のみでした・・・。


釣行記集へ