潮流れず苦戦、飯岡沖シリヤケイカ
爆釣ではなかったですが。。。
- 日時:2000年6月17日(土)
- 場所:飯岡沖
- 参加メンバー:上甲
- 時間:午後1時00分〜午後5時00分頃
- 潮時:大潮
釣行記 飯岡でシリヤケイカが爆釣である。この爆発ぶりは9年ぶりだそうで、トップは良い時は150尾くらい。スソでも50尾程度という釣れっぷりである。このシリヤケイカ、名前だけは知っていたが実物は見たこともないし食べたこともない。噂によれば産卵前で旨くないとか、そうかと思えば柔らかくて旨いとかいろんな説がある。それに100尾も釣れてしまっても困るしそんなに単純に釣れる釣りは今一つ気が乗らなかった。
が、根っからイカ釣りが好きなのでやはりずっと気になっていた。そんな折り、18日の午前船で大原に行くことが確定。ならば前日はどっかで午後船に乗ろうと思い立つ。幸いシリヤケイカに必須の凪ぎ続きという条件は揃っているようなので飯岡・長五郎丸の午後船の予約をいれる。自宅から飯岡まで3時間を見込んで9時頃に出発。12時集合で出船は13時だそうだ。途中の道は順調、飯岡の街に入ってからは地図とにらめっこで何とか船宿に到着したのは11時半頃。意外と時間は掛からなかった。
船宿に到着すると女将さんが迎えてくれて、ざる蕎麦を出してくれたのでありがたく頂く。この蕎麦のために集合は早めにしてあるとか。食べ終えて乗船料5000円と仕掛け1組2000円分を支払い港へ車で移動。船は大型船の方が仕立てになっているそうで、古い方の船になるそうだ。
港で船はすぐに見つかり場所を確保に走る。左舷ミヨシがあいていたのでここに決める。午後船ならではのんびりとした雰囲気の中、準備を始める。
●午前船の調子は?
12時を回ると続々と午前船が帰港してきて次第に賑やかになる。シリヤケイカらしい船も帰港してくる。お客の様子を眺めてみるが、みんな真っ黒になったビニールにイカを入れているが、束釣りと言った様子は見られない。ちょっと不安になる。天気予報は昼過ぎから雨。いつザーッと降ってくるか分からないのでカッパはフル装備。風も南寄りがやや強くなり始め空も暗い。
氷と缶のお茶が配られて、午前船からの乗船者が乗り込んだ後、13時頃に出船となった。右舷5名、左舷3名を乗せて港外へ。途中、常連さんが「このタル1ぱいくらいはすぐに釣れるからね」と声を掛けてくれた。その常連さんによれば釣り場は港沖すぐだそうだ。
●ポイントは港前
その通り、航程5分程度の港口が見えるあたりで船は潮周り。丹念にポイントを探った後、13時10分に開始となった。水深は10m程度である。タックルの選定には迷ったが、前日に船長に電話で聞いたところ「コマセシャクリ竿で十分」とのことだったので普段イサキ釣りで使用しているものをそのまま使うことにした。
錘は30号で、捨て糸の先に輪ゴムを装着しオモリをぶら下げ根掛かりに備える。
仕掛けの詳細は不明だがおそらく幹5号、ハリス4号で枝間は60センチ程度の3本スッテである。船宿製は上からピンク透明トトスッテ、白透明トトスッテ(S)、緑布巻トトスッテである。ハリス長は10センチ程度と短め。●不安的中
海上はやや南風が強くうねりが沖から入ってくる。このイカには海が悪いというのは禁物のはずなので更に不安が大きくなる。その不安は適中。開始から10分ほどは船中沈黙。「おかしいな〜」と常連さん。やっと右ミヨシで竿がしなった。透明白のスッテにまずまずのシリヤケイカが掛かっていた。私にも待望の「ぬぅ〜」というアタリ。巻き上げるが10m水深ではあっというまに仕掛けが上がってくる。水面近くには強い抵抗を見せるのがこのイカの特徴のよう。無事初物のシリヤケイカをゲット。それからはポツリポツリとイカが上がり始め、13時45分現在で5尾。白と緑のスッテによく乗ってくる。周りを見ていてもだいたい乗ってくる傾向は同じで、他に青にもよく乗っているようだ。
お尻がこのように焼けたように見えます
●細く長く
最初のうちは根掛かりを意識して底を常に切ってチョコチョコと誘うようにしていたが、常に根の上を攻めている様子もなく、試しに錘底べったりでたるませ気味にしてみる。仕掛けが引っ張られて斜めになり、そしておもむろに聞きあげるとイカが乗っているというパターンが多い。ということはマルイカ釣りの投入直後のようなパターンか?と思い、ここでハリスを細く(といっても3号)長く(50センチ程度)にしてみる。こうしてからは他の人に比べて結構乗りがよくなった。また乗りも根回りに集中している様子。周りの人がイカを上げると船中ぽつぽつとあたるし、錘が根掛かりするか根を叩いているような感触がする場所でアタリがよく出るようだ。また、乗らない角は頃合いを見て交換する。それに乗ってくるとこれまた嬉しい。でも、基本的には乗るが悪くても全然乗らないスッテというのはない感じに見えた。
●潮効かず
14時20分には何とかツ抜け。このころからポツポツと雨が落ち始める。風も少し強くなってきた。と同時にアタリが遠くなる。長い流しであったがここで本日初めての潮周り。が乗りは復活せず。この後も数回短いインターバルで場所替えするも乗りはない。今日はそもそも潮が効いていなかったのだが、この時間はほとんど動かなくなってしまった。そんなに回遊するイカではないだろうから、これでは釣れない。「この釣りはね、そんなに難しい釣りではないんだよ。今日はイカがいないんだよ、きっと」と常連さんがしきりに言う。この常連さん、初めてのお客さんに中乗りさん並みに気を遣ってくれている。こういう常連さんがいる宿はよい船宿である証拠である。
仕掛けの最終形
●終盤は好調
15時30分頃、幾分潮が効いてきた。ダブルも交えて連釣。16時20分過ぎにタルに入ったイカを数えると20尾。まぁお土産は十分と自分を納得させる。バカスカ釣れるよりもこのくらい難しい方が集中できていいのかもしれない。
ところが16時30分を回ると更に潮が効いてほぼ入れ乗り状態に突入。イカを取り込む、再投入、錘が着底、一呼吸おいて聞き合わせをする、乗っている。ほぼこれの繰り返し。この30分で13尾を追加し総数33尾。ここで終了時間の17時を迎えた。<釣果>
シリヤケイカ 200〜400g級 33尾釣り雑誌や新聞などの釣果報道に比べると見劣りする釣果ではあるが、それなりに厳しい条件の中、竿頭かそれに近い釣果を上げることが出来たので満足としたい。
さて、「スミイカに比べて味は落ちる」はずのシリヤケイカであるがこれがまずまずの食味。ただ、スミイカに比べるとやや身が固い感はあるが、市販の冷凍イカなんかにあるガムのようで噛みきれないという固さではない。固いながらもサクサクと歯切れがよく、刺身やフライでなかなかの味であった。ただ100尾釣ってしまったら困ってしまったであろうが。。。
釣行記集へ