初出船はまずまず、勝浦沖アオリイカ

船中1号のアオリでしたが・・・


  1. 日時:2000年3月5日(日)
  2. 場所:勝浦沖
  3. 参加メンバー:上甲、井上さん、山崎さん
  4. 時間:午後1時30分〜午後6時00分頃
  5. 潮時:大潮


釣行記

ヤリイカ釣りから一旦帰港してアオリイカ釣り。船は新造船の方で船長は息子船長。船を乗り換えるとどうやら釣り人は我々3名のみの様子だったが、午後の船が出るなら、ということでヤリイカ船になっていたカップル1組が乗って都合5名で出船となった。

午後船ということでのんびりした雰囲気。昼食としてのり巻き&いなり寿司の弁当をもらって船上で食べる。私はお湯をもらってカップラーメンをすする。午前船は1万円で乗船前に会計したが、午後船も出船前に港で会計する。7000円なり。

●左隣りは?
そうこうしているうちに定刻13時を15分ほどまわって準備が整ったようで出船。船はのんびりしたスピードで沖へ出て行く。座席は午前中同様にじゃんけん。結果左舷ミヨシが私、右舷ミヨシが山崎さん。井上さんは迷った末に左舷ミヨシ2番。他の2名は右舷トモに入った。ひそかに井上さんは私の左隣りである。

海中公園が遠目に見える25mダチで開始。船長は水深をアナウンスし、根にかかる場合はその旨言ってくれるので、そのときはタナをやや高めに取るなどすればいい、という感じだ。午前中に引き続き凪。気温も上がってウエアの上着はいらないほどだ。

タックルはいつものアオリイカタックルである。キス竿1.6mにベイトキャスティングリール。中錘は8号、ハリス4号4m。まずは半田丸のオリーブ色の餌木を使ってみる。山崎さんがアオリQのピンク、オレンジの混色、井上さんはピンクを使用するようだ。

船長のお勧めではタナは底から2〜3m程度。だいたいアナウンスの水深から計算して上からタナを取るようにした。

●まずは沈黙
しばらくはアタリなし。船長はこまめに潮周りを繰り返す。後で聞いたがアオリイカ出船は今日が初めてだったそうだ。船長も手探りだったのだ。餌木はピンクやオレンジ、茶などいろいろ試してみる。井上さんも山崎さんも餌木交換はしているが、なかなかアタリ餌木が見つからない。

●タテ続けに乗った!
2時半頃、餌木を今回購入したアオリQの夜光色(見た目は白)に交換。そしてシャクリ始めると船中最初のアタリが私に訪れた。しゃくって竿先を下げて待っているところにイカの引きが伝わり、一呼吸おいて竿を立てる。イカが乗って動き出すのを確認してからリーリング開始。「乗った乗った!」と叫ぶと中乗りさんがタモをもってやってきた。潮が左舷から右舷に速く流れているので、ハリスが船下に入っている。なんとか船下に張り付かれないようにハリスを手繰る。これは後検量500g強のまずまずの型。と、直後に隣の井上さんにも乗り。無事タモに収まったのはもう少し型のいい感じの本命。餌木はアオリQのグリーンにオレンジのポイントの入ったものである。共通しているのはグリーン系ということと、餌木の腹が白系ということであろうか。曇り空に澄み気味ではあるがちょっと暗い潮。この水色にはこの色の取り合わせがあっているのであろうか。
 序盤の当たり餌木

船中1号、2号立て続けとあって船長もやってきて「これはこの辺りでは最少サイズかな。春は湾内で4kg級も出るよ」「ここは岸に向かって駆け上がって場所で根ぶちでもあるんけど」とニコニコしながら話している。中乗りさんのデジカメで記念撮影などして、イカをバケツに放り込む。

ちょっと潮が速くなってきたので中錘を10号にチェンジする。潮先は左舷。といっても乗船人数5名ではあまり釣り座の有利不利はなさそうだ。

●僚船は1隻だけ
そしてまた沈黙の時間が流れる。目に見える範囲では船は1隻だけ。松部港の信照丸である。この船が勝浦のアオリイカのパイオニアである。それでも乗船人数は3名のようでまだまだ知名度はないし、その分場荒れしてないはずである。

お湯をもらってココアを作ったりお菓子を食べたりしてのんびり釣る。やっぱり早めに本命の顔を見ると心に余裕が出来るのだ。

●全員本命ゲット!
3時40分頃、山崎さんの竿が曲がった。慎重にやりとりして600g級をゲット。これで仲間全員がボウズ脱出。記念撮影を済ませる。このアオリもグリーン系の餌木に乗ってきた。

 山崎さんも本命

ということで、グリーン系の餌木を順番にローテーションしていく。底の起伏が激しい場所では時折根掛かりするが、たいていは海藻や藻に掛かっているだけなので外れてくれる。が、1回だけ餌木を取られてしまう根掛かりも発生。山崎さんも半田丸製3000円の餌木を根掛かりで失ってショックを受けたようだ。

●キロオーバー
だいぶ辺りが暗くなりはじめた4時半過ぎ、そろそろ夕まずめの時合かな、と思い始めた矢先にまたも山崎さんの竿が曲がった。さらに一回りサイズアップした本命をゲット。そしてその5分後に今度は竿を大きく曲げてやり取りする山崎さん。「でかいぞ!」中乗りさんも叫ぶほどの引き。無事タモに収まったのは1.1kgの良型。キロオーバーのアオリに山崎さんは大喜びである。そしてほどなく井上さんが500g級をゲット。最初こそ私が釣ったが、だんだんと水をあけられてきた。いかん。

 大きいです。

トモの2名はアオリ釣りは初めてだったようだが、男性の方が無事本命をゲットした様子だ。女性の方が釣れば船中ボウズなしとなるところだが。。。

●夕方はピンクか?
山崎さんはピンク系で連続ゲットしたとのこと。ということで私もピンクの半田丸餌木にしたり、アオリQにしたりする。が、音沙汰はない。だんだんと気が焦ってくる。餌木が悪いのかシャクリが悪いのか。

井上さんと山崎さんのシャクリをみていると、わたしのシャクリよりもゆっくり目に竿を上げている。これが違うのかもしれないと、シャクリ上げをもっとソフトにしてみる。それでもしばらく我慢の時間が続いた。

●何とか2尾目
5時半になり船に灯かりが灯り始めた。だいぶ暗くなってきた。ここで、餌木をオレンジの4.5号と大き目かつ目立つ色にチェンジ。最後の勝負を挑む。すると直後の投入で乗り。ちょっとびっくり合わせ気味なってしまったが、何とか掛かった様子。が、これは重量感があまりなく小型であることが分かる。「小さいよ〜」と言いながらハリスを手繰る。と、このアオリは蝕腕2本で餌木を抱いている。そーっとタモに誘導するが一度目はタモ入れに失敗。2度目でなんとかタモに収まった。「ごめんごめん、暗くてイカが見えなかった」と仲乗りさん。確かに船縁下はくらくて、褐色のアオリイカは非常に見えにくい。

そしてまたもわたしの釣った直後に井上さんのしゃくり待ちの竿にアタリ。600g級をゲット。イカが見えにくいのでタモ取りも一苦労である。

●終了間際に逆転!
これで船中9尾。あと1尾で船中ツ抜けである。餌木はそのままでシャクリを続けるが、18時になって船長の終了の合図が出た。餌木を回収している横で「あと1シャクリだけやってみよ」という井上さん。餌木を上げて片づけようとすると、「おお、うぉ〜」と声にならない叫びが聞こえる。みると井上さんが海に引きずり込まれそうなやり取りをしている。竿がかなりの重量感とイカの引きを伝えているのが分かる。アオリ専用竿で1.3mと短いため、引きをかわすには釣り人の腕も竿の延長と考えてやり取りしなくてはいけないのだ。

 井上さんもキロオーバー

竿をしまった船中全員の注目のもと、イカが浮いてきた。もうあたりは真っ暗でイカの影しか見えない。なんとかタモとりし、船の灯かりにあてるとこれがでかい。後検量1.2kgの良型である。最後の最後に型、数とも逆転して竿頭の井上さん。最後のドラマで盛り上がって船は帰路についた。

港に帰ってからはイカを締めたり記念撮影をしたり。初出船だった船長もまずまずの釣果にほっとしたようで、顔がゆるんでいた。女将さんからもねぎらいの言葉とお土産のワカメをもらい、3人とも上機嫌で港をあとにした。

<釣果>
アオリイカ 2尾(0.3、0.5kg)

同じ海域で釣りをしていた信照丸は4時半頃には帰港していったのだが、なんと3人で13尾、9尾、7尾という大釣り。さすがにアオリのパイオニアである。和八丸の息子船長も「これからまだまだ勉強して、ポイントも開拓します」とのこと。

 アオリは3名分の釣果です

もき丸に続いてアオリイカ釣り初出船にのること2回目。2回とも船長に成果を示すことが出来てなによりである。実は今回は初出船であることを聞いたのは帰港後である。船長としては「今日が初めてなんで手探りです」とは言えなかったのだろう。それだけに胸をなでおろしたのではなかろうか。
黙々と釣りをするのもいいかもしれないが、船長に「楽しかった」と伝えることは大事であると思う。船長の一番望むものは釣果ではなく、釣り客の笑顔であろうから。

この勝浦でも春になれば良型が出るとのこと。午後の釣りでのんびり出来るし、また来ることは間違いないであろう。

またしても「上甲の左隣りの法則」を実証することになってしまった。いつのまにか左舷にいた井上さん、やはり左隣を狙っていたのであろうか?


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