一時は入れ食い、相模湾本カツオ

カツオにシイラでクーラーいっぱい。


  1. 日時:99年8月28日(土)
  2. 場所:相模湾一帯
  3. 参加メンバー:上甲、ベルデ伊藤他2名
  4. 時間:午前7時00分〜午後12時30分頃
  5. 潮時:中潮


釣行記

約1年ぶりのカッタクリ釣りとあいなった今回は、最近は転勤によってちょっとおとなしくなってしまったベルデ伊藤氏の仲間の仕立に便乗させてもらうというありがたい企画。ただ、狙いもののワカシは型が小さく、しかもここのところは食いが悪く船中1桁釣果なんてのもザラにあるような状態。行こうかどうかかなり迷ったが、他に良さそうな釣りモノもなく、天気も良さそうなので釣り半分、遊び(ビールなど)半分という心構えで気楽に行くことにした。

●半仕立船は大型船
船宿は葉山・あぶずる港の「ゆうしげ丸」。出船は6時で昼前には終了して渋滞が始まる前に帰ろうという段取りである。ベルデさん宅に朝4時半に集合し、ベルデさん友人の女性2名と共に葉山へ向かう。このうちの1名は船釣りは初めてだそうだ。
葉山に到着したのは6時少し前。既に皆さんお集まりで挨拶をすませて、氷を積んで早速船へ。仕立てのはずであったが、乗合の人数が少なかったのか、常連さん2名も乗り込んで、その代わりに大型船での出船になった。

常連さんが両ドモに入り、我々4名の一行が右舷に。ベルデさんがミヨシで女性2名を挟んで私がトモ2番目に陣取る。船長に聞くとやはりカッタクリに分があるそうだが、慣れない女性陣はまずはウイリーでの竿釣りでやってもらいうことにした。

●まずは平塚沖へ
船は30分程走って平塚河口沖へ。ここはワカシのポイントであると同時に最近好調な太刀魚のポイントでもある。既に僚船がかなり集まっていて、その間を縫ってアンカリングが完了したところで7時頃に開始となった。水深は15m前後とかなり浅い。

まずはカッタクリでやってみることにする。仕掛けは市販のハリス5号のカッタクリイナダ仕掛け。ここでバケ一式を家に忘れてきたことに気づく。ということで今日はすべて市販仕掛けでやることになった。

●ルアー太刀魚は好調
底から水面までカッタクッてみる。がなかなかアタリがない。と、隣りの初挑戦の吉本さんがなにやら掛けた様子。小さいながらもサバであった。ウイリーシャクリを教えたばかりなので早速魚を掛けるとはなかなか。トモの常連さん達もサバにまじって80センチはある太刀魚を上げている。それを見た船長がオオドモでジギングを開始。5分もしないうちに3本上げたのは驚いた。

 餌釣りなら型もいいです

私にもやっとサバ。このころからバケをとられることが続いた。犯人は太刀魚。針掛かりせずにハリスを切っていくやっかいものだ。ベルデさんや常連さんはポツポツと太刀魚を上げている。が、私は気が付くとバケだけが取られている。と、サバよりは強い引き込み。やっと幅が指2本半くらいの太刀魚をゲット。
バケを6つ取られたところで業を煮やして太刀魚仕掛けにチェンジ。これは太刀魚針にチモトを夜行パイプで補強したもの。これに釣れたサバの身餌でやってみることにする。

●太刀魚仕掛けなら入れ食い
と、1投目から「ガツン」というアタリ。サバとは明らかに異なる強い引き、が途中から食い上げたように軽くなり、一瞬バレた?と思わせる特徴ある引きは太刀魚のもの。バケで釣ったものよりサイズアップし3本指サイズをゲット。
この後、ほぼ入れ食い状態になるが、アタリがあっても針掛かりするのは半分程度。カッタクリでなく感度の良い竿釣りでやればもっと簡単に針に掛けることが出来るのではないか、と思いながらも3本指サイズを3本ゲット。

 前半は太刀魚と鯖

●沖でカツオ!
隣りの吉本さんに「私も太刀魚が釣りたい」と言うので仕掛けを用意してあげようとした矢先に「沖でカツオの模様が出たようだからちょっと走るよ」とのこと。船は南西に進路を向けてひたすら沖に走る。40分ほど走ったであろうか、既に岸はどこにも見えないくらいの沖に数隻の船団が出来ている。見ていると葉山や茅ヶ崎の船などのイナダ船のようだ。

●最初はボチボチ
船団のちょっと手前で船は急停止。「10mくらいからやってみて!」と船長が叫ぶ。15m落として急ピッチでかったくる。すると10m付近でガツンというアタリ。かなり強い引き込み。手繰り上げてみると銀色の魚体が2つ見える。キロ弱程度のカツオの一荷だ。強引に抜き上げて、すかさずコマセを詰めて再投入。すると同じタナでまたアタリ。これも海面に見えたのは一荷。が、抜き上げ時に1尾はハリス切れでバラシ。しかしここまででカツオの群は去ってしまったようだ。
カッタクリ組は2〜3尾のカツオを確保したようだが竿釣り組は今ひとつだったようだ。

この後は群(なぶら)を探してしばらくクルージング。何カ所かで仕掛けを落としてみるが空振りが続く。

途中、散水装置を使ってカツオの1本釣りをしている船を見かける。きっとイワシを持っているのだろう。イワシでカツオの群を止めることが出来ればもっと楽な釣りが出来るはずだが、今日は鳥山やイワシ玉を全く見ることが出来ない。

●入れ食い!
10時頃のこと、船に行き先には結構大きめの船団。ここに混じって開始するがここも不発。すぐに竿上げの合図。船は船団からちょっと離れた場所へ。ここには葉山の他の船が数隻。仕掛けをいれるといきなり落とし込みであたる。ハリスは6号にしてあるのでガンガン手繰る。これもカツオ。すかさず投入。15mまで落とすが、当たったのは5m前後。一気に抜き上げる。あちらこちらでもカツオの跳ねる音がバタバタと響く。まさに入れ食い。「魚の処理は後でいいからどんどん釣って〜」と船長。吉本さんの慣れないかったくりながら一荷で上げたりしている。このカッタクリの入れ食いは正に我を忘れる瞬間だ。枝針がハリス切れを起こす。でも結び直している時間はない。1本針のまま続ける。海面でのバレも結構あるが、針に掛かったカツオを他のカツオが海面まで追いかけてくる程の活性の高さ。無我夢中でかったくる。
15分もすると食いも落ちた様子。頃合いを見て床に転がっているカツオやバケツのカツオの処理を始める。いや、この短時間によくこれだけ釣ったものだ。

 場筒のカツオ

●後半はクルージング
もうしばらくこの場所付近を流すが音沙汰がない。この時点でかなりの人がクーラー満タンに近い状態である。そのせいか「ここからは港に向かいながら群を探して帰って行きます」と船長。カッタクリ続けて披露した乾いた喉にはビールが旨い。しばしビール片手に相模湾のクルージングを楽しむ。

潮目なのか流れ藻などが漂う場所に到着。とりあえずやってみる。数回カッタクるとガツンというアタリ。手繰り上げると残り数mのところで軽くなる魚が海面に向かって来た。そのままジャンプしたのはやはりシイラ。無事取り込んだのは70センチ級。皆、シイラでボチボチ遊んだところで船は再び東へ。

 シイラもバケにアタック

かれこれ1時間半以上は東に向かってやっと岸が見えてきた。かなり相模湾の沖に出ていたことが分かる。

●最後はシイラのバラシ
12時過ぎ、船長は葉山のかなり沖にあるブイ周りに船を止め「ここでやって終わりにします」とのこと。ここでも数回のカッタクリの後にアタリ。きっとシイラだろうと手繰るとこのシイラは一気に海面に突撃してきて2m程の垂直ジャンプ。「おおっ!」とみんなが唖然としている。気が付くと針がはずれていた。
この場所ではベルデさんが一荷でシイラを仕留めたりして12時半に終了となった。

<釣果>
・本カツオ 0.8kg 16本
・シイラ  70センチ 1本
・太刀魚  70〜80センチ 5本
・サバ 少々

他船もワカシが全くだめだった様子でカツオの群が入ってこなければあのまま河口沖で太刀魚釣りで終わっていただろうだけに非常に幸運に恵まれた。
この日以降、相模湾はこの小さ目のカツオフィーバーになり、良い群に当たった船は連日早上がりの好釣果に恵まれている。昨年のように3〜4kg級の群が入ってくると面白いのだが・・・。

帰りは皆、重いクーラーをひーひー良いながら担いで車まで運搬。良い思いをさせてもらったベルデさんに感謝である。


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