渋い・・・戸田沖夜ヤリイカ

こんなもんでした


  1. 日時:2000年2月26日(土)
  2. 場所:戸田沖
  3. 参加メンバー:上甲、山崎さん、ベルデさん
  4. 時間:午後5時00分〜午後10時30分頃
  5. 潮時:小潮


釣行記

ダブルヘッダー後半戦は夜ヤリイカである。昨年に引き続き今年もそんなに調子はよくないのだが、未体験の釣りものであり当たればかなりの数が釣れるということで挑戦してみることにした。

●船は沖で場所取り済み
食事や買い物を終えて4時頃に桟橋へ。連絡船隣りにふじ丸の大型船と兄貴船長がいたので車を止めて声を掛ける。今日は大型船で沖で場所取りしている小型船に乗り移るそうだ。午前マダイ上がった後にオヤジ船長が「イカの場所取り行くから」と沖に出ていってしまっていたのは知っていたので、渡し船になることは分かっていた。

4時半になると釣り人全員(9名)が揃ったようなので出船。我々3名はキャビンに入って仮眠。が、10分もしないうちにエンジン音が落ちた。外に出てみるとどうやらここは戸田の隣りの井田の村の沖。この沖合いに数隻の夜イカ船がアンカーを打っている。なるほど、早く来て場所取りをしないとここが埋ってしまうのだな。

ちょっと南西風が吹いていて海が悪いので慎重に、さながら磯渡しのように船から船に乗り移る。今日は2、3、4名のグループなので右舷の前からベルデさん、私、山崎さん、トモ寄りに2名のおじさん。左舷に4名グループという配置になった。

キャビンには石油ストーブが灯っていて暖をとることも出来る。まだ船の灯かりもついていないし、ボチボチというかんじでのんびり準備を始める。タックルの準備が終わってもまだ明るいし集魚灯は灯らず。しばらくしてエンジンがかかって集魚ランプが海中におろされたので、私も仕掛けを入れて底付近固定の置き竿で様子を見ることにした。

今回はシャクリ安さを考慮して50−240のシャクリ竿に疲労防止のために電動リールを使用。仕掛けは市販の7本角(キラリ角)仕掛け(幹5号、ハリス3号)。錘は60号とした。水中ランプは使用しないことにした。水深は40m。

●暗くならないとね
お菓子を食べたり飲み物を飲んだりしてのんびりと日没を待つ。気が早い人は誘い続けているが、明るいうちはダメなんだろうな、と思っていたのだが、暗くなりきらないうちにトモのおじさんが良型のヤリイカあげた。これを見て3人とも竿に飛びついて誘いを繰り返すのであった。

まずはベルデさんにアタリ。やや上目のタナでムギイカをゲット。もうムギイカの回遊が始まっているようである。もしかしたら今年の夜スルメはいいかもしれないなあ。

誘っても誘ってもアタリはないので、スルメで効果があった餌巻きスッテをつけて、仕掛けを下ろすときはスプールブレーキを強めにかけてサミング落とし込みと同じ効果を演出し、巻き上げは自動シャクリという省エネ釣りをしばらくすることにした。が、これは結局一度もアタリがなかった。

●ムギまじり
そうこうしているうちに辺りが真っ暗になってきて、あちらこちらでヤリイカやムギイカが姿を見せはじめたようだ。そこで私も電動シャクリはやめて手で誘ってみる。釣り座の後ろが操舵室で魚探が覗けるのだが、これを見ると20mから上と底付近に反応が出ている。なので落とし込みで底までやって、あとは底付近をさぐったり、20mから上をしゃくったりといろいろ試してみる。と、7m落とし込んだところでイカの乗り。これはベルデさんと同級のムギ。上の反応はムギイカの反応のようだ。

 船上の風景

●タナは?
そして、待望のヤリイカも上の方で乗ってきた。やはり落とし込み。上から3番目の青の角に乗ってきたのはメスのヤリイカ。タナは上だよ〜と声を出すが、隣りでパラソル級を掛けたベルデさんは底だよ〜とのこと。「だいたい底だよ」とは船長。難しいな。どうもムギと小型ヤリイカが上の方。底には大き目のオスヤリがいるようだ。なので底付近で仕掛けをたるませてみたりと、丹念に探っていく。

ポツリポツリとムギやヤリイカを拾っていくが、夜イカの爆釣イメージには程遠い。ベルデさんは端物竿に餌巻きスッテ用のイワシをつけて底狙いをしているが、これにもアタリは遠い。山崎さんもかじかむ手で仕掛けの扱いに難儀しているようだ。

●最初で最後の多点掛け
8時頃のこと、落とし込んだ仕掛けが止まった。タナ19m付近。そこでしばらく仕掛けを止め追い乗りを待つ。するともう一つズシンときた。ころあいを見て巻き上げ開始。今度は竿がかなり曲がり重量感がある。慎重に巻き上げると海中に影が2つ・・・3つ。ヤリ2つとスルメ1つの3点掛け達成。イカ釣りはこうでなくちゃ。

が、多点掛けもこの回限りでまたポツリポツリ状態になる。南西風がやや強く、雨もぱらついてきたのでなかなか人間にとってはキツい状況になってきた。トモのおじさん達もほとんど置き竿で固まっており、船長に「誘わないと釣れないよ〜」といわれているがどうにも体が言うことを聞かないようだ。

朝のマダイから釣り続け、さすがに疲れが出てきた。21時過ぎにはミヨシの方の座席でちょっと休憩。ちょっと目をつぶって仮眠、と思うとベルデさんがイカ乗せたりするのですかさず釣り座に戻って誘いを繰りかえしたりしてしまうので、なかなか落着かないのだ。

●角選びに悩む
今回期待の餌巻きスッテにはアタリなし。途中から付けた赤帽虹のスッテにもイカは乗らず。ただ、ベルデさんの仕掛け中の赤帽虹には時折乗っていたので、私の誘いにはプラヅノだけがうまくシンクロしたのだろう。全体に青や緑、水色といった冷色系の角に乗りがよかった。

山崎さんも途中からはある程度コツを掴んだのか、良型ヤリをポツポツ上げるようになった。ただ、相当お疲れの様子。女性版釣りの鉄人の山崎さんとはいえさすがに女性。いつも手持ちでがんばる人なのだが、後半は置き竿で座ってしまうことも多くなっていた。

いつしか風も止んで海も凪ぎ。が、これと同時にイカの乗りも遠のいてしまった。

●イカを引っかけろ!
海中になにやら白い影が浮かんできた。大きくなったり小さくなったり、グルグル回ったりしてあっちこっちに移動している。船長が「イカが浮いちゃったな〜、おれ、イカだよ」と言う。そうか、あれがイカの群れか。ただ、見えるイカというのは釣れないようでイカが水面に浮いてしまうと夜のイカはダメらしい。

するとベルデさんがスレでヤリイカを掛けた。あの群れの中を仕掛けが通過して掛かってきたらしい。これに味をしめて、群れがやってきたら仕掛けを群れの中にいれて、いわゆる「ギャング釣り」をやってみる。残念ながら私の仕掛けは水中灯に近いせいかイカが寄って来ずに不発だったが、明るいところと暗いところの境目くらいのベルデさんの下にはイカの群れがよく通過し、うまいこと3尾くらい掛けたようだ。船長も「ほら、群れ来たぞ!」「掛けたか、わはははは」と一緒になってこの釣りを楽しんでいる様子であった。それにしても、集魚灯でぼわ〜と青白く光る海中に白い影が浮き上がって形を変えながら動き回る様は幻想的で非常に印象深いものであった。写真に撮れないのが残念。

そんな余興の釣りをやっているうちに22時半近く。「そろそろ片づけて下さい」という合図で終了とした。

<釣果>
ヤリイカ 胴長 25〜45センチ 6尾
スルメ 胴長 20センチ前後 6尾

戸田の夜イカはスルメも含めて3度目の挑戦であるが、どれも今一つ以下の結果。今回も決して良い釣果ではない。夜イカは昨日がよくても今日はだめ、あるいはその逆ってこともある。もう今シーズンは終わりであろうが、釣りの感じもわかったし、来シーズンは是非100尾オーバーの爆釣を楽しんでみたい。

ちなみにこの日の23時船の方はまずまずの成績だったようだ。朝港に着いた時にちどり丸の夜イカ船が帰ってきた様子でも一人30尾くらいは獲れていそうだったし、今は宵の口が良いようだ。

石花海のヤリイカも下降線、相模湾もぱっとしない。これから3月以降のヤリイカの舞台は次第に北上し、外房方面になる。更に型も良くなる。3月はどの日にヤリイカに行こうかな。


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