ワカシ入れ食い!平塚沖タイ五目

クーラーは賑やか!


  1. 日時:2000年8月15日(火)
  2. 場所:平塚〜二宮沖
  3. 参加メンバー:上甲、山崎
  4. 時間:午前6時30分〜午後1時00分頃
  5. 潮時:大潮


釣行記

「年に一度だけ」の釣りというのを持っている人は結構いると思う。私の場合、それは「相模湾のワカシ(イナダ)釣り」である。

この釣り、小さくて脂の乗りもよくない魚をそんなに釣ってどうする、という声をよく聞く。確かにその通りであり、私もそう思う。しかしこの釣りにはこの釣りの面白さというものがあり、やはり年に一度くらいは行っておきたいのである。

とはいうもの、ここ2シーズンほどはワカシ・イナダは低調。解禁当初に少し釣れた程度でその後は主役がメジ・カツオやタチウオににバトンタッチしてしまっていた。私もその流れにのって、カツオ釣りでは良い思いが出来たが、イナダ爆釣の記憶は1997年までさかのぼってしまうのだ。

●今年は好調のワカシ・イナダ!
今年は解禁からイナダ級混じりでワカシは好調。連日クーラー満タンで早上がりの報告が聞かれている。たしかにワカシは10尾以上釣ったところで、あとはどうにも処分に困ってしまうのが正直なところ。ならば、平塚・庄三郎丸で出している「タイ五目」でワカシ釣りを楽しみつつ、マアジでお土産、うまくすればハナダイやマダイを釣ってしまおうということを企てた。

タイ五目は基本的にはウイリーシャクリ。しかし四隅に入ればきっとルアーやカッタクリも出来るはず。お盆休み中で混雑も予想されたので早めに4時過ぎに船宿に到着。やはり既にかなりの人が待合所におり、活気がある。主にルアーマン達である。

受付にはルアー3隻、ワカシ3隻それにタイ五目1隻分の座席表がおいてある。タイ五目は両舷のトモのみ埋っていたので、同行の山崎さんの分と2名分を右舷ミヨシから確保した。

●船宿は盛況
駐車場もどんどん埋っていき、ルアー船が出船する6時頃には見える範囲はほぼ満車状態となった。ルアー船もほぼ満船、ワカシ船も新しい大型船を割り当てて片舷15名くらいは乗っている大盛況。「前の方の人はコマセ桶は2人で1つ」と船長がアナウンスしているほどである。

ルアーとワカシ船を見送ると喧騒が収まる。そして荷物を桟橋に運んで今度は我々の出船準備。結局タイ五目は2隻出しになった。我々の船は中型船だが片舷8名とまずまずの釣りやすさである。

●まずはワカシ、イナダ
全員が乗り込んだのを確認して6時半に出船。船はそのまま西へ。「最初はワカシ、イナダやります」と船長。行く手に船団が見えてきた。我が船もその中に混じって反応を捜す。5〜6分とやや慎重に反応を見た後、船団より少し離れたところで開始となった。指示ダナは20mより上。

今回のタックルは新調した関東作のシャクリ竿に両軸リール。60号サニービシLサイズにクッションは1.5mm50センチ。仕掛けは市販品を使用する。とりあえず2号3m3本ウイリーの仕掛けを使用することにした。

ビシを上から23mまで一旦落としてから指示ダナへ。そこからシャクリを開始。まずは水深10m前後までしゃくってみる。1投目は空ぶり。が、2投目からコマセが効いてきたのか、周りでサバが釣れ始めた。と、私の竿にもアタリ。サバかな?と思ったが水面に姿を現したのはイエローラインの入ったワカシ。30センチはあり、もう少しでイナダ、と呼べる大きさである。

 ワカシのサイズはこんなもん

●入れ食い!
ここからはサバ混じりでほぼ入れ食い。どの針にも食ってくるが、総じて一番上針に食ってくる。コマセにどんどん突っ込んで来ているようだ。時折オマツリもあるが、魚が掛かるのは10m前後、果ては5m。これだけ浅いとオマツリも少なくて釣りやすいのだ。

適当な数のワカシをキープしたところでカッタクリを準備。仕掛けに入れにずっと眠っていた仕掛けを接続してやってみることにした。ハリスは5号2mの2本針、バラフグとハモ皮のバケを使用する。

最初の1投こそ空振りだったが、こちらも次第に入れ食いに。20mまでステン缶を沈めてからカッタクると上から7〜8m付近でガツンと当たる。この感触がたまらない〜。
試しに当たるタナを直撃でカッタクってみたがこれは不発。逆に落とし込みで食うこともしばしば。しばらくは入れ食いを楽しむ。
バケの方がウイリーよりも型が良い様子。それでも見た目小さ目なのはどんどんリリースする。今日は今まで姿を見せていなかったという平・丸ソーダも姿を見せている。まだまだ小さいが、この平ソーダの大きいのは美味なのだ。

今日は曇り空であるがほぼ無風で船はスパンカーを畳んでいる。潮も適度に流れていて、濁り具合もまずまずである。好条件が揃っているのだろう。

●カッタクリ爆釣
ちょっと疲れたところでカッタクリは山崎さんへバトンタッチ。最初はぎこちなかった彼女のカッタクリだが、それでもワカシは食ってくる。段々とサマになるようになってくると一荷でもガンガン食ってくる。「面白〜い」と御満悦の様子で連れてきた方としては鼻が高い。

 一荷でゲット

私はといえば、今度はルアー(ジギング)を試してみる。が、最初の1投こそサバが掛かってきたがその後は不発。ジグをとっかえひっかえしてみるがダメな様子。やはりコマセの方を追っているのだろうか?

ワカシ中心なので今度はハリスを3号に上げてウイリーシャクリ再開。が、何故か私の竿にはサバが多くかかる。サバとワカシの比率が3:1くらいであろうか。

山崎さんによれば「深いところで掛かるワカシは大きい」そうだ。ならば、と25mまでビシを沈めてしゃくる。なるほど、本当にイナダの一歩手前のサイズが竿を絞る。

こんな状況は8時半頃まで続き「そろそろみんなクーラーにも入ったようだからあと10分ほどしたら漁礁を回ってみます」と船長からアナウンスがあった。

●ワカシ打ち止め
約90分で釣ったワカシは30尾程度であろうか?数えている余裕などなかったので総数は不明だが、サバ、ソーダ混じりでほぼ空振りがなく、非常に楽しい時間を過ごすことが出来た。

程なく船は更に西へ移動。大磯ロングビーチをかすめて大磯沖へ。僚船は浅八丸の真鯛船とのこと。仕掛けをハリス1.75号の細目のものに変えて気分一新でワカシ以外の魚を狙う。

この場所ではアタリなく船は更に西へ。二宮の手前まで来て潮回りして再開始。水深は25m前後と浅い。ここではしばらくすると周りで竿が絞り込まれ始めた。ワカシがまた回ってきたようだ。

●ワカシを避けるには
ワカシはもう十分なので私は底付近で小刻みかつゆっくり目のシャクリを繰り返す。と、今までとは異なるアタリ。巻き上げ時の抵抗は弱くこれはウリンボの一荷。それでも「今、小さいけどイサキが一荷で上がったよ」と船長がアナウンスする。このウリンボの上にいるであろう大きなイサキを狙うがその後は不発。

割と潮が行っているようで、何回か潮回りを繰り返す。ある流しの時、数回目の投入で糸が60m以上も出ていった。ソーダでも掛かってビシを持って行かれているのかと思い、とりあえず巻き上げてみる。が、その様子はない。「ここ深い?」と山崎さんに聞くと60m程度、とのこと。そのまま二度仕掛けを落とす。そしてあまりコマセを撒かないようにしゃくる。するとアジらしきアタリ。慎重に巻き上げたがこれは20センチ級のマルアジ。「アジが上がったよ」と船長はアナウンスするがちょっとこっ恥ずかしい。

●金色マアジ
すると山崎さんが食べごろ25センチ程度の金色のマアジをゲット。お、マアジがいるじゃないか、と私も気合を入れて再投入。底から慎重にしゃくったところ、5mくらい底上でアジ特有のアタリ。先ほどからアジらしきアタリで巻き上げても、その途中でサバやワカシが食いついてしまいアジが振り落とされているようだ。ならば、針数だけアジをくっ付けてしまえばいいだろうと、少し長めに追い食いを待つ。一際重量感が増したところで巻き上げ開始。リールのメーターは65mを指していて先が長い。
その甲斐あって上がってきたアジは3つ。「お〜アジ3尾上がったよ」と船長。狙ってやっただけに、これは嬉しいかった。
その後、浅場に登り直すとウリンボの一荷。そして深くなってアジ。こういうパターンのようだ。

船中見回すと、アジやイサキを上げているのはごく限られた人達だけの様子。私の場合、ちょっと細めに仕掛けが良かったのだろう。証拠に、ワカシとアジの一荷でハリスを切られ、細い仕掛けの在庫がなくなってからはアジのアタリが遠くなった。

また、長竿で置き竿の人、ビシ竿に電動リールの人、更にスピニングリールを使用している人。魚だけでなくて釣り人も五目状態でいろんな人が乗船しているようだ。

●ソーダの邪魔は例年通り
その後、この深場では良型30センチ級のマアジも混じり始め、一層気合が入る。ワカシやソーダに邪魔されながらも私と山崎さんで1尾ずつの30センチオーバーを釣ったところから、表層をサバとソーダが回遊。仕掛けが落ちなくなってしまった。船長はこれを見て移動の合図を出す。

 こんなアジも

この頃から潮が止まり、道糸がほとんど真下に落ちるようになる。同時に魚の食いも止まり、船中沈黙が続くようになった。

船はだんだんと東に移動しつつ、各所のポイントを回るがどこも不発。たまにワカシやソーダが混じるだけ。

ふと見るとまだ11時前だが、僚船がいない。ワカシの船は爆釣で早上がりだったのであろう。妙にガランとした平塚〜大磯沖である。

結局このまま大きな盛り上がりは訪れず、最後は平塚真沖、潮位計測塔と定置網周りの漁礁まで辿り着いたところで、13時の終了を迎えたのであった。

<釣果>
ワカシ 28〜38センチ 30〜40尾(キープは10尾程度)
マアジ 22〜30センチ 6尾
イサキ 20センチ級 4尾(リリース)
他にサバ、マルソーダ、平ソーダ。

赤い魚こそ釣れなかったが五目は達成。曇っていたおかげで暑さに負けずに快適に釣りが出来、夏の一日をビール片手に楽しめた。はやり年に一度、これはやめられなそうだ。


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