大型爆釣!相模湾本ガツオ

獲物全景


  1. 日時:2000年9月20日(水)
  2. 場所:相模湾一帯
  3. 参加メンバー:上甲
  4. 時間:午前6時00分〜午後2時00分頃
  5. 潮時:小潮


釣行記

●大型カツオよ!
相模湾の夏はここ数年、毎年カツオの群れが舞い込んできている。ただ、1kg程度の小振りなものの群れが多く、数釣りは出来るが、食味の面ではやはり大きなカツオにかなわない。
が、2年前のシーズンは3kg級の良型の本ガツオが相模湾のかなり沿岸まで寄って来て、相模湾一帯の船宿は本ガツオフィーバーが一週間程度続いたりした。幸い、この時は会社を休んで突っ込むことが出来、まずまずの釣果を得ることが出来た。
昨年も10月になってからであるが、竿釣りで良型カツオやメジを釣る機会に恵まれた。あのカツオの味が忘れられず、今年も良型カツオが釣れ始めるのを心待ちにしていた。

●来た!しかし・・・
そして待ち人はやってきた。9月の第三週、相模湾内で3kg級のカツオが食い始め、ハリス切れ続出という釣果が報告され始めた。すぐにでも突っ込みたいところであるが、生憎我が愛車は修理中。地団太を踏みつつこの群れは見送る。2年前の経験で、平日にカツオが食い始めると平日の間は良いが、週末になると多くの船が群れに殺到し釣れなくなってしまうのではないかと危惧したが、案の定、この群れは週末には食わず、大型カツオ釣りの機会を今シーズンは逃したかに思えた。

●第二陣来襲
ところが、19日の釣果速報のこと。剣崎の船が朝方ワラサを狙った後、11時頃から城ケ島西沖でカツオ狙いに転じ、ハリス切れやバラシ続出の中、大型カツオを結構ゲットして帰ってきた、とのこと。ちょうど代休が使えるタイミング。さっそく休みを申請。あとはどの船宿から行くか、ということであった。

とりあえず剣崎の船宿に会社から電話。ワラサはバラシ多く0〜2。他にタイ、イナダ。終盤模様が出てカツオ狙って大型を獲ったそうな。予約は不要であるが、とりあえず明日行きますと言って電話を切る。
念のため、葉山の愛正丸にも探りの電話。城ケ島の西沖でカツオ狙いハリス切れ多数でカツオは0〜2本程度だったそうだ。明日もこの大型カツオを狙うとのこと。そして、竿釣りの方が有利であることも聞く。オキアミは船宿にあるそうだ。

剣崎の船の朝ワラサ、中盤マダイにイナダ、終盤カツオと来れば1粒で3度美味しい。これはなかなか面白そう。この時点で仕事が手につかなくなる。

●一兎を追う!
だがまてよ、ワラサは他の船宿情報では船中2〜3本だし、カツオも模様が出たら行く、という程度。相模湾の奥の方でカツオの模様が出たら時間的に行かないのではないか、と心配になり再考する。ワラサはまだシーズンはこれからだし、今しか釣れないであろうカツオ釣りに専念しよう。そう思い直し結局葉山はあぶずる港、昨年もお世話になった「まさみ丸」に行くことにした。

当日は早めに出発し、途中で大き目のオキアミを仕入れて葉山へ。3時半に到着するが船宿はまだ開いていないので、「メジ・カツオ」の立て札が立っている船の右舷トモを確保して待合所の前で待機。1番乗りだった。4時過ぎに駐車場のゲートが空いたので入場する。

受付を済ませ、車内で軽く朝食。5時を過ぎるとうっすら明るくなり始めたので準備開始。愛正丸の船長が現れたので挨拶をかわして少し雑談。やっぱりカツオのサイズが大きすぎて、なかなか上げられないそうだ。でも今日は平日ですいているので、それなりにやりとりすれば獲れる確率も高くなるとのこと。

準備をしている船長を捕まえてオキアミ購入を伝える。1ブロック500円。このブロックは更に半分に割れているので小出しにして使って、と指示が出る。今日は暑くなりそうだから、このブロックと持参分の3つのオキアミを小出しで使えば量的にも質的にも1日もつであろう。

船は定刻6時に右舷6名、左舷7名の13名を乗せて出船。ミヨシの2名はルアーマンのようだ。

●海悪く裏目???
船は港を出ると南西方向に進路をとる。おそらく昨日大型カツオが食ったポイントに向かうのだろう。しかし30分ほど走ると北東風がだんだんと強くなり、ウサギが飛び始める。ウネリも出てきた。この状態だとナブラが探し辛いし、何よりカツオやメジがなかなか浮いて来ないのだ。

時折、鳥の群れや潮目でスローダウンして船長は反応を探る。その時の無線で「このナライが収まらないと魚は浮かないんじゃないかぁ?」とどっかの船の船長がぼやいている。うむむ、今日は凪の予報だったのに。この海ならワラサの方が食いそうな感じだぞ。葉山の船宿を選んだのは裏目に出たか?

●やっと釣り開始
この場所を諦めた船長は今度は北西に進路を取り進む。右舷は結構波飛沫をかぶるので私はキャビンに待避。船は止まる気配がないのでそのまま横になる。30分ほど走ったであろうか。キャビンを出てみるとちょっとした鳥山が出来ている。ここでやっと「いいよ〜、15mから上でやって。魚はそのへんうろちょろしてるから」という合図で開始となった。この時間にしてもう9時頃である。
今回のタックル及び仕掛けは以下の通り。
・竿:Ugly Shot 12LB
・リール:Shimano レバードラグXT4000、PE10号
・サニービシLサイズ60号
・ハリス16号2m針ヒラマサ13号

まずはオキアミを抱き合わせで装着して海中に送り込む。「餌の人は10mで合わせて」と船長の指示が出ていたので、13mまでビシを沈めてからコマセを振りつつタナを取る。そしてそのまま待つか、最後コマセを振ってみる。これを数回繰り返してアタリがなければコマセを打ち返す。

 今回のタックル

●クルージング船
すると、ミヨシの方でアタッた様子。しかしこれは水面でバレてしまったようだ。「おお、いるぞ〜」と船長もハッパをかけるが、この場所はこれっきりでアタリなし。再びクルージングとなった。

朝から釣りはほんの10分ほどしかしていないので、あまり喉も渇かないし腹も減らない。でも他にやりこともないので、コーラ片手にパンをぱくつく。昨日の大型カツオの海域が凪悪くてダメとなると、沿岸部のキロ級のカツオやメジを釣るのかな、とちょっとがっかり。

10時半頃、ふと携帯に目をやると、八倉丸の女将さんからメールが来ている。それも「ワラサ食ったよ!」という内容。これは完全に場所選び間違えたか、としぼむ。それでも今日は平日で同行できない彼女から「諦めないでがんばれ!」とメールをもらい、なんとか気持ちは持ち直す。わらさも本格的な食いではないようだ。

●気が付けば初島
11時前、行く手に船団が見えてきた。その向こうには初島が見える。ほとんど相模湾横断のクルージングの折り返し地点である。この船団に合流し再開始となった。最初の2流しほどは空振り。僚船はカッタクリの船が多いが釣れている気配はない。

船団を少し離れて3流し目。ミヨシでアタリ。そして私の隣のおじさんにもアタリ。キロ級のカツオが上がっている。そして私の竿にも本日最初のアタリ。すんなり取込んだのはキロ弱のカツオ。船中ポツポツとカツオが上がる。しかし釣果速報なので聞いている「入れ食い」とはほど通り状態。5分ほどでアタリが遠のいた頃合いで船団を大きく離れる。低速で反応を探っているようだが、思わしくなさそう。

途中、反応を見つけやってみるもこれはペンペン級のシイラの群れの様子。2尾ほど掛けたがお帰り願った。

これだけ食いが悪いので仕掛けを小さくする。ハリスは12号にして長さも4m程度に。針もヒラマサ12号と小さくする。

今度は佐島の志平丸の真横で再開始。無線で「下にサカナが付いているから」と話してしている様子からして少しは期待出来そう。ここでもう1尾チビカツオを追加。が、ここも船が次第に集まって来て、そしてアタリが遠のく。そしてまたクルージングとなった。

●凪模様に期待
次第に空の雲も取れ、北東風もほぼ止んで凪に。もはや陸地は見えないので船はどっちに向かっているかも検討も付かない。時折速度を落としては海面で休んでいる鳥の群れの近くを探索するも反応はないようだ。

このまま50Lクーラーにチビカツオ2尾で帰るのであろうか。今日は昼飯にと買ったコンビニのざるそばを車に忘れてくる失態。でも釣り時間が非常に少ないので腹も減ってないし、座席に座ってウトウトして1時間ほどが経過した。

●相模湾往復
ふと船の左舷方向に目をやると城ケ島らしき風景。さらに南東方向に向かっている様子からこれから沖の瀬にでも行くのか、と想像する。しかしもう12時を回り、実釣時間はあと2時間もないであろう。でも、カツオ釣りは1群れ当てればそれでクーラー満タンも有り得る。最後のこの場所に期待するしかないのだ。

船首方向に4〜5隻の船団が見えてきた。と、船長と他の釣り客との会話で「大きいカツオが・・・」というのが聞こえてきた。もしかしたらあの船団は昨日出た大型カツオの群れを捕まえているのだろうか。いや、きっとそうに違いない。もうすぐそこに見えている船団、そこに辿り着くまでの時間がまどろっこしい。早く早く。

●ドラマは終盤に起こった
今までの群れの状態からサカナの食いはあまり良くなさそうなので仕掛けはそのままにしておく。気が付くと船は船団に合流して反応を探っている。と、僚船を見るとタモを構えているのが見える。上がっているのは・・・大きい!これを見て慌てて先ほど変えた16号のハリスに仕掛けをチェンジ。チェンジし終わって餌を装着したところで「いいよ〜、すぐやって〜」と船長の一際大きな声が聞こえた。

●来た!大ガツオ
慌ててビシを海面に落とす。タナは10m。コマセを振って待つ。と、ミヨシの餌釣りの竿が大きく突っ込んだ。先ほどまでのカツオとは曲がりが明らかに違う。大型カツオだ。

と、私の竿にもモゾモゾというアタリ。身構えたとたんに竿先海面に突き刺さらんばかりに曲がった。反射的に合せをいれると、そのとたんに魚が突っ走った。カツオのパワーに圧倒され竿がのされる。10m以上糸が出たであろうか。ドラグのレバーを1段締める。そして巻き上げていく。10m出ても20m前後のやりとりであり、まずまず楽である。最初の突っ込みはすごかったが後はすんなり上がってきた。ビシをとり「船長、タモ〜」と叫んでハリスを掴もうとしたトタンにまたカツオが走る。きつく締めたはずのドラグだがまた10m糸が出てしまった。そしてまた巻き上げる。ハリスを取る。2m前後のハリスなので大きく手繰る必要はない。海面でもバシャバシャ暴れるカツオをハリスの太さにまかせて強引に寄せてタモへ。「デカイね〜」と船長も興奮気味になっている。

 血抜き中のカツオ

大きい。一昨年の3kgのカツオよりもでかいぞ。やっと出会えた大型カツオ。心なしか膝が震えている。気が付くと左手の指サックが床に飛んでいる。その手でハリスを手繰ったせいて結構大きな傷が出来てしまった。でも痛くないのだ。

「あげて〜、魚はいつまでも下にいないからねぇ」と船長の檄とも取れる言葉。この最初の流しで3〜4本のカツオが上がった様子。いずれもタモが必要な大型である。

●餌盗り?
2流し目。今度はアタリらしきものはあるものの針に掛からない。仕掛けを回収すると餌はない。この暑さでオキアミをへたり気味で落ちてしまったのかなと、ここでパックのオキアミを開封。しかし餌を付け替えても同じような小さいアタリがあるだけで食い込まない。2流し目はこの???なアタリで終了。餌獲りがこんなところにいるとも思えないし、なんであろうか。

●アワセが肝心
次の流し、同じようなアタリで食い込みを待たずにアワセを入れてみる。と、ググーンという引きが伝わってくる。そのままリーリングに入るが、先ほどのカツオほどの引きではない。もしかしたら小型カツオを掛けたかな、と思ったが、ビシが上がってきた海面を覗くとやはり先ほどと同サイズの魚の姿。と、その瞬間、魚は反転して疾走。また一気に10m糸が出た。こいつは針に掛けた瞬間が大人しかっただけに海面でのやりとりに相当手こずったが何とかタモ入れ。

次もモゾモゾの前アタリ?で合わせる。掛かった。が、これは少し巻いたところでバラシ。そして潮周り。だんだん潮回りまでの時間が長くなっていく。いい感じである。

●バラシも多く
3尾目をゲット。4尾目はハリスに手が届いたが、タモが間に合わずにバラし。と、これでケチがついたのか、しばらくアタリが遠のく。時合が去ったかな、と思って餌をオキアミ1尾掛けや持参の冷凍キビナゴなどにしてみるも不発。そうこうしているうちにまた船中活気付き始める。アタリが戻ってきた。

が、私の竿は沈黙。隣のおじさんもバラシの後に大型カツオをゲット。見るとオキアミは抱き合わせ。やはり抱き合わせがいいのか、と餌の付け方を元に戻す。あと、本当は反則なのだが、付け餌にはならないヘナヘナのオキアミをアミコマセに少し混入させてみた。

●置き竿にも
釣ったカツオをクーラーに放り込んで整理しようとして置き竿にと下を向き顔を上げると竿先が大きくしなっている。竿を手にとった瞬間にキーパーから竿がはずれた。はめ込みが甘かったようだ。あぶない。置き竿に食ったので竿を支えるのが精一杯。このカツオは一気に20m走った。その間、私はただ竿をもって耐えるのみ。無理に止めたら16号でも切られそうな勢いだ。

このカツオは針を飲み込んでしまった。ペンチではずしてもよかったが、その時間が惜しかったので仕掛けを交換。今度はハリス20号(ナイロン)針はヒラマサ15号と大ぶりに替える。こんな仕掛けで食うのかどうか少し不安ではあったが、直後のアタリでそんな不安は飛んだ。

●ポイントは「オキアミ」
2度のバラシを交えながらも4〜6尾目をゲット。船中ポツポツとアタッてはいるが、ほぼ空振りなしなのは私くらいのようだ。特にカッタクリが多い左舷はアタリが遠い様子。見かねた船長がオキアミを他のお客さんからもらってきて分けてあげたりしていた。ちなみにそのお客さんは船中最後のボウズだったが、オキアミ餌で無事カツオをゲットしたようだ。

「タナは何mくらいでやってますか?」と隣のおじさんに聞かれる。「10mですが、最初のアタリで合わせた方が良いみたいですよ」とアドバイスする。その後、このおじさんもバラシも交えて2尾の良型カツオをゲットしていた。

無我夢中で釣り釣り続けたが、そろそろクーラーの空きが心配である。バケツのカツオを移して、飲みものや氷を整理してなんとか全部の魚を収めることが出来た。

 50Lクーラーの状態

時間は13時40分。「船長、いつまでやるの?」と聞くと「切りがいいとこまで」ということは食いが落ちるまでしばらくはやるということだろう。でもクーラーのスペースを考えるとこれ以上は無理。片付けモードに入る。それでも一応仕掛けだけは入れておいた。コマセはまったく振らずの置き竿なのでさすがにカツオは掛からないようだ。

ビール片手に釣り座の周囲を海水で洗ってざっと片付いた。ビールが旨い。本当に旨い。

●最後にもう1尾
そろそろ竿を仕舞おうかな、と思った矢先、竿が曲がった。こいつも20m走られた。私もそろそろ腕や腰に力が入らなくなってしまった。そのせいかやりとりや獲り込みを少しもたついてしまい、逆舷と隣を巻き込んでオマツリ。でも何とか船長の協力でカツオはタモへ。オマツリ処理でハリスを切断したのでこれで私は終了とした。

カツオを締めてもう一度クーラーの中身を整理。飲み物はみんな出してバッカンへ移したところ、なんとか全部のカツオを収めることが出来て一安心。

隣のおじさんがもう1尾のカツオをバラしたところで「そろそろ帰ろうか」と船長。14時に終了となった。

<釣果>
本ガツオ 3.4〜4.4kg 7尾
本ガツオ 1kg級 2尾
シイラ(ペンペン級) 2尾

帰りの道中は約1時間。カツオ爆釣の興奮からかまったく眠くならず、潮風を顔に受けながら余韻を楽しみつつ、15時過ぎに帰港した。

●今年はやったぞ
港では愛正丸の船長がみんなのクーラーの中を見て「デカイね〜」と声を掛けて回っている。私もHomepageに載せるための写真をとってもらってから氷を補充。そして車を回して来てクーラーを載せる。ぎっくり腰になるかと思うくらい重かったが何とか搭載完了。帰り道は上機嫌で帰宅した。

 港にて
今回は、昨年秋の竿の餌釣りでの反省があってのこの釣果である。ハリスは太く、クッションは付けない。クッションは獲り込み時に延びまくって魚が暴れて大きな奴ほどかなりの確率でバラしてしまうのだ。昨年のこの反省がなければ20号のナイロンなんてハリスは持参しなかっただろう。

さて、釣ったカツオ、そのまま近所に配っても困るだけだろうと、半身にしてから配った。いずれのカツオも丸まる太っていたし、胃の中はイワシでパンパンであった。この餌のイワシに付いてカツオが回遊しているのだろう。

船長によれば、昨日は城ケ島西、今日は城ケ島と沖の瀬の間、だんだん遠くなっていって明日は沖の瀬ではないか、と冗談混じりではあるが、そういう話であった。つまりいついなくなるか分からないのが青物、特にこのメジやカツオは特に群れの移動が速いのだ。

ちょうど良いタイミングで突っ込むことが出来た幸運、それに最後まで相模湾中を走り回って最後にみんなに良い思いをさせてくれた船長に感謝である。


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