初挑戦はまずまず、平塚沖アオリイカ

1.2kgの良型です。


  1. 日時:2000年1月16日(日)
  2. 場所:茅ヶ崎〜大磯沖
  3. 参加メンバー:上甲
  4. 時間:午前7時00分〜午後2時00分頃
  5. 潮時:長潮


釣行記

今シーズンは船のアオリイカ釣りが何かと脚光をあびている。東京湾では乗合を出している船宿も複数あり、秋からアオリイカとは思えない数釣りが出来たりするからだ。昨年も一度八景の野毛屋にアオリ狙いで店の前まで行ったがその混雑ぶりに諦めたこともあったほど。ただ、昨年に比べるとだんだんと釣果は落ち込んできているようだ。

東京湾だけでなく、相模湾では平塚の庄三郎丸も昨年からアオリイカ乗合を出している。こちらもなかなかの盛況振りだだったが、型が良いせいか数は出ないせいか東京湾に比べればすいている様子である。ならば、ということで満を持して、平塚にアオリイカ釣りに出かけることにした。

当日は5時半頃に船宿到着。予報がよくないのですいているかと思いきや、アオリは4隅は既に埋まり両ドモも2番目まで記名がある。「前がいいよ」という社長の勧めもあって右舷ミヨシ2番目に席を確保した。北風、和潮であれば潮上になる席である。

●アオリはタナ!
乗船を待つ間に社長のアオリイカ釣り講釈を聞く。やはりタナ取りが命のようで、絶対に餌木は底に着けて寝かせないこと、これは絶対に釣れない、とのことだ。それ以外はそんなに難しい釣りではないという。果たして今回はどうだろうか。

6時半になると船が着いたので乗船する。結局両舷5名ずつの乗船で、マダイ船などとほぼ同人数。やっぱり人気はあるようだ。
船は定刻の7時に出船。相模川河口を出ると東に進路をとり烏帽子岩の方へ向かう。そして烏帽子沖の定置網のあたりでスローダウンして開始となった。

●ハリスの長さは正確に
今回はアオリは初めてでありタックルも手探りである。カワハギ竿も持参したが負荷15号の1.5mキス竿とベイトキャスティングリールを使用してみる。先糸5号を介して、中錘10号。ハリスは4号で4mとした。特にハリスは4mきちっと取るように船長から指示が出る。場所によっては上からのタナ取りもやるそうで、その時にキチっとタナを合わせるためである。また、底からタナをとる場合は底から50センチくらいのところをキープするのが良いそうだ。だとするとハリスの長さは正確にする必要があるのだが、今回はスケールになるものが何もなく、仕方がないので予備リールの道糸をスケールにしてハリスを作った。餌木はまずは3.5号のアオリQピンクを使うことにした。が、周りを見るとみんなピンクの餌木を使っている。最初はアタリ餌木を探るのが大事なので私は同じアオリQの4号オレンジに変更する。割と曇り気味の天気だし、目立つオレンジがアタる可能性も結構高いはずだ。

まずは餌木をぽーんと放り投げてそして中錘を投入。糸が30mちょっと出たところで中錘が着底。4m半ほど巻き上げて20秒ほど待ってからシャクリを開始する。20秒と長くとるのは餌木とハリスが潮に馴染むのを待つためだ。

●まずはスミイカが露払い
1流し目は空振り。少し移動して再開始。しばらくすると左舷トモ2番目の人が慎重にリーリングを開始。無事小型ながら本命アオリイカがタモに収まった。確かあの人はオレンジの餌木を使っていたはず。ということは私もチャンスのはず。と思いきや、次に乗ったのは右舷ミヨシ2番。これは良型のスミイカだったがピンクの餌木に乗ってきた。さらに次も同じ人でスミイカ。スミイカは今日もピンクがいいのかな。でもあくまで狙いはアオリ。オレンジで粘ってみた。

そうこうしているうちに日も高くなってきた。潮もそんなに濁っていないしオレンジでは派手すぎるかも、と思い今度はアオリQ3.5号ピンクにチェンジ。が、どうにも音沙汰ない。

●ビデオで予習したけど・・・
「手バネで釣りアオリイカ」というビデオで予習してきたのだが、しゃくったあとは中錘の重さが竿に乗ってちょっとすると餌木の重さが乗ってくるはず。だが、この竿では3.5号の餌木の重さは判別できないようだ。ならば勘でインターバル10秒に設定してしゃくり続ける。最初はリール部分を持ってしゃくっていたが、どうにも疲れる。なのでリールを下に向けてリール上部を握り、肘に竿尻をつけた形のしゃくりにするとだいぶ楽になった。両手を使えば更に疲労を防ぐことが出来る。

船は烏帽子岩周りを流したり、マダイ釣り船団が出来ているすぐ近くを流したりしている。一度だけ「上から20m」の指示が出た時はマダイ船がすぐ近くにいたので根が漁礁の上を流していたのだろう。しかしここではイカの姿は見えなかった。

●手前マツリの原因は・・・?
それにしてもよくハリスが先糸に絡みつく。ハリスを餌木に直結しているせいか、ハリスが撚れて絡みやすくなっている感じはするが、それにしても絡み過ぎ。おかげでハリス交換のタイムロスもかなり大きい。より戻しを介して餌木を連結するというのも手だが、餌木のバランスをくずさないような小さなスナップはあいにく持ってこなかった。先糸が古いせいかと先糸をはずしてみたり、ハリスを太くしてみたりするがいずれもさしたる効果はない。

ハリスが絡んでいると当然タナが正確に取れないので釣果はガクンと落ちるはずだ。いったい何がいけないんだろうな、と考えてみた。そういえば、上からタナをとった時は絡みが皆無だった。ということは中錘着底後のタナ取りに問題があるのか?
幸い、餌木を底につけても根掛かりはあまりないので、試しに中錘が着底後に20秒そのままにしてからタナをとってみた。すると嘘のように絡みが解消するではないか。

●昼前までボ
こんなことをやっている間に時間は11時過ぎ。まずい、このままでボウズである。確かに今日は北風逆潮なので左舷側が有利ではあるのだが・・・。

この時間は船中でもアタリが遠のいていた。長潮のせいか潮の流れもあまりなく、道糸が真下に落ちる流しも結構ある。ハリスの絡みも潮が流れていれば中錘と餌木が離れるので少なかったのかもしれない。ここで船は大きく西へ移動。大磯沖まで走った。

●やはりピンクの餌木か?
う〜ん、餌木の色はもしかしたら青とか緑がいいのかな〜、と悩んで緑の餌木をつけた直後に左舷ミヨシと2番で立て続けにアオリが上がった。しかも型もいい。餌木はピンクと紫である。更に右隣りのおじさんもキロ級のアオリを掛けた。船長は逆舷側でタモ取り中なので私がタモを出してあげた。更に右舷ミヨシでも良型。みんなピンク系の餌木のようだ。気がつくと若干ではあるが右舷が潮上になっている様子である。チャンスかもしれない。

 アタリ餌木です

●餌木チェンジ正解!良型本命
ここで餌木をピンクの4.5号という一回り大きいものに変更。4号のピンクもあったのだが、何となく大きい方が目立つような気がしたからだ。更に、この大きさの餌木だと餌木がハリスを張った感触も明確に伝わってくるので、海底の起伏で餌木が底についてしまった場合などが即座に分かりタナを取り直すことが出来る。
餌木をチェンジして10分後の11時40分。しゃくった竿を下げて餌木が沈んで行く途中でイカの引きを竿先に感じる。そのまま道糸が張ると竿先がグングンと引き込まれた。ゆっくり竿先を上げると明らかなイカの感触。乗った!
途中かなり大きな引き込みを見せることから良型でありそうなことが分かる。慎重にリールを巻き船長にタモアシストを頼もうと操舵室をみると、この時トモでもやりとりしていて船長はそちらに行ってしまっていた。そこで隣りのおじさんにアシストをお願いする。水面には褐色の物体。大きい。無事タモに収まったのは後検量1.2kgの良型の本命アオリイカ。初のアオリであるし、何より餌木交換直後なので嬉しさは倍だ。

持参の缶ビールで祝杯をあげつつ2尾目を狙う。が、そう簡単には連釣などできるものではない。しかし手は休めたくないので昼食のカップラーメンは諦めてポテチとコーラで我慢する。

●手抜きはいかん
これが良かったのが13時20分に2度目のアタリ。今度はしゃくり上げた時に乗ってきた。引きを十分に感じてさぁリールを巻こう、としたときに無常にも竿先が軽くなってしまった。慌てて餌木を再び落としてみるが乗りはなかった。餌木を点検してみるとなんとカンナの部分いっぱいに硬い海藻のかけらが詰まっていた。そういえば、さっき軽い根掛かりをしたときに、うまくはずれたのでそのまま上げずにそのままにしたっけ。このミスのおかげで貴重な1尾を逃してしまったようだ。やはり手抜きの釣りはいけない。

しかし次のアタリを信じてしゃくり続ける。朝吹いていた北風もだいぶ収まったが相変わらず曇り空で寒い。鼻水を拭きながらの釣りがずっと続いていた。しかしスミイカもそうだが、常にアクションが必要な釣りは飽きないものだ。

●2尾目
アタリの無さに隣りのおじさんは座って竿先をちょこちょこ動かしているだけ。トモの人もほぼ置竿に近い。ミヨシのお兄さんは一生懸命しゃくっているのだが如何せんインターバルが短い。中錘で道糸が張った直後にしゃくっているので、一生懸命やっているようには見えるが海中の餌木がきっと動いてないはずだ。結局この人は船中唯一のボウズになってしまった。
そして13時40分、しゃくり上げたタイミングで乗り。今度は無事に乗った。先ほどのような大きな引きはないがキス竿であるのでなかなか楽しめる。無事船長のタモに収まったのは後検量0.5kg。2尾目ゲットで心は躍る。

 2尾目の本命

更に3尾目、と目論むがそうは問屋がおろさず定刻の14時に終了となった。

<釣果>
アオリイカ 2尾(0.5kg、1.2kg)

当日は船中15尾上がった様子。右舷は前から0、2、1、1、1.左舷はおそらく前から1、2、1、2、3である。やはり潮上有利であることは間違いなさそうだ。これに船中5尾の良型スミイカが混じったようだ。いつもなら多く混じる小型マダコは今日はほとんど上がらなかったようだ。

四六時中釣れる釣りではないで冬ではなかなか辛いのであるが、一度やるとその面白さにハマる人は多いらしい。シャクリの動作、餌木の選択、タナの取り方・・・。まだまだ追求する事項は多いが、この冬の間はあと何回かアオリイカ釣りを楽しんでみたい。


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