型揃ってまずまず、大原沖ショウサイフグ

写真キャプション


  1. 日時:99年11月6日(土)
  2. 場所:大原沖
  3. 参加メンバー:上甲
  4. 時間:午前6時00分〜午後12時00分頃
  5. 潮時:大潮


釣行記

大原のふぐがまずまずの調子のようである。昨年は開幕からいきなり束釣りが記録され、近年まれなふぐの湧き、と言われたが、如何せん型は小さいものが多かった。今年は数は出ないものの型はそこそこ良いそうである。密かに目をつけていつ突っ込むかを伺っていた。
そんな折り、大原・臼井丸が6日の土曜日はショウサイフグ乗合を出すとのこと。他に東京湾アオリイカや駿河湾ヤリイカなども候補の釣りものだったが、野毛屋のアオリはつり情報に紹介されたばかりで激込みだろうし、駿河湾のヤリイカも高い交通費をかけていくほどの釣果はまだ出ていない。という消去法で金曜日の昼過ぎに大原入りを決断。臼井丸に電話するとまだ空いているということなので、朝到着で予約をしておいた。

●装備は身軽
ふぐは竿とリールだけ持っていって、あとは全て船宿で揃える予定。竿はカワハギ竿、リールはスミイカなどで使う小型両軸リールである。

3時頃に港に到着し、さっそく座席の確保に。右舷は竿やクーラーが結構おいてあったので、すいてる左舷のトモ3番目に席をとる。その後は車内で4時過ぎまで仮眠。臼井丸に灯かりが灯ったところで準備にかかる。フグはまだ2回目の釣行だし、昨年を上回る30尾くらいの釣果が当面の目標である。

●仕掛けはマニアック?
右舷の胴の間にはふぐ釣り名人の常連Hさん。そのトモ側隣りにMLの寺林さん夫妻の姿が見える。気がつくと右舷も左舷もほぼ満員の盛況。のぶ船長によれば、敷島丸に乗り切れなかった人達がこっちの船にまわってきたそうだ。昨日の釣果もなかなか良かっただけにこれだけの人が集まったのだろう。
隣りの常連さんの仕掛けをみると、何やらいろんな色の錘のカットウ仕掛けを準備している。餌もイカげそや鶏の皮みたいなもの。タコベイトもある。不安になって寺林さんのところに聞きに行く。さすが臼井丸研究家の寺林さん、各色の錘やタコベイトの準備は万端の様子。赤のタコベイトと蛍光緑の錘のカットウ仕掛け(掛け針2本付き)をありがたく頂く。蛍光緑はまだ暗いうちの釣りには効果ありそうだ。昨年は、おっかさんにカットウの食わせ針のところにビニール紐を付けてもらった記憶がある。アタリを明確に出すためだ。タコベイトはこれと同じ原理なのだろう。
 蛍光錘にタコベイト仕掛け

船は5時に出船。まだ暗い中を今日の釣り場の太東沖を目指す。30分ほど走ったところでスローダウン。日の出前であるが、船長の合図で開始となった。餌の青柳は解凍
水深は20m前後であろうか。底を少し切って時々誘いを入れながら空合わせをしてみる。すぐにアタリが出るかと思ったが、なかなか船中顔を見ることが出来ない。
東の空が明るくなってきた頃、やっとポツポツと上がり始めた。昨年の小型フグに比べれば良型だ。

●濁り潮に苦戦
私にも空合わせにやっと20センチ程度が1尾。この後はぽつぽつと船中ふぐは上がる。が本調子にはほどとおい食い。良く見ると潮はかなり濁っている。「濁り潮だからベタ底でいいよ」と船長。空合わせを頻繁にいれたり、スーッと誘って落とし込んでみたりするがどうも今一つ。
7時過ぎの段階で船中見回ってみると、およそ3〜4尾程度。Hさんも「アタリが全くでないよ〜」と嘆いている。

●赤タコベイトが有効
きょろきょろと周りを見回すと、どうもピンクの錘の人によくフグがあたっているような気がする。隣りの常連さん2人組みも手を変え品を替えやっている。聞き耳をたててみると、明るくなってからは緑はダメで、ピンクやオレンジがいいようだ。また黒もいいそうだ。黒がいいなら素のまま錘でもいいだろう、ということで仕掛けを船宿製の素のままオモリ、カットウ針1つの奴にチェンジ。また、アタリ出しのためにいかげそを付けていたが、ゲソはやめてタコベイトをチョン掛けにする。

するとポツポツと掛かって9時にやっとツ抜け。いずれも空合わせに乗ってきた感じでどうも釣った気がしなくて今一つ。

 フグ釣り船団

●30センチの良型も
再び船内を見回ってみる。船長の話では右の胴の間、左前、大ドモが調子よいようだ。寺林さん奥さんは30センチ近い良型をゲットしている。うらやましい。
操舵室から名人Hさんの釣りを観察する。竿先を制止させてじっと見詰め、微かなアタリで合わせを入れている様子。空合わせなんてしていない。隣りのお友達にも「竿先に出る前アタリで合わせないとダメだよ」とコーチしている。なるほど、じっと待って前アタリを取るのだな。

●後半は状況好転!
10時過ぎの移動後、状況が好転する。根掛かりがほとんどないことから、10秒に一度くらいのマメな底立ちで徹底的なべた底狙いをする。タナは底から10センチ程であろうか、おそらくカットウ針は底についているくらいだ。竿先に出る微かなモタレ、時には明確に出るアタリに竿先を上げるとグンッと重さが乗ってふぐが釣れてくる。

ポイントはもう一つあって、それは餌付け。やはり青柳の肝の部分が針にないと食いが悪くなるようだ。2分ほど待っても掛からなければ仕掛けを回収。たいていはその時点で餌は青柳のベロ部分だけになっている。で、餌を追加で装着。それでアタリが出る、という感じだ。
また、フグの群れも広く分布しているわけではなさそうで、左舷では前の方からアタリが出だすことが多かった。つまり、他の人がフグを釣ったら自分の仕掛けの周りにもフグがいるということなのだ。ある時などは左舷全員がほぼ同時に掛ける、なんて光景も見られた。

●ポイントは「赤」
11時の時点で24尾。型もまずまずでお土産には事欠かない。タコベイトはフグにかじられて足がだいぶなくなってきた。そこで赤タコベイトをもう一つ追加で装着。さらにアタリを出しやすくする。

 千切られたタコベイト
ラストスパート、空振りの投入はほとんど無くなって、一時は入れ食いでフグが釣れてくる。これだけ釣れると面白いものだ。いや、夢中になって釣り続ける。
11時半で30尾突破。目標達成。ここで今日始めて掛けたフグをばらす。すると何故かアタリがぱったりと止まる。群れが散ってしまったのだろうか?それでも我慢してひたすらべた底狙いで続けると、納竿間際にまた活発になった。34尾目を釣り上げ、さあ、35尾目ということで船長からの終了の合図が来たので終了とした。

<釣果>
ショウサイフグ 20〜25センチ 34尾

 バケツいっぱいのふぐ。

常連さんでも40尾程度だったそうだ。型も20センチ以上が揃ったし、2回目のチャンレンジにしては上出来の成果であると思う。これも蛍光錘やタコベイトを分けてくれた寺林さんのおかげだろう。寺林さんが乗ってなかったら、こういう装飾品無し仕掛けで貧果にあえぐことになったかもしれない。

帰港後は船宿でふぐをさばいてもらって帰宅。鍋にふぐ刺し、唐揚、どれも旨い。昨年のふぐは小さくて正直そんなたいした味ではなかったが、これがショウサイフグの旨さ、というのを実感できた。余ったふぐは小分けにして鍋のたびに解凍して使うとしよう。

さて、今回よかった要因は
・仕掛け(朝方の蛍光錘、後半のタコベイト赤)
・ベタ底狙い
濁り潮のため、底にいるふぐには上の餌が見えない?
・頻繁な底立ち
・空合わせを極力しなかった
空合わせをしないことでべた底に仕掛けをキープする時間を長く出来たのではないか。と推測される。澄み潮のときなどはまた攻め型が異なってくるのだろう。

錘の色などに凝ってみるところはスミイカに通じるものもあるような気がする。もう少し奥深くショウサイフグ釣りを探ってみるのもいいかもしれない。


釣行記集へ