シケ後で激渋、石花海ヤリイカ

あれ、イカ釣りでは・・・?


  1. 日時:2000年2月19日(土)
  2. 場所:石花海
  3. 参加メンバー:上甲、山崎さん、ベルデさん
  4. 時間:午前7時00分〜午後1時00分頃
  5. 潮時:大潮


釣行記

やっと駿河湾は石花海(せのうみ)のヤリイカに出船出来るチャンスがめぐってきた。ここ4〜5日はずっと西の強風でシケ。しかし冬型の気圧配置が19日の土曜日の朝から緩む気配。こういうチャンスを逃してはいけない、ということで、今シーズン2度目のヤリイカ釣りに行くことになった。
お世話になるのは戸田のふじ丸。石花海への釣りではキャビンにベッドがある大型船を出してくれるはずで、往復の道中がかなり楽である。また、割とすいている穴場的存在でもあることからこの船宿を選択した。
前日の夜に出船確認をすると、明日は我々3名(上甲、ベルデさん、山崎さん)をいれて4名の予約とのこと。大名釣りになりそうだ。

●やっぱり右舷ミヨシ!
ベルデさん家に2時に集合して私の車で戸田を目指す。道は順調に流れて4時半過ぎに戸田に到着。船付き場が移動になったとこのことで、御浜の入り口付近の岸壁を探すとすぐに船を発見。荷物を降ろして右舷を確保していると、親父船長がやってきたので挨拶。近くで漁師さんが焚き火を始めたのでこれにあたらせてもらっているともう1人の乗船者の人がやってきたので挨拶して、右舷はとってしまいましたと告げる。と、船長から左舷に入るようにいわれてますので、ということで右舷3名、左舷1名での釣りとなったのだった。船に灯が入ったので、キーパー装着などの準備を開始。私はゲンのよいミヨシ、胴の間に山崎さん、トモにベルデさんという配置。左隣りはいない方がきっと釣れる、ような気がするんだが・・・。

5時半になって兄貴船長がやってきて出船。もう1名のお客さんは前部キャビンに入ったので我々3名は後部キャビンを占領。ベッドに入って釣り場到着を待った。さながら遠征船気分である。キャビンはちょっと寒かったが・・・。

●凪
港を出ても船はそんなに揺れず凪の気配。ふっと起きると6時40分。そろそろかな、と思ったところで船はスローダウン。石花海の開始時間は7時のようで、それまでは反応を探っている様子。キャビンから出てウエアを着込んで仕掛けの準備を開始。
7時になって「ど〜ぞ、120m。底中心にさぐって下さい」という船長の合図で開始となった。

今回のタックルはMamiya-OPのヤリイカスラッシュ2.4mに電動リール(ダイワの500WP)。幹糸6号、ハリス3号10センチ程度の7本角。枝間は1.2m(私の矢引きの長さ)とした。錘は12号で中錘を仕掛け最上部に装着した。角はまずは濃色、淡色バランスとって配置、ピッカピカ角とカラフル角を中心に選択した。カンナはシングルである。

●序盤不調
道糸はほぼ真っ直ぐになり、どうやらあまり潮は流れていない様子。なので割と積極的に誘いをかけるように心がける。が、2.4mのこのヤリイカ竿はまだ使用2度目のせいか、今一つ力のいらないシャクリが出来ない。
石花海だから、最初から入れ乗り?かと思ったが最初の30分はアタリなし。「乗り悪いね〜」と船長は何度か潮周りして反応を探してくれるが、角に触る気配もない。

●やっと乗った
7時半を回った時の潮周り。着底させて一振りしゃくった後のしゃくりで竿が止められた。今日初めてのアタリである。そのまま竿を止めて乗りを確認すると「乗ったね、タナは?」と船長が聞くので「底から2〜3mかな〜」と答える。そしてリーリング開始。結構な引きを見せて取込まれたのは良型のオスのヤリイカ。上から2番目のピンクのカラフル角である。

そして次は山崎さん。さっきより2回りくらい大きい良型のヤリイカをゲット。「こんなに大きいなら1つで十分ね」いやいや、10ぱいは釣らないと。これは緑のカラフル角に来た様子である。
ベルデさんは角にゲソが残るバラシ。この角は赤のカラフル角。やはり上の方に配置した角のようだ。濃色に掛かってくるということは底潮はかなり暗いのかな?ということで、ケイムラや水色といった淡色系の角を赤帽虹のスッテや青や黄緑、オレンジという濃色系の角に潮周りの度に1本づつ交換しアタリ角を探る。

が、どうにもアタリが遠い。反応はあるようだが、乗らない。何がいけないのだろう?角はいろいろ変えているし・・・。ここで、どうせ今日はイカは数つかないだろうということで幹糸4号の仕掛けに交換。はたして効果あるだろうか?

●一荷あるも・・・
8時半を回った流しのこと、着底後、すぐのしゃくりで久しぶりにアタリ。ゆっくりリーリングしてから電動巻き上げ開始。断続的に引くことから「サバかな?」と船長も心配したが、イカの気配。こいつは本日最初で最後の一荷。緑と水色のカラフル角にかかってきた。お、乗りのよい群れを捕まえたかな?と思って速攻で仕掛けを再投入。着底してシャクリを入れると微かなアタリ。が、なかなか乗らない。「触ってるみたいだけどね〜」と船長も首を傾げている。向こうから乗って来ないなら、こっちから、ということでマルイカで鍛えた「送り込み」を試してみるとやっと乗った様子。早く取り込んで再投入したい思いから、ちょっと早めの巻き上げにしてドラグを締め込んでしまったのが失敗。あと50mを残してバレてしまった。ならば、とすぐにそのまま仕掛けを落とす。と、やはり角に触るが今度は乗らず。次第にアタリは遠のいてしまった。残念。

●努力も空しい・・・
ひたすら底から10mくらいしゃくって誘って、だめならダッシュ空巻き50〜60mしてまた落とし込む。この作業がむなしく続く。合間に角交換は欠かさずやるも、どれも当たらないのは変わらず。これだけ釣れるイカが少ないと傾向を探ることも出来ず本当に暗中模索。角交換直後の角に乗ってきたりするときがあれば一気にモチベーションも高まるってものだが、今日ばかりはこの作業も空しい。だんだんと弱気になってくる。

この場所を諦めた船長は移動を決意。「15分ほど走ります」ということで我々はトモに下がっておやつタイム。

石花海でも沖側(沖の瀬?)に到着し、再開。水深は先ほどと大差なく100〜140m程度である。と、久しぶりにアタリ。慎重に巻き上げて中型メスヤリをゲット。が、これも後が続かない。思いっきり仕掛けをたるませてみたり、早めのアクションで誘ったりするがどれもダメである。

●オニ登場
ベルデさんがなにやら掛けた様子。錘が見えてからいよっと抜き上げたのはなんと鬼カサゴ。錘部分にいわゆる「スケベ針」を装着して魚を狙っていたそうだ。しかも餌は夜光のドジョウ型ソフトルアー。型も25センチ前後とまずまずのオニの登場に山崎さんはさっそくこのスケベ針を付けたようだ。私はもう少しイカに専念ということで仕掛けはそのまま。

 ベルデさん、オニゲット!

そしてまた長い沈黙が続く。カップラーメンをすすったりして気分を変えたりするがこれだけアタリがないと睡魔が襲ってきてしまう。移動の合間は仮眠タイムとなるのであった。

●更に良型のオニ
11時頃、なにやらベルデさんがタモを構えて山崎さんのサポートをしている。竿先が叩かれているのが遠目にも分かる。イカサビキの部分が全部上がって見えてきたのは良型のオレンジの魚体。なんと1.2kgのオニカサゴであった。山崎さんがかねてから用意の特餌であるイイダコに食ってきた。
これを見て私もスケベ針装着を決意。ハリス8号50センチ程度にムツ針の18号。餌にはさっき掛かってきた小サバを切り身にして使った。タコベイト赤も使用した。が、結局このスケベ針には最後までアタリはなかったのであった。

11時半頃、やっとの思いで5ハイ目のヤリ。ここまでで交換した角は7〜8種類であろうか。今まで必殺であった赤帽虹にも来ないし、今日はもうこんな日なんだ、と諦めるしかなさそうである。

●失敗
諦めずにしゃくっているとアタリがやってきた。ちょっと小さいアタリだが底付近であたったのでゆっくりと巻き例によって追い乗りを狙う。と、クンクンというアタリが途中から下品なガンガンという感触に変わる。しまった、サバが食ったと仕方なく高速巻き上げ。途中、イカがばれた感触が伝わり後悔するもあとの祭り。あがったのはサバではなくて珍しい尾赤ムロであった。最初にイカのアタリがあったのだからもっと大事に巻けばよかった・・・。

 尾赤ムロ

そしてそのまま大きな盛り上がりもなく13時に終了、と思ったら最後の最後にまたもベルデさんがスケベ針で鬼カサゴゲット。船長も苦笑いであった。

<釣果>
ヤリイカ 大(胴長30センチ)1、中(胴長25センチ程度)4
サバ 20センチ前後 3(リリース&身餌に)
尾赤ムロ 25センチ 1尾

帰りは暖房がぽかぽか効いたキャビンですぐに意識を失い、1時間ちょっとで帰港するまで起きなかった。

 今日の獲物(オニを除く)

陸に上がって船長にいろいろと話しを伺うと「今日は餌付けたのが正解だったね」とのこと。まあ、ここまで乗りが悪いともう我々の腕ではどうしようもないのである。お土産にくれた干物はなんとキンメの干物。これ高いんだよな〜。ラッキー。

戸田沖では最近大鯛の気配があるそうで、来週はこれを狙いに来ようかなということで港をあとにした。
帰りの道中は漁協の直販所で丸のキンメを1480円でゲット。東京の半値程度である。えてしてクーラーの中はイカにキンメ、キンメの干物とまずまず賑やか。壱の湯でまったりしてから、渋滞なしの東名を経由して帰宅したのであった。

やっと出船できた石花海ヤリイカであるが、長い時化後のためか乗り渋ってしまった。ヤリイカシーズンはまだまだあるので、近いうちにリベンジである。夜ヤリでもいいけどなぁ。


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