釣り座不利、大洗沖マコガレイ
型は揃いました
- 日時:2000年6月3日(土)
- 場所:大洗(大竹沖)
- 参加メンバー:上甲、山崎さん、塩沢さん
- 時間:午前6時00分〜午後12時30分頃
- 潮時:小潮
釣行記 マコガレイといえば東京湾、というのが私の印象である。春先から初夏にかけて茨城の方で釣れるのは知っていたが、なかなかそこまで足を伸ばす機会もなかった。また、この地のカレイは条件が厳しいらしく、凪が続いた日をうまく選んで釣行しないとなかなか良い釣果に恵まれないらしい。
●小突きのカレイ
この週末は大原、勝浦ともに休業なのでイサキは×。伊豆方面のマダイもぱっとしないし相模湾ではムギイカくらいしかめぼしい釣果のものはない。さてどうしたものかと思っていたところ山崎さんから「大洗のカレイが良さそう」とのアドバイスとお誘い。さっそくこれに乗ることにする。タイミングよく最新の釣り情報で大洗沖カレイの特集記事があり熟読する。何でも東京湾のタイム釣りではなく小突きで誘う釣りだとか。中学生の頃、冬の東京湾に通って小突きカレイをハマっていた「昔の杵柄」で何とか良型マコガレイを数釣ってやろうという算段である。今回お世話になるのは大洗港「昭栄丸」。5時集合5時半出船とのこと、初めての港なので少し早めに東京を午前3時に出発。常磐道をひた走り、大洗近くまで伸びた自動車道路のおかげで4時過ぎには大洗港に到着。コンビニで買い物を済ませ船を探す。すぐに昭栄丸は見つかり船の横まで車を持っていく。大型船と中型船が係留されており、大船長が船の上で準備をしている。
山崎さんとクーラーを持っていくと、右舷のトモよりが空いているから、とのことで右舷胴の間に3名分(塩沢さんも一緒なのである)を確保。車で朝食などを取っていると若船長と女将さんが到着。受付を開始した。昨日予約の段階では4名とのことだったがかなりの人が来ている。ほどなく塩沢さんも到着。●釣り座選びは肝心
どうも様子がおかしいな、と思っているとどうやらカレイはオヤジ船長繰船の中型船(古い方)らしいことが判明。慌てて道具を移す。何故かトモ寄りばかり埋まっておりミヨシが空いている。ならば、と左舷ミヨシに私、2番に山崎さん。右舷ミヨシに塩沢さんに入っていただく。同じく船を間違えたおじさんも何故か空いていた左舷トモ2番に潜り込む。思えばこれが本日の釣果の運命の分かれ道であった。ちなみに若船長の大型船は根魚五目。朝カレイで土産を作ってからアイナメ主体の釣りだそうだ。餌は活きエビらしい。
やっと受付がすいてきたので料金を払い仕掛けを購入。仕掛けはこの地特有なのか、シモリ浮き付いていたり針にはウイリーが巻いてあったりして派手派手である。そういえば東北の方のカレイもかなり飾りを付けた仕掛けだったなぁ。餌も受付で購入する。赤イソメ(岩イソメ?)とアオイソメが1パックずつで1500円。乗船料と合わせて8500円也。
5時半をまわり船は両弦6名づつ12名を乗せて河岸払い。港を出て南下。40分程走ったところで小さな船団が出来ておりその周辺でスローダウン。ベタ凪の海を慎重に潮回りをして「プー」というブザーで開始となった。
今回のタックルはかなり迷ったが、まずは錘負荷30号程度のボート釣り用の竿を使用することにした。キス竿をもう少し堅くした感じの竿だ。それにアオリイカでも使う両軸リール。予備にはカワハギ竿を用意。仕掛けは錘40号に船宿仕掛け。ハリスは2号と表示されていて全長は70センチほどであろうか。また錘は道中寄った釣具屋にあった赤く塗装を施したものを使用した。
餌つけは迷ったが、昔の東京湾よろしく太めのイソメを頭から縫い刺し。先針には食わせ重視でアオイソメ2尾かけ。上針には見せ餌ということで赤イソメを1尾掛けにするタラシは4〜5センチとした。
●トモ寄りは好調
最初の流しは船中沈黙。潮は濁っている感じでイヤな予感がする。それでも3流し目からトモ寄りを中心にポツポツとカレイが上がり始める。ただ、噂に聞いていた良型連発ということはなく25センチ級ばかりなようだ。う〜ん、みんなトモに寄って座っていたのはこういうことか、などと思いながらも真剣に小突く。船長も釣り人にどんどん小突けとハッパをかけている。そういえば乗船前に若船長が「カレイは周りであたるとバタバタ釣れるからその時は気合い入れて小突いて」と言っていたっけ。
●まずは良型
トモの方でカレイがタモ取りされる。と、聞きあげた私の竿にも違和感。そのまま竿先をすっと下げ、一呼吸おいて竿先を上げるとグググンという手応え。乗った!思いの外抵抗が激しいのでアイナメかな?とも思ったが海面を割ったのは紛れもないマコガレイ。船長の出すタモに収まったには30センチ超の良型。塩沢さん曰く、今までの船中で上がった中で一番の型だそうだ。カレイ釣りというとのんびり流し釣りなのかなと思っていたが、結構潮回りは頻繁である。どうやら根の周りの砂地を丹念に流しているようだ。そのせいかアイナメもよく掛かっている。
●昨日までは・・・
今度は小突いている最中に竿先に違和感。同じく一呼吸おいて合わせる。またもうまく針掛かり。先ほどと同じような手応えでゲットしたのは33センチの本命。この後も25センチ級を1尾追加。
トモ寄りなどは一荷があったりしてかなり頻繁にカレイやアイナメを掛けているが、ミヨシ寄りはどうにもアタリが遠い。また潮は逆潮(親潮、寒流)で釣れ上がってくる魚は冷たく、バケツの水も冷たい。食いは昨日や一昨日に比べると悪いことは明らかであった。●船中ボウズなし
塩沢さんも中型カレイに30センチ超級を追釣。既にビール3本を明けて楽しそうである。船中1人また1人とボウズを脱出していく中で最後まで残ってしまったのは私の左隣りの山崎さん。「何で釣れないのかな」とお悩みの様子。山崎さんは錘が蛍光緑であったが、この色は船中だれも使っていなかったのでこれを私と同じ赤色の錘に交換。さらに山崎さんはカワハギ竿でやっていて、試しに竿を持たせてもらって小突いてみたが、思ったよりダイレクトに竿先の動きが仕掛けに伝わっている気配。もしかしたら仕掛けが動き過ぎているかも、とアドバイスするとすかさず山崎さんはキス竿にタックルチェンジ。直後にアタリが到来し、ちょっと小振りながらも本命をゲット。「いや〜良かったなぁ」と船長。ボウズがいなくなったことで船長も胸をなでおろしたことだろう。
本命ゲット!
この後もポイントに入るとバタバタとアイナメ混じりでカレイがアタる。船長はタモを持って駆けずり回ることもしばしば。私も9時までに5尾のカレイをバケツに泳がせる。確かに大洗沖のカレイ、好調である。
●カレイといえば・・・
カレイという釣りモノは私のとっては初めて船釣りでやった釣りモノであるし、寒い冬に良い釣り座を確保すべく始発電車で友達や弟と船宿に通ったりした。寒さに凍えながらひたすら小突く。記録によれば子供ながら条件に恵まれた時は15枚も釣ったりしている。この船宿は平和島のまる八。社会人になって、釣りを再開した直後にもまる八はメゴチ釣り乗合でお世話になり、おもしろ半分でやらせてもらった「イイダコ釣り」の際に飯島船長に聞いたのがこの言葉、「小物釣りは小突きが命。熱心な人は畳の上でも練習している」。そこまで入れ来なくてもなぁとその時は思ったが、数日後にはキス竿に錘をぶらさげて小突きのイメージトレーニングをしていた自分がいた。土地は違うが小突きの釣り。やはりなかなか入れ込んでしまうのだ。●アイナメは人を選ぶ???
9時を回るとアタリが極端に遠くなった。さっきまでは斜めに入っていた道糸はほぼ真下に落ちるようになった。この手の釣りは潮が止まって船が動かなくなると辛い。それでも船長はこまめに船を回して釣らそうとする。するとピンポイントではあるがアイナメはボチボチ上がる。不思議なことに我々3名にはこのアイナメが釣れず、特定の人に集中してアイナメは掛かっている様子である。右舷胴の間のビギナーらしきお兄さんがよくアイナメを上げている。何が違うのかな、とアイナメを上げるたびに観察する。盗み見た感じでは、餌を大きくつけていることと、赤イソメを主に使っていることか。
これをまねて餌を赤イソメ中心にチェンジ。また仕掛けも朝のうち好調だった船宿常備の派手なものから、東京で買ったシンプルなものにチェンジ。ただし針は赤。カレイには赤い針というのは定説である。
●良型アイナメ
これがよかったのか久しぶりにククッというアタリ。定石通り一呼吸おいて竿先を上げる。ゴゴゴンという引きが伝わる。重量感もありカレイであれば良型だ。途中タモを持った船長やってきて「こりゃぁアイナメだな」とのこと。確かに首を振る感触はその昔よく釣ったアイナメの感じである。
慎重に巻き上げて無事取り込まれたのは44センチ、1kg級の良型のアイナメ。黄色がかった婚姻色をしていることから渡りのアイナメだ。おそらくアイナメを釣ったのは中学生の頃以来なのでおよそ15年ぶりか。
婚姻色鮮やかなアイナメ
この後もアイナメ狙いで餌を大きめにつけたりしてみる。なんとか25センチの本日最小型のカレイを釣り上げるが後が続かない。
●最後の流しで
そうこうしているうちに時間はお昼。12時半には終了なのでラストスパート。「私の魚は図ったかのように小さい」と嘆いた山崎さんに最後によいアタリが訪れた。「これは大きいかもしれない」と慎重にリーリング。そして見えてきた魚体は平べったくはない。慌てて私が差し出したタモに収まったのは良型のアイナメ。私のアイナメと全長は同じくらいだが丸々と太った居付きのアイナメのようですごく旨そうである。
山崎さんも良型ゲット!
これが最後の流しとなり12時半に終了となった。
<釣果>
マコガレイ 25〜33センチ 6尾(30センチ超2尾)
アイナメ 44センチ 1尾一見怖い感じの大船長であったが、沖に出ると非常に気さくで楽しい感じ。また一つ良い船宿を見つけたかな、という感想である。
今回はカレイ、アイナメという私が少年期に追いかけた釣りモノ。共に最近の東京湾では数が少なくなってしまった釣りモノである。自分の沖釣りのルーツを思い出せたという点でも非常に有意義であったし、懐かしい感じがした。マダイやイカなど割とお金のかかった道具を駆使して釣果を上げるのも良いが、たまにはこのような安い道具に虫餌というシンプルな釣りも良いものだ。
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